小高い丘の上にシルエット2つ
昨年7月にジャンルレスなサウンドと普遍的なメッセージを込めた最新アルバム「図鑑」を発表したゆず。北川悠仁と岩沢厚治はこのアルバムを携え、全12カ所30公演からなるアリーナツアーを昨年10月に長野・ビッグハットでスタートさせた。また、本ツアーでは「図鑑」のアートワークでもコラボレーションしているフラワーアーティスト・東信が主宰するクリエーション集団・AMKKの全面協力により、花をモチーフにしたさまざまな演出がちりばめられた。この記事では、5日間にわたって行われた横浜アリーナ公演のうち、2月18日の模様をレポートする。
ゆずの故郷が神奈川県横浜市であることから、開演前には「ゆずが横浜に帰って来ました! 特別な夜を一緒に作り上げましょう」という影ナレが流れる。ゆずのライブでおなじみのラジオ体操第一でゆずっこ(ゆずファンの呼称)約1万人が体を温めてライブを楽しむ準備は万端。北川がアメリカ・ロサンゼルスの砂漠を歩くオープニングムービーを経て、ステージの巨大スクリーンには北川と岩沢のシルエットが浮かび上がった。舞台に広がる小高い丘のようなセットの上でゆずは磯貝サイモン(Bandmaster)、真壁陽平(G)、前田恭介(B /
ひさびさの冬ツアーで「横浜、ただいまー!」
“図鑑”のページをめくるように次々と楽曲を披露して多彩な物語を紡いでいくゆず。「かける」ではダンサー8人からなるFLOWER PERFORMERSが加わり、ステージが一気に華やぐ。パフォーマー陣のダイナミックなダンスや、きらびやかな光のショーとともに、ゆずは希望にあふれるメッセージを描き出した。「RAKUEN」では北川のチャーミングな魅力が炸裂。満点の笑顔で歌い踊り、メインステージから延びる花道を駆け抜けて投げキッスをしたのち、カメラに向かって指でハートポーズを作った。
「横浜、ただいまー!」と北川が声を張り上げると、客席から「おかえりー!」のレスポンスが返ってくる。歓迎ムード一色の横浜アリーナで、北川が「ひさびさの冬ツアーです。寒波がやってきて冬真っ只中なので、懐かしい冬の曲をやります」と紹介すると「みぞれ雪」へ。岩沢のハーモニカが高らかに響き渡り、2人の穏やかなハーモニーが場内に広がる。さらに「いつか」と初期のナンバーが続き、2人の切実な歌声が深い感動を呼んだ。
無骨なアコースティックギターが印象的な「つぎはぎ」のあとに披露されたのは、横浜アリーナ最寄りの新横浜駅も通る横浜市営地下鉄からインスパイアされたフォークソング「SUBWAY」。暗闇を走る電車のアニメーションをバックに、2人は哀愁を帯びた歌声とギターを響かせた。その電車が光の輪を何度もくぐり抜けて銀河の世界に到着すると「十字星」がスタート。バンドメンバーの織りなす雄大なサウンドに乗せて「何度でも 何度だって 巡り会える」というメッセージが届けられ、場内はたちまちドラマチックなムードに包まれた。
これからも走り続ける
「スミレ」でライブは後半戦へと突入。優しさに満ちたハーモニーに合わせ、風にそよぐ花のように、ファンの手が左右に揺れ動く。そんな温かなムードは「ワンダフルワールド」で力強いものへと変化し、ゆずの突き抜けるような歌声や、パフォーマーのパワフルなダンスによって生命力を感じさせるステージが繰り広げられた。「栄光の架橋」「Frontier」と毛色の異なるエールソングが畳み掛けられ、ライブの大定番「夏色」では横浜アリーナがお祭り騒ぎに。オーディエンスはライブグッズのタンバリンを鳴らしたり、リズミカルにハンドクラップを繰り返したりして会場が一体となる。岩沢に見守られながら、ステージを降りた北川はファンに花をプレゼントしながらアリーナ内を笑顔で練り歩いた。
熱狂冷めやらぬ中、さわやかな風を届けるように「Chururi」をパフォーマンスしたゆず。彼らのうしろには目にも鮮やかな花畑が広がっていた。そしてツアー中に制作した最新曲「flowers」、スケール感に満ちた「ビューティフル」の披露後、北川は胸の内を吐露する。「相変わらずステージに立つ前はドキドキしながら『ホントは(ゆずを)観たくないんじゃないかな』とネガティブになったりするんですけど、舞台に立つとみんなに会えてよかったなと思います。ありがとう。これからも図鑑のページをめくるように音楽を届けていきたいです。俺たちが走り続ける姿勢がちょっとでも皆さんの生きる糧になっていればと思います」とメッセージを届けた。エモーショナルな空気も束の間、北川のギターストロークで始まったラストソング「伏線回収」では観客がダンスで大盛り上がり。ミュージックビデオに出演したゆりやんレトリィバァが楽しげにダンスする映像も流れ、最後にはゆず2人がカメラに向かってにっこりポーズ。互いのパフォーマンスを称え合うように固い握手を交わした。
ゆずは3月1日と2日に神奈川・Kアリーナ横浜、8日と9日に愛知・Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)、18日と19日に大阪・大阪城ホールでこのツアーの追加公演を行う。
セットリスト
ゆず「YUZU ARENA TOUR 2024-2025 図鑑 Supported by NISSAN SAKURA」2025年2月18日 横浜アリーナ
01. Overture -harmonics-
02. 図鑑
03. かける
04. RAKUEN
05. みぞれ雪
06. いつか
07. シャララン
08. つぎはぎ
09. SUBWAY
10. 十字星
11. 青
12. スミレ
13. 花言霊
14. ワンダフルワールド
15. 栄光の架橋
16. Frontier
17. 夏色
18. Chururi
19. Interlude -harmonies-
20. flowers
21. ビューティフル
22. 伏線回収
公演情報
ゆず「YUZU ARENA TOUR 2025 図鑑 spring has come Supported by NISSAN SAKURA」追加公演
2025年3月1日(土)神奈川県 Kアリーナ横浜
2025年3月2日(日)神奈川県 Kアリーナ横浜
2025年3月8日(土)愛知県 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
2025年3月9日(日)愛知県 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
2025年3月18日(火)大阪府 大阪城ホール
2025年3月19日(水)大阪府 大阪城ホール
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