「ダディ」は、昨年のトニー賞で12部門の候補に挙がった「Slave Play」でも知られるアメリカの劇作家ジェレミー・O・ハリスの作品。2019年にアメリカ・ニューヨークのオフブロードウェイで初演された本作が、イギリス・ロンドンでの上演を経て、日本初演される。
アフリカ系アメリカ人の若いアーティスト・フランクリン(中山)は、アメリカ・ロサンゼルスに住むセレブの初老アートコレクター・アンドレ(
囲み取材には作者のハリス、中山のほか、大場、
大場は、全員で台本を深く読み込む期間が2週間ほどあったことに触れながら、「セリフの底に流れるものを発見してつなぐ作業を、今もずっと続けている」と述べる。また大場は、人種やセクシャリティなどを扱う部分に関しても言及。「どこか遠くの出来事だと感じていたことを、自分のこととして捉えることができるようになった」と思いを語り、稽古を振り返って、「舞台で目の前にいる優馬くんたちと“出会える”ように、演出の小川さんが導いてくれた」と演出の小川への感謝を口にした。
フランクリンの友人で俳優のマックスを演じる原は、舞台上のプールについて「コロナ禍でプールに行けていないので、1日2回も入れて楽しい!(笑)」と答えて記者を和ませる。原は台本を初めて読んだときの感想を「すべてが難しい」と率直に明かしつつ、「作品のメッセージを伝えるには、ナマのやり取りを見せることが必要。台本を深く読み込んだことが、役として存在できる感覚につながっている」と言葉に力を込める。さらに原は同じジャニーズ事務所所属の中山について、「優馬くんの舞台はよく観ています。隣にいてくれるだけで助かった」と言い、「筋トレだけは僕が先輩なので、身体作りを教えました!」と笑顔を見せた。
インフルエンサーのベラミー役の前島は「インフルエンサーに近付くため、初めて髪をブリーチしました」と明かす。また前島は「演出の小川さんと一緒に、“飛び込む”ことをテーマに挑戦し続けた」「自分の役だけではなく全体を捉え、お客様に何を伝えたいか考え続けたのは新鮮な体験でした」と稽古を振り返り、「冒険心を持ってがんばりたい」と意気込んだ。
作者のハリスは「僕の個人的な物語でもあるので、『ダディ』が上演されるときはいつも不安。でもゲネプロを観て不安が吹き飛んだ」と観劇の感想を述べる。またハリスは子供のときから日本文学が好きで、17歳のときに三島由紀夫「仮面の告白」を読んだという。上演に向けハリスは「『ダディ』はクィアのアフリカ系アメリカ人を扱った作品。でも僕は日本のクィアな文化にも触れてきたし、どこかに日本文化の反映を感じてもらえるのでは」「今アメリカではアジアとの文化交流が活発になっている。『ダディ』を観てもらうことで、さらにお互いが近付けると思う」と期待を寄せた。
最後に中山が「文化や人種の違いを僕らが演じることで、人間なら誰でも感じる痛みや飢え、愛が舞台上に息付くのだと思います。それを見届けてほしいし、『ダディ』というタイトルの意味をぜひ劇場で確かめてほしい」とあいさつ。彼の言葉を聞いたハリスが中山に向けて拳を差し出し、2人はグータッチして取材会を締めくくった。
上演時間は休憩15分を含む約2時間40分。東京公演は7月27日まで行われ、8月5日から7日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールでも上演される。
「ダディ」
2022年7月9日(土)~27日(水)
東京都 東京グローブ座
2022年8月5日(金)~7日(日)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
作:ジェレミー・O・ハリス
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舞台上にプール出現、「 #ダディ 」開幕に #中山優馬 「違いを演じることで痛みや愛が息付く」 - ステージナタリー
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7/9(土)~27(水)
東京都 東京グローブ座
8/5(金)~7(日)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
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