「忠臣蔵」はこれまで、歌舞伎、テレビドラマ、映画などさまざまなメディアで取り上げられてきた。今回の舞台版では、鈴木哲也が脚本、
囲み取材には、出演者総勢15名と堤が登壇。上川は、開幕前の心境を「緊張と高揚感、それに尽きます」と言い、稽古を振り返って、「(今回の作品は)舞台の上に何もなく、“素”の空間にLEDが輝き、背景を映し出しているような状況。稽古場では、今、何を目の当たりにして、どんな空間を共有し、何を描こうとしているのかというのを皆で想像し合ってやってきました。気持ちを一つにし、1枚の絵を皆で作り上げていくという作業に労力を重ねて描き出した物語です」とコメント。
藤原は、上川の言葉を受けて、「時代劇の所作や作法、そして背筋が伸びるような台本で緊張感がありながらも、上川座長が赤穂義士と積み重ねていくやり取り、吉良側の武士たちの様子などには和気あいあいとした空気感があって、外から見ていて微笑ましいものでした」と付け加える。
本作について、「今まで描かれていない吉良上野介の像が、今回の『忠臣蔵』にはあります」と断言するのは高橋。「そこはぜひ注目してほしいのですが、何せ私は“討たれる側”。藤原さんが『和気あいあい』とおっしゃいましたが、私はまったく“和気あいあい”ではない。みんなが私を『殺してやろう』と大声で言うのを1カ月間、観てきました。ですので、本番ですべてを返してやろう!と思っています」と力強く言い、周囲の笑いを誘った。さらに、吉良上野介の不遇ぶりを熱弁したあと、「“義を果たす”という、かつての武士・侍の思いを感じてもらえたら」と続けた。
今回の演出について問われた堤は「“デジタル活劇”と言えばわかりやすいでしょうか。素舞台でLEDを使い、当時の雰囲気を浮世絵の表現方法を使って、場所や時代、空気感を表します。デジタルの背景の前でたくさんの生身の肉体が、動きと声とパワーでもって舞台を作り上げる。ぜひ、“体感”していただきたいです」と話し、若手キャストによる殺陣の迫力を「本当に切れているんじゃないの?と思うくらい」だと説明した。
男たちの物語の中で生きる女性を演じる藤原は、女性の観客に向けて、「何百年前の話ではありますが、(客席で)観ていても、母として、妻として、1人の女性として思いを移して観ていただけるのではないかなと思います。男の方たちがぶつかり合う世界の中で、女性たちが生きた“思い”を感じ取っていただければ」とメッセージを送った。さらに、阿久里(瑤泉院)・おかる役の珠城は「この作品では、討ち入りの場面がとてつもない臨場感とエネルギーで演じられるのですが、そのシーンでは、観ていると胸を打たれる瞬間がたくさんあります。私自身、個人としても、役者としても、立ち回りは観るのもやるのも大好き。お客様にも、自分がいざ赤穂浪士になって一緒に討ち入りするとしたら……と想像して、作品の中に入り込んでご覧いただけたら」と話した。
最後に、上川が「今回ならではの視点で描き出す『忠臣蔵』で、何かを発見していただけたら僕らもうれしいです。誠心誠意、心を込めて上演しますので、各キャラクターたちの心のこもったお芝居をぜひ目の当たりにしてください」と来場を呼びかけた。
上演時間は約3時間30分。東京公演は12月28日まで。その後、1月3日から6日まで愛知・御園座、10日に高知・高知県立県民文化ホール、17日に富山・富山県民会館、24日から27日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、31日に新潟・長岡市立劇場で行われる。
忠臣蔵
開催日程・会場
2025年12月12日(金)〜28日(日)
東京都 明治座
2026年1月3日(土)〜6日(火)
愛知県 御園座
2026年1月10日(土)
高知県 高知県立県民文化ホール
2026年1月17日(土)
富山県 富山県民会館
2026年1月24日(土)〜27日(火)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2026年1月31日(土)
新潟県 長岡市立劇場
スタッフ
脚本:鈴木哲也
演出:
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