2000年にオープンした京都・京都芸術センターは今年25周年を迎えた。同センターでは、異なる専門性や価値観を持つ者同士の対話を通して、挑戦的な芸術文化を創造する舞台芸術事業「KAC Performing Arts Program」を行っており、メモリアルイヤーとなる今年は、西田悠哉 / 劇団不労社「タイムズ」が同プログラムの演目として上演される。
「タイムズ」は、極東退屈道場の
開幕に際し、西田は「人生を変えた作品があるとするなら、今回上演する『タイムズ』は間違いなくその一つです。10年前に上演を見た際、『意味』を超えたデタラメの極北に、感動と絶句がない混ぜになった、正体不明の謎の感情に襲われました」「この謎の感情をしっかりと次世代に遺せるかどうか。25周年を迎える京都芸術センターにて、デタラメで豊穣な時間を味わってください」とコメントした。
上演時間は約2時間。公演は8月25日まで。
ステージナタリーでは現在、「タイムズ」の特集を展開中。今回が初タッグとなる西田とin the blue shirtの有村に、本作の制作秘話を聞いた。
西田悠哉コメント
人生を変えた作品があるとするなら、今回上演する「タイムズ」は間違いなくその一つです。
10年前に上演を見た際、「意味」を超えたデタラメの極北に、感動と絶句がない混ぜになった、正体不明の謎の感情に襲われました。
この戯曲の面白さを言葉にしようと思っても、いつもこぼれ落ちてしまうものがあり、その謎を突き止めるべく今回演出に臨みました。
やはり一筋縄ではいかず、あの感情の謎は依然謎のままではありますが、今回集まってもらった人々の力により、その正体に少し近づけた気がします。
この謎の感情をしっかりと次世代に遺せるかどうか。
25周年を迎える京都芸術センターにて、デタラメで豊穣な時間を味わってください。
谷竜一(京都芸術センタープログラムディレクター)コメント
2025年の京都芸術センターの主催公演として「ここ10年くらいで創作された戯曲を上演してみませんか」と劇団不労社の西田さんにお声がけしたのが、この公演の最初のきっかけです。
「タイムズ」は、2013年に創作された戯曲です。今あらためて読むと、びっくりするような表現も目につきます。いや、当時の感覚で考えてみても、ブラックジョークも皮肉も言葉数も過剰で放埓で、リミッターが外れているとしか思えないくらい、とんでもないエネルギーに満ちています。
西田さんら、チームのみなさんは、この戯曲の謎と勢いを、大切に上演に結び付けてくださいました。徐々に立ち上がってくる上演をみながら、この約10年の間に直面した出来事が頭の中を駆け抜け、怒りとも諦観とも恍惚ともつかない感情が沸き上がってくるのを感じています。
ぜひ、清濁すべてを巻き込んだ、巨大でちっぽけなエネルギーを浴びに来てください。
西田悠哉 / 劇団不労社「タイムズ」
2025年8月22日(金)〜25日(月)
京都府 京都芸術センター フリースペース
スタッフ
戯曲:
構成・演出:
音楽:
出演
荷車ケンシロウ / むらたちあき / 田川徳子 / 知念史麻 /
※U-25チケット、高校生以下割引、遠方割引あり。
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櫻井拓斗/SAKURAI TAKUTO @TakutoSakurai
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