キーワードは“ストレート”「忠臣蔵」に上川隆也「作品の歴史を踏まえつつ、楽しめる作品に」

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上川隆也が主演を務める「忠臣蔵」の製作発表会が、本日9月29日に東京都内で行われた。

左から藤原紀香、上川隆也、高橋克典。

左から藤原紀香、上川隆也、高橋克典。

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「忠臣蔵」は、元禄時代に起こった仇討ちを題材にした作品で、これまでにも歌舞伎、テレビドラマ、映画などさまざまなメディアで取り上げられてきた。本公演では、脚本を鈴木哲也、演出を堤幸彦が手がける。製作発表会には、演出の堤をはじめ、出演者の上川、藤原紀香高橋克典立石俊樹藤岡真威人岐洲匠石川凌雅近藤頌利唐木俊輔財木琢磨松田賢二徳重聡珠城りょうが登壇。なお崎山つばさ藤林泰也はスケジュールの都合で欠席だった。

「忠臣蔵」製作発表会の様子。

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堤は今回の演出のキーワードとして“ストレート”を掲げ、「デジタルエンタテインメントと、人間を中心とした芝居という、二面性を持った舞台を作りたい。なぜ彼らは討ち入りをし、死に向かっていったのかに迫れれば」とコメント。上演に向けては「日本人が何を守り、人間や社会との関係の中でどう生きているかを描き出し、エンタテインメント作品と、何百年も愛されてきた『忠臣蔵』のストーリーの接点となる舞台にできたらと思っています」と語った。

堤幸彦

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大石内蔵助役の上川は「大石内蔵助は誰でも演じられる役ではありませんので、お話をいただき光栄。作品の歴史を踏まえつつ、お客様に楽しんでいただけるお芝居を作れたら」と意気込む。大石の妻・りく役の藤原は「『忠臣蔵』といえば男性の義と忠を描く物語で、私はそういう世界が大好き。その中で女性キャラクターとして、(珠城)りょうちゃんと一緒に彼らを見守りたい」と笑顔を浮かべた。

上川隆也

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藤原紀香

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また吉良上野介役の高橋は「わしが吉良じゃ!」としわがれた声であいさつし、「今回の『忠臣蔵』はどこかアットホームさもありながら、人の心を大切に描く舞台になりそう。僕は皆さんを、吉良という役を通していじめたいと思います(笑)。現代社会を映して楽しめる舞台になれば」と観客にメッセージを送った。

高橋克典

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浅野内匠頭、小林平八郎の2役を務める立石は「正反対の2役にしっかり取り組み、作品に良い影響を与えたい」と言葉に力を込める。堀部安兵衛役の藤岡は「堀部安兵衛は剣豪で、人々の先頭に立つ存在でもある。21歳の自分がどう表現できるかが課題ですが、お稽古で何かつかみたい」と意気込みを述べた。

立石俊樹

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藤岡真威人

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片岡源五右衛門役の岐洲は、共に舞台「魔界転生」に出演した上川と再び共演できることを喜びつつ「魂が震えています。ただ演じるのではなく、“そこにいる”ことを意識して役を作り上げられたら」と気合い十分。大高源吾役の石川は「令和の今、『忠臣蔵』を語り継ぐことに、責任と覚悟を持って挑みたい」と思いを口にした。

岐洲匠(奥)

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石川凌雅(奥)

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時代劇に初挑戦だという清水一学役の近藤は「“先輩を食ってやる”という勢いを持ちつつ、一丸となって素晴らしい作品を届けられたら」とコメント。初舞台で矢頭右衛門七役を務める唐木は「矢頭右衛門七の若さやエネルギーをお届けできるよう、日々の稽古に精進します」と意気込みを口にした。

近藤頌利(奥)

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唐木俊輔

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寺坂吉右衛門役の財木は「僕の地元である福岡県久留米市に寺坂吉右衛門ゆかりのお寺があることを知り、ご縁に驚いた。着実に準備して稽古に臨みたい」と述べ、原惣右衛門役の松田は「人としても俳優としても、故きを温ねて新しきを知り、初心に返ってがんばります」と話した。

財木琢磨

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松田賢二

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色部又四郎役の徳重は「台本を読んだら、色部又四郎は思ったよりだいぶ悪い人でした(笑)。どす黒い部分を担っていきたい」とニヤリ。阿久里(瑤泉院)・おかるの2役を演じる珠城は「立場も生き方も異なる2人の女性に挑戦します。堤さんと一緒に、素敵な作品に仕上げたい」と瞳を輝かせた。

徳重聡

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珠城りょう

珠城りょう [拡大]

さらに会見では、近年「忠臣蔵」を題材としたテレビドラマや映画などが少ないことに関連し、報道陣から「若者に対し、この作品をどうアピールしたいか」という質問が。これに対し上川は「グラハム・ベルが電話の特許を取ったその数時間後、同じ特許を申請しようとした人がいたとか。同時多発的に似たアイデアが生まれる、“機運”があるのでしょう。その波の1つが今、劇団☆新感線さんが上演中の『爆烈忠臣蔵』、もう1つが僕らの『忠臣蔵』という形になっているのでは。新感線の方はインタビューで『忠臣蔵の物語を知っているとより楽しめる』と話されていました。ぜひ『爆烈忠臣蔵』と併せて僕らの『忠臣蔵』も観て、両方楽しんでもらえたら」と2025年劇団☆新感線 45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎「爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK」を引き合いに出して本作をPRし、会見場を笑いで包んだ。

公演は12月12日から28日まで東京・明治座、来年1月3日から6日まで愛知・御園座、10日に高知・高知県立県民文化ホール、17日に富山・富山県民会館、24日から27日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、31日に新潟・長岡市立劇場で行われる。なお東京・愛知・大阪・新潟公演のチケットは販売中だが、高知公演分は10月4日、富山公演分は25日に一般発売される。

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忠臣蔵

開催日程・会場

2025年12月12日(金)〜28日(日)
東京都 明治座

2026年1月3日(土)〜6日(火)
愛知県 御園座

2026年1月10日(土)
高知県 高知県立県民文化ホール

2026年1月17日(土)
富山県 富山県民会館

2026年1月24日(土)〜27日(火)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

2026年1月31日(土)
新潟県 長岡市立劇場

スタッフ

脚本:鈴木哲也
演出:堤幸彦

出演

上川隆也 / 藤原紀香 / 立石俊樹 / 藤岡真威人 / 崎山つばさ / 岐洲匠 / 石川凌雅 / 近藤頌利 / 藤林泰也 / 唐木俊輔 / 財木琢磨 / 松田賢二 / 徳重聡 / 珠城りょう / 高橋克典

公演・舞台情報

読者の反応

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あなぐま @numa_mistake

上川さんのお芝居見られるのとても嬉しい…つい「殿〜!」って思っちゃう、今回殿ではないです
あとここ笑ったwwwどっちも行きます😂
観る順番は新感線のが先なのよね!

https://t.co/qZkc30zDee https://t.co/qNnl4tKSZd

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