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風琴工房が改名、詩森ろばと田島亮のユニットに

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風琴工房が2018年度よりserial numberに改名。劇作家・演出家の詩森ろばと、俳優・田島亮の2人ユニットとなる。

詩森は今回の体制変更について2011年の震災と田島との出会いを契機に挙げ、「ここからの人生はこの名前と帯同していきたいという自分の思いに従うことに致しました」と述懐。7月に上演された風琴工房「Penalty killing」で4年ぶり舞台復帰を果たした田島は、「僕は、1秒として、『演劇をやめる』という選択肢を持つことができませんでした。なんとしてでもしがみつきたかった。そのひとつの答えが、この『serial number』という場所です」と思いを明かしている。

風琴工房名義では、残り2作、9月に東京・三鷹市芸術文化センター 星のホールでの「アンネの日」、12月東京のザ・スズナリでの「ちゅらと修羅」の上演を控えている。

詩森ろばコメント

風琴工房は、2018年度より、sereal numberと名前が変わります。
sereal numberは、劇作家・演出家 詩森ろばと俳優 田島亮 による演劇ユニットです。

2011年に忘れがたい震災があり、わたしの演劇は変化しました。
たくさんの人が傷つき損なわれるなか、どんな題材であっても、エンターテインメントとして上質で、わかりやすく、ひとの心に届くものであるようにと願うようになったのです。
題材も、演劇がかつて描いたことのないもの、その題材を選んだことが演劇へのリスペクトとなりうるものを意識的に選択するようになりました。
ベースとなる世界観はそんなに変化はしていませんが、表出する作品としての演出も作劇も、
この歳になってこんなにも変わるのか、と思うくらい変化しました。
そのなかで、20世紀からずっと名乗ってきた風琴工房と言う名前が、少しづつ少しづつ居心地が悪くなってきたのです。

そんな時期に、田島亮さんとの稽古の場を持つことになり、その場所を「sereal number」と名付けました。
そして彼とのクローズドの場がこれで最後となったときに、この名前でこれからの演劇をやっていきたいという見過ごせない思いに気づいてしまったのです。

その衝動に従うことは、制作的なことだけ考えたらいいことばかりとも思えず、正直かなり逡巡しましたが、演劇人としての残された時間を思うとき、ここからの人生はこの名前と帯同していきたいという自分の思いに従うことに致しました。
その選択は、作品とはただの通し番号でありそれ以上でも以下でもないという理念、しかしそのナンバーは唯一のものであるという刻印を自ら押すのだいう覚悟、その両方をわたしに要求してきます。恥じないものを作りたいと思います。
同じく20世紀の忘れ形見である、「詩森ろば」という名前とは、一生おつきあいしていこうと思っています。
時代はどれほどに変わってもわたしはわたし以外の人間にはなれないという覚悟を持って作品を創っていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

田島亮コメント

世の中には、謝ることすら許されない、100%自分が悪い、という出来事が存在すると思います。
僕が起こしたことは、2度とリセットすることの出来ない、一生背負い続ける過ちだと思っております。
しかし僕は、1秒として、「演劇をやめる」という選択肢を持つことができませんでした。なんとしてでもしがみつきたかった。
そのひとつの答えが、この「serial number」という場所です。

一度不祥事を起こした僕には、いつだってお客様から見放されるリスクが常にあるのだと、
重々承知の上、自分の人生と誠実に向き合って行こうと思います。
演劇とは、僕の想像をはるかに越えた、対等なものであり、美しいものであり、残酷なものであると思っています。

これからも、僕なりの形で、演劇と向き合っていきたいと思っています。
これから、何卒宜しくお願い申し上げます。

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