岩松了が新作二人芝居を通して“査証”、「そして春になった」まもなく放送

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M&Oplaysプロデュース「そして春になった」が3月20日と27日にCS衛星劇場で放送される。オンエアに先駆け、作・演出の岩松了が取材に応じた。

岩松了

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昨年12月に上演された本作は、2人の女性の愛憎をモノローグ形式でつづった新作二人芝居。ある映画監督の妻と、その監督の愛人だった女優は、かつて1人の男を巡って憎み合っていた。しかし時を経て、彼女らは互いに共感とも友情ともとれる感情を抱くようになり……。20日には松雪泰子ソニンペアの出演回、27日には片桐はいり瀧内公美ペアの出演回が放送される。

M&Oplaysプロデュース「そして春になった」より。(撮影:宮川舞子)

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当初は「月光のつゝしみ」を上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響で変更になり、映像作品用の台本として執筆したものをベースに「そして春になった」を立ち上げていったという。“女性を描く面白さ”について、岩松は「女性には、簡単な表現では描けない、有象無象が渦巻くドラマとしての豊かさをときどき感じるんです」と述べつつ、「人って必ず嘘をつく。言ってみれば、セリフなんてものもすべて嘘で。それを綺麗に、無自覚に体現してくれるのが女性だなとも思います。あとは、やはり自分が男なので、女性の言葉を書く楽しさがあります。普段、自分が使わない言葉でセリフを考える。それってつまり、すでに僕自身が嘘を演じていることでもあるので、書いていて非常に面白いですね」と答えた。

M&Oplaysプロデュース「そして春になった」より。(撮影:宮川舞子)

M&Oplaysプロデュース「そして春になった」より。(撮影:宮川舞子)[拡大]

4人の俳優をキャスティングした意図を問われると、岩松は「松雪さんとは以前一度舞台をやったことがあり、ずっとまたやりたいと思っていました。はいりはプロデューサーのリクエストですね。もう何度も一緒に舞台を作っているので、僕としても『いいですよ』と即答をして(笑)。瀧内とは個人的に役者として共演したことがありました」と明かす。また、今回初めて仕事をしたソニンは、数年前に観劇したミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」から気になっていたそうで、「初めて観る女優なのに、どうしても気になって目で追ってしまう存在だったんです。その後、たびたびオファーをかけていたのですが、タイミングが合わず、ようやく今回実現しました」と明かした。

岩松は改めて上演を振り返り、「今回はあえて演出を統一し、役者の動きも同じになるようにしたのですが、やはり印象が異なるものになりましたね。それぞれのキャストから出てくる感情や夫に対する思いにも自然と違いがありました」としつつも、「実を言うと、僕自身は皆さんが思っているほど、2組に対して大きな差は感じていないんです」と正直な思いを吐露する。「僕の中には共通する世界観があり、それを拭いきれなかった。これはつまり、同じ思いで芝居を作っているつもりでも、僕にとっては役者が変わると結果的に別のものになってしまう査証でもある。そのことの良し悪しはまた別問題ですが、ただ、ご覧になった方から、『役者が変わると作品も違って見える』という感想を多くいただくのは非常にいいことだと思っています」と考察した。

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CS衛星劇場「M&Oplaysプロデュース『そして春になった』」

2021年3月20日(土)17:00~18:15

作・演出:岩松了
出演:松雪泰子ソニン

2021年3月27日(土)17:00~18:15

作・演出:岩松了
出演:片桐はいり瀧内公美

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