10月23日に千葉・舞浜アンフィシアターで開幕する、
「美女と野獣」は、1994年にブロードウェイで初演され、日本では1995年に劇団四季により、東京・大阪同時ロングランという形で初演された作品。今回の上演版では、初演で振付を手がけたマット・ウェストが演出と振付を担当し、舞台美術が一新されるほか、台本・演出もリニューアルされる。なお今回の公演は2018年6月から昨年2月にかけて中国・上海ディズニーリゾートのウォルト・ディズニー・グランド・シアターで上演されたバージョンを踏襲したものとなる。
アンフィシアターは半円形舞台が特徴。そこにかけられた趣ある緞帳が開くと、王子が野獣に変えられてしまう物語の発端が、ナレーションの語りと俳優の仕草によって展開した。高慢な王子は、ある寒い夜に城にやってきた老婆を、その醜さから追い払おうとする。すると老婆は魔法使いに変わり、王子を醜い野獣に変える呪いをかけ……。舞台が一瞬の光に包まれると、王子は野獣の姿に変身し、観客をあっと驚かせた。
ベルは本作で、美しく聡明で、強い意思を持ったキャラクターとして生き生きと描かれる。ナンバー「変わりものベル」では、本に夢中になりながら町を歩くベルを、住人たちが歌い踊りながら訝しげな表情で見つめ、“変わり者”として扱われるベルの孤独感を感じさせる。ベルを手に入れようと企むガストンは、その自信過剰な立ち振舞いで観客の笑いを誘いつつも、軽い身のこなしで魅せるダンスでカリスマ性を発揮。ガストンの相方となるルフウや住人たちがガストンを褒め称えるナンバー「ガストン」では、ガストンを中心に、住民たちがジョッキをぶつけ合う、迫力あるダンスが披露された。
魔法により、燭台へと姿を変えられた給仕長・ルミエールは、城に閉じ込められたベルにディナーを振る舞うナンバー「ビー アワ ゲスト(おもてなし)」で、給仕できることの喜びを伸びやかな歌声と軽やかなダンスで表現。舞台奥にかかっていた幕が開き、お皿に扮したダンサーたちがベルを出迎える、華やかな群舞に注目だ。
野獣は、傲慢さや恐ろしさを強調しつつも、ナンバー「愛せぬならば」で、自分の醜さへのコンプレックスやベルへの思いを低く響く歌声で表現する。狼からベルの身を守ったことをきっかけに、ベルと仲を深めていく物語の後半では、ベルへの献身的なアプローチで観客の心を打つ。家来たちからのアドバイスを実行し成功すると、うれしそうに家来たちに向けサムズアップをし、その健気なコミカルさで会場を笑いで包んだ。ベルと野獣が初めてディナーを共にする場面では、ベルはイエローのドレスに身を包み登場。ミセス・ポットが表題曲「美女と野獣」を歌い上げる中で2人が踊ると、ベルの繊細な花の刺繍が施されたドレスの裾はドラマティックに揺れ動き、シーンを鮮やかに彩った。
そして今回の上演から加わるナンバー「チェンジ・イン・ミー」は、野獣に促されて城から出たベルが、父・モリースに自分の思いを告白する歌。「子供の頃の夢、手放してもいいの」「今の私が好き」と、時に切なげな表情、時に笑顔で歌うベルは、野獣への愛によって自分が変化したことを全身で表した。
公開舞台稽古終了後、演出のマット・ウェストがあいさつ。「我々がこのように演劇を復活させることができ、感謝しています。皆さん、自分自身に拍手してください!」と観客に呼びかけると、会場は拍手に包まれた。ウェストはその様子をうれしそうに見つめ「ありがとうございます。素晴らしい日をお過ごしください!」と語った。
本日ベル役を演じた五所真理子、劇団四季 吉田智誉樹代表取締役社長、舞浜アンフィシアター運営 株式会社オリエンタルランド 吉田謙次代表取締役社長(兼)COOのコメントは以下の通り。
五所真理子コメント
長年多くの方々に愛され、今回新たな息吹が吹き込まれた「美女と野獣」に、ベル役として関わることができ、大変光栄に感じています。日本初演にも携わったクリエイティブスタッフの皆さんと、新たな「美女と野獣」を作り上げるべく稽古を重ねてきました。愛に溢れた作品のメッセージをお客様にお届けできるよう、1回1回の舞台を誠心誠意努めてまいります。
劇団四季 吉田智誉樹代表取締役社長コメント
新たに舞台美術・台本・演出をリニューアルし、唯一無二のバージョンとなった「美女と野獣」。深化を遂げ、今の時代にマッチした愛の物語をお楽しみいただけることでしょう。舞浜アンフィシアターでの四季作品の上演は初めてとなりますが、上演決定時から大きな反響をいただいており、改めてこの舞浜の地で上演する意義を感じています。劇場でぜひ、生きる喜び、明日への希望を感じていただけたら幸いです。
舞浜アンフィシアター運営 株式会社オリエンタルランド 吉田謙次代表取締役社長(兼)COOコメント
長きにわたり多くの皆さまから愛されているディズニーミュージカル『美女と野獣』が、弊社の運営する舞浜アンフィシアターにて無事開幕されることとなり、大変嬉しく思っています。また同時に、新たな愛の物語の上演をとても楽しみにしております。東京ディズニーリゾートで、途切れることなく続く「美女と野獣」の夢のような体験を、ぜひお楽しみください。
劇団四季 ディズニーミュージカル「美女と野獣」
2022年10月23日(日)~
千葉県 舞浜アンフィシアター
作曲:アラン・メンケン
作詞:ハワード・アッシュマン / ティム・ライス
台本:リンダ・ウールヴァートン
演出:振付:マット・ウェスト
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