実演会前日の5月1日に、マニアックな楽曲ばかりを選りすぐった異色のカバーミニアルバム「マリアンヌの逆襲」を発表したキノコホテル。彼女たちは今作を引っさげ4月より「サロン・ド・キノコ~淫力魔女の生贄」と銘打った実演会ツアーを行っており、昨日の「恵比寿編」は全9公演のちょうど折り返し地点となる。
オープニングでは、キノコホテル支配人・マリアンヌ東雲(歌と電気オルガン)のお気に入りである「Gメン'75」挿入歌「アゲイン」に合わせて幕が上がる。ステージにはイザベル=ケメ鴨川(電気ギター)、ファビエンヌ猪苗代(ドラム)、新メンバー・ジュリエッタ霧島(電気ベース)の3人。マリアンヌは拡声器からけたたましいサイレンを鳴らし、客席の観客をかきわけながら登場した。まずは新作「マリアンヌの逆襲」から、東京ブラボーのサーフインストカバー「エレキでスイム」からスタート。凄腕ベーシスト、ジュリ島の加入によりさらに強力になった独特のグルーヴで場内を包み込んだ。
マリアンヌは「ごきげんいかが? 生贄たち。平日なのによく集まったわね」と客席を見渡した。そして彼女は、今回のツアーではあるスローガンを掲げていると説明。「わたくしが皆様にある質問をしますので、その質問に対してたとえ疑問を感じようとも、必ず『マリアンヌ様ー』と答えなさい」と観客に命令を与えた。「いくわよ。……壇蜜よりもー?」「マリアンヌ様ー!」「壇蜜よりも?」「マリアンヌ様ー!」「壇蜜よりもー!」「マリアンヌ様ー!!」とひとしきり盛り上がるも、マリアンヌは「(ここまでのツアーと比べ)東京の人は……ちょっとどういうこと?」と不服な様子。「もういいわよ、勝手にやるわよ」とふてくされながら、カルメン・マキのカバー「ノイジーベイビー」をがなり立てた。
ライブ中盤のオリジナル楽曲「エロス+独裁」と休みの国のカバー「悪魔巣取金愚」では、フルート奏者の鈴木和美(カナリヤ)を交えて幻想的な演奏を披露。ラテン音楽「TABOO」に乗せた“魅惑のセクシータイム”を挟んだ怒濤の後半戦は、アーント・サリーの伝説的パンクナンバー「すべて売り物」のカバーや新たな側面を見せるタイトル未定の新曲など勢いのある楽曲を畳みかけた。そしてグルーヴィーなサウンドに乗せて各メンバーがソロを披露する「#84」では、マリアンヌが巨大なホースを手にガスを噴射。さらに電気オルガンの上に登り妖艶なパフォーマンスを見せると、会場の盛り上がりは最高潮に。続けて定番曲「キノコホテル唱歌」を荒々しく決め、観客を熱狂させた。
アンコールの声を受け再びステージに上がった4人は「マリアンヌの逆襲」に収められた問題作、映画「ゴジラ対へドラ」の主題歌として知られる麻里圭子の「かえせ!太陽を」を披露。ダブルアンコールも起こる大盛況ぶりとなった。
ツアー「サロン・ド・キノコ~淫力魔女の生贄」はこのあと、博多、新潟、神戸、大阪の4都市で実施。またキノコホテルは、5月31日に東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催される「真夜中のヘヴィロック・パーティー」に出演し、
キノコホテル 実演会スケジュール
サロン・ド・キノコ~淫力魔女の生贄・博多編
2013年5月11日(土)福岡県 博多BEAT STATION
サロン・ド・キノコ~淫力魔女の生贄・新潟編
2013年5月18日(土)新潟県 古町SHOW! CASE!
サロン・ド・キノコ~淫力魔女の生贄・神戸編
2013年5月24日(金)兵庫県 神戸太陽と虎
サロン・ド・キノコ~淫力魔女の生贄・梅田編
2013年5月25日(土)大阪府 梅田Shangri-La
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リンク
- キノコホテル公式Web/KINOCO HOTEL OFFICIAL ROOM
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音楽ナタリー @natalie_mu
壇蜜よりもマリアンヌ様!キノコホテル「淫力魔女の生贄」 http://t.co/2wDWn74uDR