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“誰も見たことがない”「魔界転生」に上川隆也「覚悟して受けた」

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日本テレビ開局65年記念舞台「魔界転生」製作発表会見より、後列左から猪塚健太、栗山航、丸山敦史、山口馬木也、藤本隆宏、村井良大、松田凌、玉城裕規、木村達成。前列左からマキノノゾミ、浅野ゆう子、松平健、上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、堤幸彦。

日本テレビ開局65年記念舞台「魔界転生」製作発表会見より、後列左から猪塚健太、栗山航、丸山敦史、山口馬木也、藤本隆宏、村井良大、松田凌、玉城裕規、木村達成。前列左からマキノノゾミ、浅野ゆう子、松平健、上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、堤幸彦。

本日6月19日、10月から12月にかけて上演される日本テレビ開局65年記念舞台「魔界転生」の製作発表会見が東京都内で開催された。

「魔界転生」は、1967年に「おぼろ忍法帖」として単行本化された山田風太郎の伝奇小説。脚本をマキノノゾミ、演出を堤幸彦が手がける今作では、アクション、フライング、プロジェクションマッピングを駆使したスペクタクル時代劇が展開する。

魔界から蘇った強敵に立ち向かう主人公・柳生十兵衛役を上川隆也が務めるほか、“魔界転生”という妖術で蘇り、幕府滅亡を画策する天草四郎役に溝端淳平、柳生十兵衛の父・柳生宗矩役には松平健がキャスティングされた。さらに出演者には高岡早紀村井良大松田凌玉城裕規木村達成猪塚健太栗山航丸山敦史山口馬木也藤本隆宏浅野ゆう子らが名を連ねている。

本日の会見には脚本のマキノ、演出の堤、そして上川をはじめとしたメインキャストが登壇。マキノは、本作の原作小説と深作欣二による1981年の映画版を挙げ、「どちらのファンの方にも納得してもらいたい」と述べた。内容については「『誰も見たことがない芝居をしたい』とプロデューサーから話があり、そのつもりで書いた。結果、スタッフに『どうやるんだこんなもの』と激怒されそうな、むちゃくちゃな脚本になりました(笑)」と明かし、さらに「僕が演出するなら絶対にしない書き方をした」と笑いつつも「でも堤監督は逆に燃えてくれると思う」と堤に視線を送った。

堤はマキノの発言を受け、「見たことないものをどう形にしようか悩んでいて……ご飯を食べていてもそのことばかり考えてしまう」と笑いながらも、「舞台技術の最高峰を結集し、とにかくやったことがないことに挑戦します」と期待を煽る。また堤は「一番言いたいことは……」と前置きし、出演者のほうに向き直ると「役者の皆さんに言いたい。大変です。体調を整えていただければと思うので、よろしくお願いします」と立ち上がって一礼。キャストたちからはどよめきと苦笑が漏れた。

上川は「今年の秋は平成最後の秋。舞台を観た方がこの秋を振り返って、『あのお芝居はよかった』と思い出してもらえる作品を作り上げていきたい」と目標を掲げる。本作の上演については「中村橋之助(現・中村芝翫)さんが以前演じられたことは知りつつも、スケールが大きすぎて頭の中で像を結ばなかった」と驚いたことを明かし、「ある種、覚悟して受けたお仕事。むちゃくちゃしてやろうと思います」と不敵な笑みを浮かべた。

天草四郎が亡くなった原城跡を、今年2018年4月の天草四郎の命日に訪ねたと言う溝端は「四郎はここで無念を抱えて亡くなったんだな、と感じることができた」と当時の所感を振り返った。天草四郎のキャラクターについては「史実が少ないぶん、想像力が掻き立てられます。もしかしたら彼は、キリシタンたちの望む偶像を演じていたところがあるのかも。僕も自分なりの四郎像を作れたら」と分析し、意気込みを述べる。さらに堤の「大変です」という発言については「不安と期待の両方を感じていますが、宙吊りにされても地べたを這いずり回ることになっても、精一杯努めたい」と力強く語った。

天草四郎の姉・お品役を演じる高岡は、「堤監督とお仕事をさせていただくのは、私が十代のときにご一緒させていただいて以来。何十年も経っていますが、またご一緒できてうれしい」と堤に微笑みかける。さらに「見たことがない作品に」というマキノや堤の発言に触れ、「“見たことがない私”を演じさせていただけるのかな」と期待を語った。続いて、16年にマキノの脚本、堤の演出で上演された「真田十勇士」で根津甚八・豊臣秀頼の2役を務めた村井は、今回も根津甚八役を担当。村井は「『真田十勇士』で根津甚八は生き残りましたが、今作にもそのまま同じ甚八のキャラクターで出演できると聞き、驚きました」と心情を明かし、「堤監督とマキノさんの作品は驚きの連続で、いつもワクワクしながら演じている。お客様にもワクワクを体感してもらえたら」と期待を寄せた。

北条主税を演じる松田は「自分は役者としても人間としても青二才ですが、演劇に救われ、演劇に生きてきたので、このような作品に携われることを光栄に思います。持てるすべてを板の上で表現できたら」と真剣なまなざしで述べる。続いてマイクを握った田宮坊太郎役の玉城は「松田の凌くんが言ったように自分もまだまだ未熟者」と口火を切り、「堤さんが『大変だよ』とおっしゃいましたが、大変なことを精一杯やるからこそ生まれる熱量があると思う。それをお客様に伝えられたら」と意気込んだ。

柳生十兵衛の弟・又十郎役の木村は「歴史上の人物を演じられること、素敵な共演者の皆さんと舞台を作れることをうれしく思います」と笑顔を見せ、「個人的には殺陣が初めてで不安ですが、がんばります」と抱負を述べた。「悪役が強く、魅力的であるほど作品全体が盛り上がると思う」と答えたのは、敵役・魔界衆の荒木又右衛門役の猪塚。猪塚は「この作品は魔界からよみがえった人たちの存在感がとても強い。魔界衆の1人として、華のある敵を演じられたら」と期待をのぞかせた。

小栗丈馬を演じる栗山は「この作品が伝説になるのは間違いない」と断言。続けて「サッカーのワールドカップ以上に盛り上げたい。堤さんにいいところを見せたいと思いま……!」と熱く語るも噛んでしまい、苦笑いを浮かべながら「よろしくお願いします!」と元気いっぱいに締めくくった。丸山は戸田五太夫役を担当。「真田十勇士」に出演した丸山は「先ほど堤監督に『大変だよ』と言われてデジャブを感じた」と言い、「前回の“免疫”がありますので、酸素ボンベを吸いながらがんばります」と冗談交じりに意気込みを述べた。

由比正雪を演じる山口は「16年の『真田十勇士』の記者発表で、堤さんがこちらを向いて『しんどいよ』とおっしゃったのがトラウマ。今回もさらにトラウマになりそう(笑)」と語り、続けて「『魔界転生』といえば舞台版、とお客様に言ってもらえるように全力で駆け抜けたい」と言葉に力を込めた。藤本は宮本武蔵を演じるに際し「宮本武蔵との共通点は高身長なところくらいで、自分でいいのかと思いましたが……」と心境を告白しつつ、「20年にオリンピックが日本で行われますが、この作品は世界の方に観てもらいたい舞台になると信じている。多くの方に来ていただきたい」と呼びかけた。

16年の「真田十勇士」に出演した際と同じ淀殿を演じる浅野は、自身の役柄が大好きだったと言い、「打ち上げのときマキノ先生の耳元で『淀度、淀殿、淀殿』とささやき、堤監督の耳元にも同じようにささやき続けたところ、今回は原作にも映画にも登場しない淀殿の役をいただきました。本当にうれしい!」とエピソードを明かして会場の笑いを誘った。柳生宗矩役の松平は、「真田十勇士」を経験した登壇者らの挨拶を受けて「だんだん不安になってきました……」と心配そうな表情を浮かべる。自身の役どころについては「強い剣豪の役ということで、体を鍛え直してがんばりたい」と意気込みを語った。

最後に上川が出演者を代表して挨拶。上川は「この秋、見たこともない作品が舞台に立ち現れます。博多座、明治座、梅田芸術劇場へ、見たこともない何かを見にいらしてください。お待ちしています」と呼びかけ、会見を締めくくった。

公演は10月6日から28日まで福岡・博多座、11月3日から27日まで東京・明治座、12月9日から14日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。福岡、東京公演のチケットは7月7日、大阪公演のチケットは29日に発売される。

日本テレビ開局65年記念舞台「魔界転生」

2018年10月6日(土)~28日(日)
福岡県 博多座

2018年11月3日(土・祝)~27日(火)
東京都 明治座

2018年12月9日(日)~14日(金)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

原作:山田風太郎(角川文庫)
脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦
出演:上川隆也溝端淳平高岡早紀村井良大松田凌玉城裕規木村達成猪塚健太栗山航丸山敦史山口馬木也藤本隆宏浅野ゆう子松平健 / 野添義弘皆本麻帆蒼木陣町井祥真、野村祐希、横山一敏真砂京之介 / 明石鉄平伊藤俊、大石敦士、金井迪大、川田光太、岸本康太、佐々木恭祐、佐藤佑哉、白崎誠也、塚田知紀、中村祐志西村雄正、橋本征弥、前川貴紀、向田翼、村井亮、塚越志保、半澤友美

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