"ダイナミズム楽しんで"矢崎広らが死闘に身を投じる「GOZEN」開幕

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舞台「GOZEN-狂乱の剣-」が、本日9月12日に東京・サンシャイン劇場で開幕。初日に先駆け同日、公開ゲネプロと囲み取材が実施された。

舞台「GOZEN-狂乱の剣-」ゲネプロより。

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舞台「GOZEN-狂乱の剣-」ゲネプロより。

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「GOZEN」はムービー(映画)とステージ(演劇)の融合を目指すプロジェクト「東映ムビ×ステ」の第1弾。同企画では、将軍や大名の面前で行われた武術の試合・御前試合を題材とした時代劇が展開する。府月藩藩主の嫡男・望月八弥斗(矢崎広)が修行から帰国すると、元気だった父は急病で亡くなっており、父の弟・望月甲斐正(波岡一喜)が藩主に、八弥斗の母・朝霧(AKANE LIV)が甲斐正の妻になっていた。ショックを受ける八弥斗は、城内に亡霊が出るという噂を耳にする。真偽を確かめようと出かけた八弥斗は、父を名乗る亡霊から「自分は弟・甲斐正に暗殺された」と聞かされ、復讐を決意。八弥斗は甲斐正らの油断を誘うために狂気を装い……。

舞台「GOZEN-狂乱の剣-」ゲネプロより。

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舞台上にはキャラクターの名前や技名、炎のエフェクトといった映像が次々と映し出され、ストーリーをテンポよく進める。八弥斗をはじめとした登場人物たちは激しいアクションや軽妙なやりとり、華やかなダンスを披露し、観客を物語の世界へ引き込んだ。またウィリアム・シェイクスピアの「ハムレット」をモチーフとした本作には、亡き父の亡霊や狂気を装う主人公、「ハムレット」に由来するセリフが登場。どのような場面に名ゼリフが引用されるか、劇場で確かめてみては。

舞台「GOZEN-狂乱の剣-」ゲネプロより。

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矢崎は、八弥斗が恋人の小松原奈奈(若月佑美)に甘える場面では子供じみた態度で観客の笑いを誘う。一方で、死闘に赴く八弥斗の苦悩を繊細に表現し、人物像を立体的に作り上げた。御前試合で八弥斗と出会う怪しげな剣士・流狂四郎役の元木聖也は、力強い殺陣を披露しつつ、鋭い眼光で狂四郎の不気味さを強調。また若月は恋人・八弥斗とじゃれ合う奈奈を可憐な笑顔で演じて観客を和ませながら、彼への愛を貫こうとする奈奈の強さを凛とした佇まいで表した。

左から松村龍之介、前山剛久、元木聖也、矢崎広、若月佑美、波岡一喜、毛利亘宏。

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舞台「GOZEN-狂乱の剣-」ゲネプロより。

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ゲネプロ前に行われた囲み取材には、矢崎、元木、前山剛久松村龍之介、若月、波岡、そして脚本・演出の毛利亘宏が出席。矢崎は台本を初めて読んだ際「最後まで駆け抜けられるか?」と不安を覚えたことを明かしつつ、「ハードな稽古を、素敵なカンパニーに支えてもらいました。映画を観れば舞台が観たくなり、舞台を観れば映画を観たくなる、そんな作品になったのでは」と笑顔を見せた。

左から松村龍之介、前山剛久、元木聖也、矢崎広。

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元木は「殺陣の熱量を感じてほしい。驚きの展開もあるので期待して」と語る。また「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」に出演していた元木は、「去年の『ルパパト』から約2年くらい、東映さんと関わらせていただいている。『ルパパト』メンバーにも連絡したので、きっと来てくれます!」と笑い交じりに述べた。

赤い目を持つ異形の侍・結城蔵人役の前山が「映画の蔵人からは考えられないのですが、最初のセリフが衝撃的。“お”から始まる卑猥な言葉が……」と打ち明けると、波岡から即座に「『おかき』とかね!」と茶々が入り、会見場に笑いが起きる。前山は上演に向け、「華やかな作品なので、視覚も聴覚も満足できると思います」と期待を煽った。

舞台「GOZEN-狂乱の剣-」ゲネプロより。

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小松原蓮十郎を演じる松村は「刺激的な稽古をしてきました。自信を持って初日を迎えられてうれしい」と稽古の充実ぶりをのぞかせる。舞台の見どころについては「映画には出ない蓮十郎の父と妹が登場します。それぞれのキャラクターをより深く味わってほしい」と話した。

若月は奈奈を演じるにあたり「男性キャストの皆さんが戦う中で、数少ない女性出演者がどう“色”を添えられるかが勝負かなと」と気合十分。また若月は本作を「家族愛や恋愛、友達同士の“愛が”描かれます。その愛にみんなが狂う姿が美しいと思います」とアピールした。

舞台「GOZEN-狂乱の剣-」ゲネプロより。

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波岡は演出の毛利と同じく、早稲田大学の演劇研究会出身。入会当時、毛利が少年社中を立ち上げるタイミングだったと言う波岡は「少年社中の第1回公演では、『GOZEN』にも出ている井俣(太良)さんに僕が照明を当てた」と感慨深げに述べる。さらに波岡は若月の口にした“愛”というキーワードに触れ、「僕は前山くん(演じる蔵人)に、何かというと『蔵人、蔵人』と呼びかけます。『GOZEN』は僕と蔵人の恋物語でもあり……“GOZENずラブ”です(笑)」と冗談めかして微笑んだ。

左から元木聖也、矢崎広、若月佑美、波岡一喜、毛利亘宏

左から元木聖也、矢崎広、若月佑美、波岡一喜、毛利亘宏[拡大]

本作に「今の僕の集大成と思って作っています」と自信をのぞかせるのは毛利。毛利は「(映画「GOZEN-純恋の剣-」の)石田秀範監督の胸をお借りしつつ、舞台は舞台で成立させます」と言葉に力を込め、「映画と舞台が連動するこの大作、クリエイター冥利に尽きます。ダイナミズムを楽しんでほしい」と語った。

最後に矢崎が出席者を代表して挨拶する。矢崎は「運動量の多い作品ですが、汗をこう……ほとばしらせて……?」と途中で言葉選びに迷いながらも、身振りを交えて「なんというかこう、汗を“パーッ!”として、メッセージを全力でぶつけたいです。……すみません、うまくまとめてください!(笑)」と報道陣に呼びかけ、会場を笑いで包んだ。

舞台「GOZEN-狂乱の剣-」の上演時間は、休憩15分を含む約2時間30分。公演は9月23日までサンシャイン劇場、27日から29日まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。なお本作のDVD / Blu-rayは、2020年2月5日にリリースされる。

ステージナタリーでは、舞台「GOZEN-狂乱の剣-」の上演を記念した座談会を実施。東映の特撮作品に出演経験のあるキャストから、舞台を中心に活躍する気鋭の俳優まで、まさに“異種格闘技戦”のようなキャスト7人に、本作に懸ける思いを聞いた。

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舞台「GOZEN-狂乱の剣-」

2019年9月12日(木)~23日(月・祝)
東京都 サンシャイン劇場

2019年9月27日(金)~29日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

脚本・演出:毛利亘宏
出演:矢崎広元木聖也前山剛久松村龍之介 / 若月佑美 / 井澤勇貴松本寛也井俣太良廿浦裕介梅津瑞樹上遠野太洸 / AKANE LIV山本亨波岡一喜

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(c)2019 toei-movie-st

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