「パンドラの鐘」成田凌&葵わかな「演出家・杉原邦生は“柔らかいベッド”みたい」

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成田凌葵わかながW主演を務める「COCOON PRODUCTION 2022 / NINAGAWA MEMORIAL『パンドラの鐘』」の取材会が、去る5月9日に東京都内で行われた。

左から杉原邦生、葵わかな、成田凌。

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COCOON PRODUCTION 2022 / NINAGAWA MEMORIAL「パンドラの鐘」ビジュアル

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「パンドラの鐘」は、蜷川幸雄から指名を受け、野田秀樹が1999年に書いた戯曲。本作は同年の同時期に、蜷川と野田のそれぞれの演出で、蜷川版が東京・Bunkamura シアターコクーン、野田版が東京・世田谷パブリックシアターで上演された。劇中では、太平洋戦争開戦前夜の長崎と、滅亡した古代王国の2つの時代を舞台にした物語が展開。王の葬儀が行われていたその古代王国では、兄の狂王が幽閉され、妹のヒメ女が王位を継ごうとしていた。ヒメ女は、棺桶と一緒に埋葬されようとしていた葬式屋の1人、ミズヲに惹かれ……。

今回の上演版では杉原邦生が演出を担い、これまで勝村政信、堤真一らが演じたミズヲ役を成田、大竹しのぶ、天海祐希らが演じたヒメ女役を葵が務める。そのほかの出演者には、前田敦子、玉置玲央、大鶴佐助、柄本時生、片岡亀蔵、南果歩、白石加代子らが名を連ねた。

杉原邦生

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取材会には成田、葵、杉原が出席。杉原は「野田さんが作品に込めた“希望”を、今の時代、そして未来にどうやってつなげていけるか考えつつ、集まったキャスト、スタッフの皆さんと新たな『パンドラの鐘』を作っていきたい」と意気込みを述べる。さらに学生時代に野田版、蜷川版の映像を観た際、歌舞伎の「京鹿子娘道成寺」の鐘入りのシーンを彷彿としたと話し、「そのファーストインプレッションを大事に、能や歌舞伎といった古典、そして現代劇の世界観を“ないまぜ”にした空間で、古代と現代を行き来する物語を構築していきたい」とイメージを語る。

成田凌

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今回、本格的な舞台に初挑戦する成田は「(舞台出演は)ずっとやりたかったこと。今はずっと頭の中が『パンドラの鐘』で、とても楽しい」と瞳を輝かせる。「杉原さんもキャストの皆さんも、わからないところを聞くと快く教えてくださって、とても優しい。また『こんなにやっていいんだ!』というくらい、稽古場では先輩方がどんどん新しい挑戦をされていて。先輩方が率先して道を作ってくださるおかげで、僕も挑戦しやすいですし、全体の士気も上がっています」とほほ笑む。

左から葵わかな、成田凌。

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葵わかな

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成田と葵は、NHK連続テレビ小説「わろてんか」で親子役を演じて以来の共演となる。成田は「(ドラマで自身の母親役を演じた葵のことを)ずっと“お母ちゃん”って呼んでいた(笑)」と明かし、会場の笑いを誘う。葵は「(ドラマを経て)最初から信頼関係があるのは、役を演じるうえで良かった」とコメント。また記者からお互いの印象を聞かれると、葵は「成田さんは、見た目は飄々としていてクールそうだけど、実はすごく熱い人。あとは……普段接していて、会話のテンポ感や波長が猫みたい(笑)。不思議な人だな、と思うのですが、人柄がミズヲ役とすごくリンクしている」と話す。成田は「(葵は)すごく思考が柔軟で、でも確固たるものもあって……これは僕にとって最上級の褒め言葉なんですけど、人間的なバランスのとれた人」と述べると、葵は「やったー!(笑)」と喜びの声を上げた。

左から杉原邦生、葵わかな、成田凌。

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話題が演出家としての杉原に移ると、成田は「(杉原は)柔らかいけどしっかりしている“すごく良いベッド”みたい。包み込むような優しさで、ずっと寝ていたくなるような……(笑)。あと『頭の中どうなっているんだろう?』と思うぐらい、視野が広くて頭が柔らかい。毎日、そんな杉原さんをどうにかして困らせたいと思っています!」とニヤリと笑う。葵は「優しくて穏やかで、“柔らかいベッド”ってすごく良い例え(笑)。しなやかで優しいけど、ゆらゆらしているわけではなくて……お会いしたことのないタイプの演出家さんです」と語った。

左から杉原邦生、葵わかな、成田凌。

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成田と葵の印象を問われた杉原は「成田くんは、映像作品では何度も拝見していて。勝手にクールな方なのかなと思っていたのですが、前のめりに熱い人だということが、稽古を通してわかりました。自由さとオープンなマインドを兼ね備えていて、なんでも柔軟に『やってみます!』と言ってくれる。舞台を一緒に作っていく人としてはとてもやりやすいですし、舞台に向いている」と述べる。「葵さんは、良い意味で真面目。やってほしいことを伝えると、まず『ええっ!?』と驚いた反応をされるのですが(笑)、果敢にぶつかってくれる。自分の中で破壊と創造ができる人ですね。2人とも演劇を作る仲間として心強く、初日までに必ず良いミズヲとヒメ女を作ってくれるだろうという自信があります」と主演2人に期待を寄せた。

公演は6月6日から28日までBunkamura シアターコクーン、7月2日から5日まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。

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COCOON PRODUCTION 2022 / NINAGAWA MEMORIAL「パンドラの鐘」

2022年6月6日(月)~28日(火)
東京都 Bunkamura シアターコクーン

2022年7月2日(土)~5日(火)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

作:野田秀樹
演出:杉原邦生
出演:成田凌葵わかな / 前田敦子、玉置玲央、大鶴佐助 / 森田真和、亀島一徳、山口航太、武居卓、内海正考、王下貴司、久保田舞、倉元奎哉、米田沙織、涌田悠 / 柄本時生、片岡亀蔵、南果歩、白石加代子

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読者の反応

杉原邦生 Kunio Sugihara @kuniooooooooo

成田くんから “#柔らかいベッド” 認定いただきました!😏笑

各媒体にて、先日の取材会の様子をレポートしていただいております。
ぜひチェックしてみてください!!

#パンドラの鐘
#成田凌 #葵わかな #杉原邦生
#NINAGAWAMEMORIAL
#シアターコクーン #コクーン https://t.co/d72EOvOWUF

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