新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」に吉田都「演じる楽しさをダンサーに感じてほしい」

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新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」の制作発表が、本日9月28日に東京・新国立劇場で行われた。

新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」制作発表より。左から速水渉悟、渡邊峻郁、井澤駿、奥村康祐、福岡雄大、吉田都、米沢唯、小野絢子、柴山紗帆、木村優里。

新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」制作発表より。左から速水渉悟、渡邊峻郁、井澤駿、奥村康祐、福岡雄大、吉田都、米沢唯、小野絢子、柴山紗帆、木村優里。

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イギリスのピーター・ライトのプロダクションにより新制作された「白鳥の湖」は、昨年上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期に。今回、新国立劇場の2021 / 2022シーズン 舞踊ラインナップのオープニングを飾る作品として上演される。

吉田都

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新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」制作発表で披露された衣装。

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制作発表にはまず、新国立劇場の舞踊芸術監督・吉田都が登場。吉田は「監督就任1年目は長かった気もするし、あっという間だった気もする。でも実りあるシーズンでした」と昨年を振り返る。作品の見どころを尋ねられた吉田は「踊りと演技はもちろん、衣装とセットが素晴らしい」と回答。特に衣装はイギリスで使用されているものが再現されているそうで、「とても凝っている。ここまで作り上げてくださったことに驚いた」と感嘆の表情を浮かべた。

演目に「白鳥の湖」を選んだ理由については「バレエの古典に立ち返ろうと思った」と語り、「サー・ピーターの『白鳥の湖』は、ほかのバージョンとは少し違う。ロジカルでわかりやすく、すべての役についてそこにいる理由やそのときの心情が細かく決まっています。この作品を通じて、踊る喜びだけでなく演じる楽しさもダンサーに感じてほしい」と思いを口にする。

吉田都

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同作について吉田は「私自身、コール・ド・バレエ時代から参加し、ほとんどの役を踊りました。この作品で初めて主役をいただいたので、とてもなじみ深い」と懐かしそうに目を細める。役の内面を表現することに苦労していたと述懐する吉田は、「自分の中でどれほど役の心を感じていても、それをお客様に伝えることはすごく難しい。ダンサーそれぞれが、その思いを表現してもらえたら」と心境を述べた。

1年越しの上演に向けては「準備期間が延びたことで、より深いクリエーションができるようになった。私もダンサーのことを知ることができたし、ダンサーも私の求めるものを理解してくれたと思う。結果的に、完璧なタイミングで上演できると思います」と自信をのぞかせた。

新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」制作発表より。

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その後はオデット / オディール役の小野絢子米沢唯、木村優里、柴山紗帆、ジークフリード王子役の井澤駿、奥村康祐、福岡雄大渡邊峻郁、速水渉悟が登壇。小野は「この作品を言葉で語るのは難しいのですが、本当に素敵。私たちにとっては本番がすべてですから、1人ひとりの心に深く残る上演にしたい」とコメント。以前は“修行”のような気持ちで「白鳥の湖」に挑んでいたと言う米沢は「今年4月、山形で吉田監督のご指導を受けながら取り組んだ『白鳥の湖』で、初めてこの演目を『楽しい』と思えました。今はワクワクしています」と笑顔を見せる。

木村は「『白鳥の湖』は1作で2つの異なるキャラクターを演じられるのが醍醐味。本番でどんなドラマが生まれ、私の心身に何が起きるかすごく楽しみ」と目を輝かせ、柴山は「ファーストソリストに就任しましたので、その自覚を持ってお客様により良い時間をお届けできたら」と言葉に力を込めた。

新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」制作発表より。

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「“王子”は、僕としては一番難しいキャラクター」と打ち明けた井澤は「ちょっと漠然としているからこそ、それぞれのダンサーなりの王子を見せられると思う」と期待を寄せる。また奥村は「サー・ピーターの『白鳥の湖』には英国バレエらしさが詰め込まれていて、難しいけどやりがいがあります」と気合十分な様子を見せた。

さらに福岡は「ご指導くださる皆さんの期待を裏切らないよう、ドラマティックな『白鳥の湖』をお届けすべく精進します。きっとお楽しみいただけるはず」と手応えを語り、渡邊は「吉田監督の就任以来、僕の“踊り方改革”が始まった。今回の『白鳥の湖』ではゲストコーチの佐久間奈緒さんにもご指導いただいたので、舞台で生かせたら」と決意を新たにする。長野公演でジークフリード王子役を務める速水は「この有名な作品で米沢さんと踊れることが光栄。東京公演にもいろいろな役で出演するので楽しみ」と話した。

新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」制作発表より。

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会見ではダンサーたちが、ステイホームの過ごし方を明かす場面も。米沢は「家具や洗濯物を片付けてから(笑)、オンラインレッスンを受けました。自宅でポワントシューズを履くことになるとは思いませんでしたが、きっとみんなそうやって過ごしていたのでは」とバレエ団の面々に視線を送る。ほかのダンサーによるInstagramを通じた発信を観ることが多かったと言う米沢。福岡に視線を送りながら「(福岡)雄大さんの“Dramatic 筋肉体操”が大好き(笑)。ぜひ雄大さんのInstagramをチェックしてください!」とアピールし、会場を笑いで包んだ。

「『白鳥の湖』<新制作>」の公演は10月23日から11月3日まで東京・新国立劇場 オペラパレス、7日に長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホールにて。なお上演に際し、ライトが寄せたコメントは下記の通り。

ピーター・ライト コメント

この作品は、“欺きによって起こった悲劇の物語”です。真実が裏切りに打ち勝ち、愛が死を凌駕します。恋人たちは欺きによって引き裂かれますが、最後には永遠の愛の世界で再び結ばれます。この物語は、悲しいハッピー・エンディングを迎えるのです。

ミヤコがこのプロダクションをシーズン開幕の演目として選んでくれたことをとても嬉しく思いますし、新国立劇場バレエ団のダンサーたちが楽しんで踊ってくれることを願っています。東京に行くことが叶わないのはとても残念なのですが、彼らの踊りを過去に見ておりますので、彼らならこの「白鳥の湖」へ見事に命を吹き込んでくれることでしょう。

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新国立劇場 2021 / 2022シーズン 新国立劇場バレエ団「『白鳥の湖』<新制作>」

2021年10月23日(土)~11月3日(水・祝)
東京都 新国立劇場 オペラパレス

2021年11月7日(日)
長野県 サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール

振付:マリウス・プティパ / レフ・イワーノフ / ピーター・ライト
演出:ピーター・ライト
共同演出:ガリーナ・サムソワ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

出演

オデット / オディール:米沢唯小野絢子、柴山紗帆、木村優里
ジークフリード王子:福岡雄大、奥村康祐、井澤駿渡邊峻郁、速水渉悟

※長野公演には米沢唯と速水渉悟が出演。

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