古田新太が劇団40年の歴史を語る、時代劇専門チャンネルで「劇団☆新感線祭」放送

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「祝え!騒げ!40周年!!劇団☆新感線祭!!」と題した特集放送が、11月から来年1月にかけてCS時代劇専門チャンネルにて実施される。放送に先がけたリモート取材会が10月下旬に行われ、古田新太が出席した。

古田新太

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劇団☆新感線の旗揚げ40周年を記念した今回の特集放送では、同劇団のゲキ×シネ作品を3カ月にわたって放送。本日11月15日には「《ゲキ×シネ》髑髏城の七人~アカドクロ」、22日には「《ゲキ×シネ》髑髏城の七人 Season鳥」、12月20日には「《ゲキ×シネ》五右衛門ロック」、27日には「《ゲキ×シネ》阿修羅城の瞳2003(デジタルリマスター版)」、そして1月には「《ゲキ×シネ》SHIROH」と「《ゲキ×シネ》乱鶯」が放送される。

「髑髏城の七人~アカドクロ」より。(c)ヴィレッヂ・劇団☆新感線

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大阪芸術大学在学時、18歳で劇団☆新感線に参加した古田は「劇団は40周年ですが、おいらは入って36年なので、感慨は『別段』っていう感じです(笑)」と笑顔。「こんなに長いこと劇団にいることになるとは思ってなかったですね。大学を出たら東京に行って、劇団東京乾電池か劇団東京ヴォードヴィルショーに入ろうと思ってましたから(笑)」と、加入当時を振り返った。

東京の演劇人たちと知り合ううちに「『“腐れミュージカル”を作るなら、うちの劇団が一番いいんじゃないか?』と思い始めた」と言う古田は「座長のいのうえ(ひでのり)が東京からゲストを呼ぶ公演をやり始めてから、『うちの劇団、うまいこと転がってるぞ……』と思い、そこからは、『誰とコラボしようか?』ということばかり考えるようになって。なぜかプロデューサー目線でしたね(笑)」と回想する。

記者から、劇団☆新感線が注目を浴び続けてきた理由を問われると、「今は2.5次元演劇が流行ってますが、それに近いようなことをやり始めたアングラの人間の先がけだったからじゃないですかね。最近、2.5をやっている役者に会うと『新感線、大好きです!』とか言われるんですが、『演劇ってのはそもそも3次元で、お前ら“0.5”低いんだからな! はやく3次元に来い!』ってことをよく言うんです(笑)」と笑いを交えつつ、「いのうえの持っているポップさというか、マンガっぽい部分が、平成の世に合ったんだと思います」と分析した。

「『髑髏城の七人』Season 鳥」より。(c)TBS/ヴィレッヂ

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話題は今回特集放送される「髑髏城の七人」シリーズに及ぶ。古田は「自分が出演した『髑髏城』の中では『アカドクロ』が一番好き。実は(主人公の)捨之介というやつが大嫌いだったんですが、ようやく好きになれたのが『アカドクロ』で。それまでは女好きという設定が強く出ていたんですが、『アカドクロ』になってようやく戦争孤児である沙霧を『守ってやりたい』と娘のように感じられて、父性が芽生えたんですよね」と思い入れを語る。阿部サダヲらが出演した「『髑髏城の七人』Season 鳥」については「それまでの『髑髏城』とも雰囲気が違っていて、一番ぶっ飛んでいて楽しかったですね」と好きなポイントに触れた。

「五右衛門ロック」より。(c)ヴィレッヂ・劇団☆新感線

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また自身が主演を務めた「五右衛門ロック」については「新宿コマ劇場でやれたのが良かったですよね。おいらが舞台から客席の一番後ろの扉まで走って行く演出があったんですが、フラットで2000人入る小屋ですから、真ん中を越えると1000人以上はおいらを見てないんです。それでも走り続けなければいけないっていう(笑)」と笑みをこぼし、「回転するセリに北大路欣也先輩を乗せてぐるぐる回せたのは良い思い出。北大路先輩も、この間の『半沢直樹』の撮影のときに『あれは楽しかった』と言ってくださいましたね」とエピソードを明かした。

「五右衛門ロック」より。(c)ヴィレッヂ・劇団☆新感線

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記者から、新型コロナウイルスによる仕事への影響を尋ねられた古田は「コロナのせいで我々ライブの人間は振り回されっぱなしです。劇団の40周年企画もおじゃんになってしまいました」と胸中を述べ、「でも、自宅のテレビで過去の作品を観られるのは非常にありがたい。新感線はゲキ×シネをはじめ、かなり前から映像コンテンツに力を入れてきたし、いっぱい素材があるので、うまいことやりやがったなと思っています(笑)」と答える。続けて「今のこの状況を逆手に取ってやっていくしかないなと思います」と言葉に力を込めた。

「乱鶯」より。(c)松竹/ヴィレッヂ

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最後に「劇団50周年に向けての、この先10年の目標」を聞かれた古田は「劇団はどう考えているのかわからないですが、おいらは例えばスズナリで2・3人でしょうもない音楽劇をやりたいなとか、ミクロな規模でやっていくほうにも興味がありますね」と回答。さらに「個人的には60歳で定年退職しようかなとか思っていて。あと5年なんで、劇団の50周年にはいないかも(笑)。まあ先のことはどうなるかわかりませんけどね」と思いを語り、取材会を締めくくった。

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CS時代劇専門チャンネル「祝え!騒げ!40周年!!劇団☆新感線祭!!」放送ラインナップ

ゲキ×シネ「髑髏城の七人~アカドクロ」

2020年11月15日(日)21:00~

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太、水野美紀、佐藤仁美、坂井真紀、橋本じゅん、佐藤正宏、山本亨、梶原善 ほか

ゲキ×シネ「『髑髏城の七人』Season 鳥」

2020年11月22日(日)21:00~

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:阿部サダヲ、森山未來、早乙女太一 / 松雪泰子 / 粟根まこと、福田転球、少路勇介、清水葉月 / 梶原善 / 池田成志 ほか

ゲキ×シネ「五右衛門ロック」

2020年12月20日(日)21:00~

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太、松雪泰子、森山未來 / 江口洋介 / 川平慈英、濱田マリ / 橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと / 北大路欣也 ほか

ゲキ×シネ「阿修羅城の瞳2003」

2020年12月27日(日)よる9時

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:市川染五郎(現・松本幸四郎)、天海祐希、夏木マリ、高田聖子、橋本じゅん、小市慢太郎、近藤芳正、伊原剛志 ほか

ゲキ×シネ「SHIROH」

2021年1月

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:中川晃教、上川隆也、高橋由美子、杏子、大塚ちひろ(現・大塚千弘)、高田聖子、橋本じゅん、植本潤(現・植本純米)、粟根まこと、吉野圭吾、泉見洋平、池田成志、秋山菜津子、江守徹 ほか

ゲキ×シネ「乱鶯」

2021年1月

作:倉持裕
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太 / 稲森いずみ、大東駿介、清水くるみ / 橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと / 山本亨、大谷亮介 ほか

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