夏の野音でバースデーとバクホンが真剣勝負

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スペースシャワーTVが主催する対バンライブ「Double Punch II」が7月13日に日比谷野外大音楽堂で開催され、THE BACK HORNThe Birthdayが白熱のライブを繰り広げた。

THE BACK HORNとThe Birthdayは「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」でも共演する。

THE BACK HORNとThe Birthdayは「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO」でも共演する。

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最高気温は33℃、梅雨にもかかわらず晴れ間がのぞく天候に恵まれたこの日の野音。ライブバンドとして定評があるだけでなく、今年初の武道館公演を実現させた2バンドの共演とあって会場は立ち見が出るほどの大盛況となった。

おなじみの幻想的なSEに迎えられ、まずステージに登場したのはTHE BACK HORN。ねっとりとした空気が会場を包む中、重々しいイントロが耳を震わせる「レクイエム」で観客を一気にその世界に引きずり込む。続いて「サーカス」「サニー」とエモーショナルなナンバーで会場のボルテージを上げた。

落ち着いた演奏の一方で、普段は福島弁で観客を和ませる松田晋二(Dr)のMCは、The Birthdayとの共演に緊張していたためか控えめ。6月22日に出演したGO!GO!7188との野音イベントでどしゃ降りに見舞われたことや、The Birthdayとの共演に興奮していること、アルバムが9月にリリースされることを手短に述べる程度にとどまった。

ライブの定番とも言える「ひょうひょうと」「罠」の後で披露されたのは「幸福な亡骸」。日が沈みかけるドラマチックなシチュエーションの中、ノスタルジックで儚げな歌声が会場に響く。「覚醒」「ブラックホールバースデイ」「コバルトブルー」といったドライブ感あふれるナンバーが立て続けに披露されると、会場ではそのたびに大きな歓声があがった。

ラストに、最近のライブアンセムとなりつつある「刃」が演奏されると約1時間のステージはあっという間に終了。“歌”を聴かせることを重点に置いた楽曲を網羅したセットリストで、THE BACK HORNらしいパフォーマンスを見せていたのが印象的だった。

約15分のセットチェンジの後、おなじみのSE「Sixteen Candle」とともに、The Birthdayがゆったりとした足取りでステージに現れる。大きな歓声と拍手に迎えられた4人は、リリースされたばかりのミニアルバム「MOTEL RADIO SiXTY SiX」から「カレンダーガール」を披露。これまでの彼らの楽曲とは一線を画す、甘くキャッチーなロックチューンに思わず笑みがこぼれる。

その後は「6つ数えて火をつけろ」「モンキーによろしく」などスリリングなナンバーでオーディエンスを刺激。途中のMCでチバユウスケ(Vo, G)は「山の匂いがする?少しだけするね」と野外でライブをしていることを実感しているような言葉を口にした。オレンジのライトがステージを照らす中演奏された「SHINE」では、誰もが立ち尽くし聴き入る場面も。また、メロウな雰囲気を引き継ぐように続いた「プレスファクトリー」ではファンに歌わせる一幕もあった。

しかし、穏やかに終わらないのがThe Birthdayのライブ。オーディエンスを発奮させるように「Are you party people?」と煽ると、まばゆいばかりのライトがステージを照らし、「PARTY PEOPLE」でライブはクライマックスへ。なだれ込むように「アリシア」が演奏されると会場の熱気は最高潮に達し、ライブは一旦幕を閉じた。

本編終了後もアンコールを求める拍手は止まず、The Birthdayのメンバーが軽やかな足取りでステージに再び登場。クハラカズユキ(Dr)が、今日の天気が気になりずっと携帯で天気予報を見ていたため、来月のパケット代が心配だと苦笑交じりに口にすると客席からは大きな笑い声が起こった。そして、アンコールとして披露されたのは、切ないメロディが耳を包む「KAMINARI TODAY」。会場の熱気と興奮を落ち着かせるように、優しいチバの歌声とどっしりとしたアンサンブルが闇に響きライブを締めくくった。

なお、この日のライブの模様は8月18日の24:00からSPACE SHOWER TVにてオンエアされる。

2008年7月13日 日比谷野外大音楽堂「SPACE SHOWER TV presents Double Punch II」セットリスト

<THE BACK HORN>
01. レクイエム
02. サーカス
03. サニー
04. ひょうひょうと
05. 罠
06. 幸福な亡骸
07. 美しい名前
08. 覚醒
09. ブラックホールバースデイ
10. コバルトブルー
11. 刃

<The Birthday>
01. カレンダー・ガール
02. 6つ数えて火をつけろ
03. モンキーによろしく
04. BABY TONIGHT
05. ALRIGHT
06. タランチュラ
07. LUCCA
08. ガーベラの足音
09. SHINE
10. プレスファクトリー
11. PARTY PEOPLE
12. アリシア

<アンコール>
01. KAMINARI TODAY

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読者の反応

みき🙀泣き虫な猫 @momota0416

野音でのThe BirthdayとTHE BACK HORNのツーマン、なぜか最前が取れちゃって、それがスペシャで放映され、がっつり何度も映ってた思い出
https://t.co/xV4O12Ndk0

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