舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」は、小説「ハリー・ポッター」シリーズの作者J.K.ローリングが、ジョン・ティファニー、ジャック・ソーンと共に舞台のために書き下ろした「ハリー・ポッター」シリーズ8作目。劇中では、小説の最終巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」から19年後、父親になった37歳のハリー・ポッターとその息子アルバスの関係を軸にした冒険が繰り広げられる。本作は2016年にイギリス・ロンドンで初演され、日本では2022年よりTBS赤坂ACTシアターでロングラン公演が行われている。
初参加の稲垣は、苦労した点を尋ねられると「魔法を覚える“修行”が大変でした。修行の内容は秘密ですが(笑)、飛んだり、火を出したりと、舞台上でないとできない魔法もあるので、公演後にステージを借りて練習しました」と述べる。「完璧なものなどない」というダンブルドアのセリフが心に残っているという稲垣は「今の世の中は完璧を求められることが多いけど、観る人の心の救いにもなる言葉だと思う」と言い、「ハリーはスーパースターだけど、1人の人間で父親。人間味あふれるハリーを演じたい」と意気込みを述べた。
稲垣と同じく初参加の平岡は「過去公演を観た方も、新しい発見があるはず。本作は細かい演出が統一されていますが、演じ手によって見え方が変わるので楽しみにしていただけたら」と出来栄えに自信をのぞかせつつ、「時空を超えたやり取りが見どころ。セドリックのお父さんの気持ちが明かされる場面では、僕も両親を思い出して自分のことのように思ってしまいます」とコメント。上演に向けては「物語の世界に熱狂してほしい」と語った。
以前にもハリーを演じた大貫は、カムバックが決まったときの心境を「よっしゃ!って感じでした」と振り返り、「改めて本作を観劇して涙を流しました。僕は『ハリー・ポッター』シリーズのファンなので、また舞台に立てて幸せ」と喜びをかみ締める。本作の見どころについては「ハリーは息子のアルバスにひどいことを言い、関係に深い溝ができてしまいますが、最後は親子として手を握り合って前に進む。そのラストに到達できるかどうかが僕のハリーとしての課題ですし、作品にとっても大切なポイントだと思います」と言葉に力を込めた。
初出演でエイモス・ディゴリー、ダンブルドア、セブルス・スネイプなどを演じる市村は「30年前なら僕もハリー役だったかも(笑)。全部で6役演じるので、『ウォーリーをさがせ!』のように楽しんで」と話し、「ハリーにとってダンブルドアは父のような存在ですが、必ずしも常に良い“父”ではなく、複雑な関係だった。そこに注目して」と観客に呼びかける。市村は「苦しむことは呼吸するのと同じくらい人間的なこと」「愛情で目が見えなくなってはいけない」など、自身が舞台で口にする印象的なセリフに触れつつ、「(稲垣が挙げた)『完璧なものなどない』もそうですが、中身が詰まったセリフばかりなので、やはり僕くらいの長いキャリアがないとできない役だなと……そういうことでいいかな!?」と冗談を交えて共演者に投げかけると、稲垣が「おっしゃる通りです」と深くうなずき、会見場を笑いで包んだ。
取材会では稲垣が「ゲネプロのとき、客席の最前列にハリー(を演じた俳優)が5人いた」とエピソードを明かす場面も。稲垣が「吉沢(悠)さんや石丸(幹二)さんもいて。なんであんなことするの!?」と、最前列にいた5人のうちの1人だったという平岡に問うと、平岡は「一番前にいたら面白いかなって……」と報道陣を笑わせる。稲垣は「ゲネプロでは(セリフや段取りを)間違えるたびに、いたたまれない気持ちでした」と苦笑いしつつ、「同じ役を演じる人たちと協力し合えるのは、不思議で幸せな体験。今年の夏も暑いですが、普段家で3匹のネコと静かに暮らす僕も、この舞台をやるときは皆さんと心を通わせ、楽しく笑顔で取り組むのが今夏の健康法になりそうです」と晴れやかな表情を浮かべた。
上演時間は、休憩を含む約3時間40分。東京公演の公演期間は来年1月31日まで延長されることが決定しており、11月から来年1月までの公演チケットの一般販売は8月2日10:00にスタートする。
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舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」
2022年7月8日(金)〜2026年1月31日(土)
東京都 TBS赤坂ACTシアター
スタッフ
オリジナルストーリー:J.K.ローリング
脚本・オリジナルストーリー:ジャック・ソーン
演出・オリジナルストーリー:ジョン・ティファニー
振付・ステージング:スティーヴン・ホゲット
演出補:コナー・ウィルソン
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