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再生数急上昇ソング定点観測 (2025年2月3週目) [バックナンバー]
佐久間大介の推し活応援ソングにオーイシが込めた思い / 「懐かしさの先」が映す、与田祐希の生きる場所
今、盛り上がり始めている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2025年2月21日 18:30 17
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで2月7日から2月13日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、42位に
King & Prince「HEART」MVショートクリップ
43位にランクインしたのは
BABYMONSTER「BILLIONAIRE」エクスクルーシブパフォーマンスビデオ
50位には
YZERR「カリスマ feat. LEX & Awich」ミュージックビデオ
今をときめくアイドル、ガールズグループ、ラッパーの新曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。
Daisuke Sakuma「守りたい、その笑顔」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場3位
7位にはRyota Miyadate(宮舘涼太)の昭和歌謡を想起させる「I・だって止まらない」、11位にはTatsuya Fukazawa(深澤辰哉)が歌う片岡健太(sumika)の提供曲「iro iro」が登場。ほかにも15位にShota Watanabe(渡辺翔太)の突き抜けるようなハイトーンボイスが印象的な「オトノナルホウヘ」、22位にRen Meguro(目黒蓮)の力強い歌声に心を奪われるミディアムポップ「朝の時間」、29位にRyohei Abe(阿部亮平)の優しい歌とさわやかなサウンドの「いっそ、嫌いになれたら。」、41位にKoji Mukai(向井康二)の離れた場所で暮らす“君”に思いを馳せるラブソング「ファインダー」、46位はHikaru Iwamoto(岩本照)にピッタリな大人の色気を感じるR&B ナンバー「7%」、57位にRaul(ラウール)自らが英語詞の作詞に挑戦した「Induction」がランクインし、それぞれの個性を堪能できる曲と映像が注目を浴びている。
その中で、飛び抜けて再生数を伸ばしているのが3位に登場したDaisuke Sakuma(
「やっぱりオーイシさんがいいな、と思っていた状況で『オーイシ武道館(~オーイシマサヨシ ワンマンライブ at 日本武道館~)』を観に行ったんですよ。ライブを観た瞬間に『もう、俺はこの人の歌じゃないと歌いたくない』と思った」
そして、佐久間は焼肉屋でオーイシに「ソロ曲って、その人の“人生のテーマソング”だと思うんです。だからオーイシさん、俺の人生のテーマソングを作ってください。あと、めっちゃ盛り上がる曲を書いてください」と直談判。その話を受けて、オーイシは「これは究極のコーレス(コール&レスポンス)曲を作るしかない」と思ったという。また、歌詞に関してオーイシはこのように話している。
「さっくんといえば、(アニメ)オタクなイメージがあると思うんですけど、オタクといえばオタ活・推し活じゃないですか。スノ(Snow Man)を推している皆さんも、日頃から推し活に勤しんでいるわけで。皆さんの“推し活応援ソング”という広い視点で捉えたら、佐久間くんが歌うにふさわしい楽曲になる。そして佐久間くんの人生のテーマソングでもあるし、スノ担にも響くんじゃないかなと思った」
この曲のサビに「君の幸せを願って止まないよ」というフレーズがある。これには2つの意味が込められており、「推しの幸せを守りたい」というファン目線のフレーズと、「君(ファン)の幸せを願うよ」というアイドル・佐久間大介がファンに投げかけるフレーズ。これは佐久間大介にしか歌えない、そう思えるほど素晴らしい1曲だ。
乃木坂46「懐かしさの先」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場67位
乃木坂46「逃げ水」ミュージックビデオ
映像の中には一人称の視点も組み込まれており、これは「私が見ている光景を観てみてほしい」という与田の提案が反映されているという。ほかにもこの映像では、ダンスシーンで各メンバーがMVやライブなどで着ていた歴代衣装を着用しているところも注目ポイントで、改めて乃木坂46の軌跡を振り返ることができる。また、1分10秒過ぎに「逃げ水」のイントロが流れたり、2分15秒のところで「逃げ水」のラストシーンが一瞬映ったりと、このMVには「逃げ水」を思い起こさせる細かい仕掛けが施されている。MVの最後で与田は無言でうなずいているが、2月11日のMV公開直後に行われたYouTube生配信にて彼女は、このうなずきは遠くから聞こえる「楽しかったかい?」という言葉に対しての返事だったと解説している。
ちなみに、私はこれまでさまざまな媒体で与田にインタビューをしてきた。その中から雑誌「BUBKA」2019年9月号で行った乃木坂46のドキュメンタリー映画「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」総力特集の記事の一部を紹介したい。
——今、優先順位としては何が一番にあるんですか? 例えば「自分が売れることが一番」だったり、「仮に自分が一歩下がることになっても、グループが売れることが一番」だと思っているとか。
与田 やっぱり乃木坂46が一番大事ですね。グループ全体が良い方向へ行ったら良いと思っているし、そこに私に出来ることがあったら良いなと思います。だから……そうですね。
——なんで乃木坂46に対して、そこまで思えるんですか。
与田 むしろ私には乃木坂46しかないんですよね。学校に行ってるわけでもないし、地元にも帰れない。今は乃木坂46しかないから、それ以外が思い浮かばないです。ここが私の生きる場所だから。
グループが“自分の生きる場所”と言った彼女は、これからどこへ向かっていくのか。この楽曲を通して有終の美を飾った与田の今後にも期待したい。
なとり「DRESSING ROOM」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場91位
「DRESSING ROOM」は“ライブで踊れる曲”をテーマに制作され、去年10月開催のワンマンライブ「劇場~再演~」にて初披露された楽曲。好きな人と愛し合った日々に思い馳せながら、お酒を飲んで逃避行する様子が表現されている。
なとり「フライデー・ナイト」ミュージックビデオ
2月7日に今作のMVを公開したのに合わせて、
アートワークは「フライデー・ナイト」でもタッグを組んだイラストレーターのピカタによるもので、映像監督は「絶対零度」「メロドラマ」を手がけたkoukoが担当。YouTubeのコメント欄は「『フライデー・ナイト』は『毎度同じような恋愛しかしてなくてどこか満たされない、また飽きては捨てるだけの自分』みたいな感じで、もう既に冷めきってる、恋愛の終わり。『DRESSING ROOM』は『新しい恋愛が始まった段階のまだ相手のことが好きでたまらない』みたいな段階で、歌詞の『マイハニー』からも恋愛の始まりって感じがする」などの考察で盛り上がっている。
- 真貝聡
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ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
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佐久間大介くん(SnowMan)info @d_sakuma_info
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