開演時間を迎えると、紗幕越しにバンドメンバーのシルエットが浮かび上がる。流麗なピアノの音色を合図にステージ中央に立ったDar'k~ness(Vo)がけだるい口調で「よく来たな……」とつぶやくと幕が開き、バンドは「The shocking soup of Virgin Marry ~華麗なる欲望~」でライブをスタートさせた。Dar'k~nessは“辛いスープ(カレー)”への思いを歌い上げ、「頭振れ!」とオーディエンスを煽る。曲の終盤には大きな「福神漬!」コールが発生し、会場は1曲目から熱い盛り上がりを見せた。
「約束」「メンバー紹介 or Die」を続けてパフォーマンスした彼らは「近況報告 or Die」(MC)で、この日欠席の聖☆飲の代わりに暴麗がギターを担当することをアナウンスする。女性ファンから黄色い声援を集める暴麗に、Dar'k~nessは「バンドの“顔面偏差値”が高まったよ」とコメントして笑いを誘った。また彼は、バンドが初出演した「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」のアクトが盛況だったことを振り返り「異様な盛り上がりだったんだよ。君たちが陣頭指揮を執ってくれたのか……」と感謝を伝えた。
ライブ中盤にはバラエティに富んだバンドの楽曲が次々と披露されていく。「中年」では悲哀を歌う歌詞とは裏腹に裏打ちの軽快なリズムが観客の体を揺らし、ミラーボールの光が会場を照らした「愛は猿さ」ではラテンのリズムに乗せてDar'k~nessによるダンス指導が行われた。彼の「みんなの心の中の“普通の人の感覚”から飛び出しておいで!」という誘いに、オーディエンスは歓声を上げて反応し、会場はダンスホールと化す。続く「スター誕生(仮)」はこの日披露された新曲で、バンドは熱のこもったパフォーマンスで彼ら流の“応援歌”であるこの曲を届けた。
ぐんぐんと高まって行く熱気をさらに上昇させるように、彼らは続けて「放火魔だもの」をドロップ。「行くぞ!」と気合いを叫んだDar'k~nessはステージをアクティブに動き回り観客の声援を求める。彼が「なかなかの炎上ぶりだよ。もっと燃料をぶっかけたいね!」と言い放つとバンドの演奏も一層熱を帯び、魅蛙(Key)は情熱的なキーボードソロを披露した。
会場の一体感に「今日は本当にありがとう。君たちは本当に、一輪一輪の大事なお花さんだよ」とつぶやいたDar'k~ness。すると一転、直後に彼は「バカ!」と絶叫し「調子に乗るんじゃないよ! 君たちはどこにでも生えてるペンペン草さ!」と観客を“罵倒”した。この言葉を受けて本編の最後に届けられたのは「世界中にある花」。フロアに笑いと熱狂をもたらしたDar'k~nessは充足の笑みをたたえていた。
オーディエンスの大きな歓声を受けてスタートしたアンコールならぬ「スパンコール」は「とぅ・び・こ・ん・にゅ」でスタート。アニメ映画「映画かいけつゾロリ うちゅうの勇者たち」の主題歌として使用されたポップチューンで会場を盛り上げたDar'k~nessは「この曲聴かないと終われないよね」と続けて「矛と盾」をドロップした。Dar'k~nessは曲の世界に没入するように熱のこもった歌声を響かせ、彼が「本気を見せてくれ!」と叫ぶと、オーディエンスは激しいヘッドバンギングで彼の声に応えた。この曲のあとにはバンドが11月20日に東京・新宿LOFTにてライブイベント「Fly or Die presents 悪性のエンターテイメント」を実施することがアナウンスされる。この日のラストナンバーとなったのは「The theme of F.O.D」。「F.O.D!」コールで会場に大きな一体感を生み出したDar'k~nessは、「11月にお会いしよう」とオーディエンスに告げてステージをあとにした。
マキタスポーツpresents Fly or Die「契約」
2015年9月12日 morph セットリスト
01. The shocking soup of Virgin Marry ~華麗なる欲望~
02. 約束
03. メンバー紹介 or Die
04. Virgin Marry~聖母マリア~
05. 中年
06. Deathdonald
07. 愛は猿さ
08. スター誕生(仮)
09. 放火魔だもの
10. あいしてみやがれ
11. 世界中にある花
<スパンコール(アンコール)>
12. とぅ・び・こ・ん・にゅ
13. 矛と盾
14. The theme of F.O.D
リンク
- flyordie.jp
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
マキタスポーツ/小説『雌伏三十年』文藝春秋社より発売中 @makitasports
ナタリーさんのレポです。:マキタスポーツpresents Fly or Die、六本木で熱狂と笑いのワンマン - 音楽ナタリー http://t.co/PkACH5x0EZ