「あなたに会ったことがある」は、カフカとチェーホフの短編小説を、ワークショップによって舞台作品として立ち上げるシリーズ。これまで3回上演しており、第4弾となる今回はその延長として、チェーホフの短編小説を原作とした
物語は創立約30年の小劇団が舞台。チェーホフの短編小説を舞台化する稽古に取り組む彼らだが、稽古の合間や稽古後の雑談の中で、さまざまな人間模様が浮かび上がり……。
1989年に創立されたMODEは、本作で活動休止期間に入る。松本は「とくに『解散』と銘打つわけではありません」としつつ、「やりたいことを一緒にやれる仲間がまた集まることが出来、それを観て、楽しんでくれる観客がいそうなら、またMODEを再開します」と現在の心境を語っている。
松本修コメント
とくに「解散」と銘打つわけではありません。そもそもMODEは主宰の私一人がいて、公演毎にキャストとスタッフを集めてやって来たのですから、一人じゃ解散も何もありません。当面は公演計画を立てずに黙って日本の演劇界の様子をちょっと距離を置いて見聞きしてみようと考えているのです。
私が作りたい舞台を一緒にやりたい俳優やスタッフたちとエネルギーをかけて作っても、観客の反応がいまひとつであったり……、という単純な理由もあります。また、私が観たい舞台、楽しめる舞台、刺激を受ける舞台が東京の劇場からほとんど無くなってしまったということもあります。私は何人かの作家や演出家から刺激をもらって、動力源としてきました。さらに言えば、ほとんどの舞台芸術が「商品化」していて、「商品」として流通しない「純粋な舞台芸術」を続けるのがなかなかシンドイ状況になっているからです。「前衛」を謳う「ゼンエイモドキ」の舞台も「商品化」されています。
ま、御大層に状況を批判するつもりはありませんし、やりたいことを一緒にやれる仲間がまた集まることが出来、それを観て、楽しんでくれる観客がいそうなら、またMODEを再開します。それまでちょっと一服、ひと休みです。
MODE「あなたに会ったことがある・4」
2016年3月16日(水)~21日(月・祝)
東京都 上野ストアハウス
原作:アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ
脚本:
演出:
出演:
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近藤 弘幸 @TGU_Kondo
「ほとんどの舞台芸術が「商品化」していて、(…)「前衛」を謳う「ゼンエイモドキ」の舞台も「商品化」されています」⇒松本修率いるMODE、3月「あなたに会ったことがある・4」で活動休止へ - ステージナタリー https://t.co/npQP5twuOQ