「Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY Autumn 2019『マダム・バタフライ』」の制作記者発表が、本日7月29日に東京都内で行われた。
今年で創立20周年を迎えるKバレエによる本作は、ジャコモ・プッチーニのオペラ「蝶々夫人」を原案とした世界初演のバレエ作品。演出・振付・台本を
制作記者発表には熊川をはじめ、中村、宮尾、矢内、成田が出席。まず熊川は「新年号に移り変わった2019年に、Kバレエが創立20周年を迎えること、そしてこの日本を舞台にした『マダム・バタフライ』という作品を上演できることに、運命を感じずにはいられません」と感慨深げに微笑む。また本作の制作過程において、西洋の文化であるバレエで“日本”を表現することに苦労したと語る熊川は、「できるだけ“日本”を忠実に立ち上げようと、日本舞踊を取り入れたり試行錯誤を繰り返したのですが、日本文化を背負うのはスピリットだけでいいということに気が付きました。日本人としての精神的なあり方を、作中で表すことができれば」と言葉に力を込めた。
続けて熊川は、今作でファーストキャストを務める矢内について「(矢内は)天才的なセンスを持っていて、バレエの申し子のように作品の世界に入れる。彼女には非常に満足しています」と絶賛。熊川の発言に対し矢内が「まだまだ足りない部分ばかりです……」と恐縮すると、熊川は「それじゃダメだよ! いいことないよ!」と矢内に檄を飛ばし、会場は笑いに包まれた。
今回マダム・バタフライと花魁の2役を務める中村は、「花魁の役は表現という意味で自分に合うように感じたのですが、蝶々夫人とは日本人であること以外、自分と一致する部分が見つからない気がしていて。和というものの複雑さというか、日本人だから表現できるということは決してないと思いました」と役柄の難しさに触れる。そして昨年9月にKバレエに入団した成田は、「国籍や身分の違いを超えた愛を、いかにステップや音楽に乗せて表現するかが難しい点。皆さんにしっかりついていきたい」と抱負を述べた。
今作で出演だけではなく、振付助手として制作のほとんどに携わっているという宮尾は、「毎日、奇跡の連続を見ているような気持ち」と現場の様子に言及する。司会から、熊川と意見の対立はあったか尋ねられると、宮尾は食い気味に「ないですね」と返答し、周囲の笑いを誘った。「まあ僕は彼の12歳年上なので(笑)」と熊川は笑みを浮かべつつ、「宮尾は申し分ないアシスタント。僕は彼が20歳の頃から知っていますが、独立したマインドで成長し続けて、いまや後輩に背中を見せる立場になりました」と宮尾に視線を送る。宮尾は自身が演じるピンカートンについて「この作品は蝶々夫人がどう見えるかが一番大事。ピンカートンが客席からブーイングを受ければ受けるほど、彼女の一途な心や悲劇が際立つと思っているので、ブーイングが起こるようにがんばります!」と冗談交じりにアピールした。
また本日、Kバレエの舞踊監督に渡辺レイ、音楽監督に今作の指揮を務める井田勝大、バレエ・ミストレスに浅川紫織、そして常任振付 / レペティトールに宮尾が就任することが発表され、併せて来年9月に宮尾が振付を手がける新作が上演されることが明らかに。これについて宮尾は「大役をいただいて、驚きと喜びで胸がいっぱいです。今まで受け取ってきたものを自分の中で昇華し、お客様やカンパニーに還元していきたい」と真摯に語った。
「マダム・バタフライ」は9月27日から29日まで東京・Bunkamura オーチャードホール、10月10日から14日まで東京・東京文化会館 大ホールにて。なお本作の特別番組が8月25日13:00からBS-TBSで放送。番組では、熊川が作品ゆかりの地である長崎を訪れ、歴史や文化を巡る。
Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY Autumn 2019「マダム・バタフライ」
2019年9月27日(金)~29日(日)
東京都 Bunkamura オーチャードホール
2019年10月10日(木)~14日(月・祝)
東京都 東京文化会館 大ホール
演出・振付・台本:
原案・音楽:ジャコモ・プッチーニ(オペラ「蝶々夫人」)
舞台美術デザイン:ダニエル・オストリング
衣裳デザイン:
キャスト
マダム・バタフライ:
ピンカートン:堀内將平 / 山本雅也 /
スズキ:荒井祐子 / 井上とも美 / 山田蘭
花魁:中村祥子 / 山田蘭 / 杉山桃子
ボンゾウ:遅沢佑介 / 杉野慧
シャープレス:スチュアート・キャシディ
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こっちの記事も読んでたのに、すっかり見落としていた。
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