エノケンの若年時代から晩年期までを演じる市村は「年齢に負けないよう、パワフルにエノケンを演じます。出ずっぱりなので全部見せ場です!」「エノケンというと、舞台上の姿はよく知られていると思いますが、彼の私生活や稽古場の様子、根底に流れている思いはあまり知られていない。その部分をしっかりと演じていきたい」と言葉に力を込める。
松雪は、エノケンの前妻・花島喜世子と、後妻・榎本よしゑの2役を演じるため、「早替えが物理的に大変(笑)」と裏側を明かしつつ、「エノケンを見つめ続ける中で、時代が移り変わるところに作品の面白さを感じています」とやりがいを語る。また、本作が松雪の出身地である佐賀県でも上演されることに触れ、「初めて地元で劇をさせていただくので楽しみです。お子様が無料で見られる文化庁の事業もありますのでぜひお越しください」と呼びかけた。
本田は「7年ぶりの舞台出演で、本当にたくさんの学びがありました」と顔を輝かせ、自身が務める2役の見どころについて「エノケンの息子・鍈一は家族のことが大好きなので、家族との絆をお見せしたい。エノケンのもとで成長する劇団員・田島太一は、ひたすら“全力”で生きています。田島は特に冒頭の登場シーンを楽しんでもらえるのでは」とアピールした。
豊原が演じるのは、エノケンの劇団を座付き作家として支える菊谷榮。本作の魅力について豊原は「芸人の又吉さんが脚本を書かれているので、その世界観が存分に反映されている。市村さんが心配になるくらい出ずっぱりなので(笑)、面白い作品になるように支えていければ」と述べた。
また稽古中、市村が自身にさらに負荷をかけるように、歌唱シーンを増やしたことも明かされた。市村は「台本では1曲しか歌わないことになっていましたが、それだとエノケンの『ああ、なんでこんなにがんばっちまったんだろう』というセリフを心から言うことができず、冒頭から3曲歌う演出に変更してもらいました」「僕が楽にしている姿よりも、苦しんでいる姿のほうが、この物語には合っている気がしたのでね」と意図を説明。稽古場での市村の様子を記者に問われると、本田は「ずっと元気です!(笑)。疲れている姿を一度も拝見していない」と尊敬のまなざしを向ける。そんな市村は「やっぱり肉だよ、肉!」と、ちゃめっ気たっぷりにパワフルさの秘訣を明かした。
シアタークリエの前身は芸術座だが、榎本健一自身も「がめつい奴」「がしんたれ」「お鹿ばあさん東京へ行く」でその舞台に立った1人となる。市村は「今回初めてシアタークリエの舞台に立たせてもらいますが、これまでここに立ったいろいろな人たちがみんな壁から観ているような気がする。ここで明日初日を迎えられることが幸せだなと感じます」としみじみ話す。また、豊原は「劇中のセリフにもありますが、当時の方々が作ったものが、何十年経っても舞台に影響を与え続けているということを実感する日々です」と感慨を語った。
上演時間は休憩含む約2時間50分。東京公演は10月26日まで。その後、本作は11月1日から9日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール、15・16日に佐賀・鳥栖市民文化会館 大ホール、22日から24日まで愛知・名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)、28日から30日まで埼玉・ウェスタ川越 大ホールを巡演する。
音楽劇「エノケン」
開催日程・会場
2025年10月7日(火)〜26日(日)
東京都 シアタークリエ
2025年11月1日(土)〜9日(日)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
2025年11月15日(土)・16日(日)
佐賀県 鳥栖市民文化会館 大ホール
2025年11月22日(土)〜24日(月・振休)
愛知県 名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)
2025年11月28日(金)〜30日(日)
埼玉県 ウェスタ川越 大ホール
スタッフ
出演
榎本健一:
花島喜世子・榎本よしゑ:
榎本鍈一・田島太一(劇団員):
菊田一夫:
古川緑波:
柳田貞一:
菊谷榮:
関連記事
アポンはDREAMERS🌏🍯🌕 @ZzoiV
なんかすごいね!
楽しみすぎる😊 https://t.co/kQD7y9zvyk