これは、東京藝術大学出身者からなる女性パフォーマンス集団・理性的な変人たちを中心に、会議アプリZoomを用いて太宰治「冬の花火」の読み稽古を行うもの。企画は全5回を予定しており、第2回となる今回は第1幕を稽古する。また、配信後はアーカイブで公開される予定だ。なお、5月1日に配信された第0回と12日に配信された第1回も、それぞれ同チャンネルでアーカイブを視聴することができる。
参加者には、
生田みゆきコメント
この2カ月、仕事もなくなった中で、どう演劇人として過ごしていけるか、常に頭を悩ませておりましたが、ユニット「理性的な変人たち」としても何か発信できないかと戯曲を読んでいたところ、太宰治「冬の花火」が目に留まりました。敗戦から半年後の津軽が舞台なのですが、東京から子供を連れて故郷に戻った数枝の台詞が、今の生活の根本が揺らいでいる世界の状況に重なるような気がして、ぜひこの作品を今、いろんな人と共有したいと感じました。
Zoom演劇など、多くの人が様々な企画を実現されていますが、現時点で私自身は技術的な問題もあり、オンラインで「作品」を創るのは難しいことのように思ってます。でもこの戯曲のことを知ってもらいたい、そして私たちが何とか演劇を続けようとしてることもわかってほしい……というような思いから、オンラインで稽古を公開してみることにしました。普段は座組以外の人に稽古を公開することはあまりありませんが、オンラインというオープンな場で作品を創作することで、作り手と見る側の双方向のコミュニケーションを、より活発に行うことが出来るのではないかと考えています。ぜひ、この創作の現場にご参加ください。
滝沢花野コメント
私だけかもしれませんが、俳優にとって、稽古中のまだ検討の余地が有り余る、グダグダな様子を公開するというのは、ただでさえとても気合いのいることです。更にリモートでの本読みはタイムラグもあるし、相手役の様子は取りづらい。動画の配信すらやったこともなかったので設定に戸惑ったり、うっかり怒鳴って音が割れてしまったり……。
それでも読み稽古のライブ配信をやってみようと思ったのは、現場で普段やっている「作品を深める」という作業を会わずにどこまでできるのかに興味があったから、そしてその過程を普段客席にいらっしゃる方にも共有することで、何か発見があるのではないかと期待したからです。
現在までにお試し配信を含め、2回やってみました。視聴してくださった方から配信中に議題としてあがったことについてのご意見などをいただき、私にはなかった視点に驚かされました。遠方に住んでいて普段東京での公演を見に来られない方からコメントをいただき、うれしくなりました。
もちろん対面の、密の極みである演劇の現場に戻りたい。でも今回のライブ配信を通して、お客様との新しい関係の可能性も見えてきている気がします。
そんなことを考えつつあと4回、有川さん、斉藤さんという強力な先輩方の胸をお借りして、ガチで稽古したいと思います。ぜひご視聴・ご参加ください。
理性的な変人たち「#stayhome 特別企画『冬の花火』読み稽古ライブ配信」
2020年5月25日(月)15:00~16:30
作:太宰治「冬の花火」
参加者:
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ステージナタリー @stage_natalie
生田みゆきら理性的な変人たち、「冬の花火」読み稽古の模様をライブ配信(コメントあり / 動画あり)
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