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時雨、9mm、ムック、ウルフら猛者が武道館熱演7時間半

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12月27日に東京・日本武道館にてライブイベント「DECEMBER'S CHILDREN」が開催された。

初開催となるこのイベントにはオープニングアクトの堕落モーションFOLK2を含め9組が登場。本編のトップバッターはMO'SOME TONEBENDERの百々和宏(Vo, G)、凛として時雨の345(Vo, B)、L'Arc-en-Cielのyukihiro(Dr)によるgeek sleep sheepが務めた。赤い照明でステージが覆われる中、3人が順番に現れると緊張した空気が漂う。バンドはシューゲーイザー的なアプローチが光る轟音ナンバーから、345の透明感のあるボーカルをフィーチャーしたキャッチーな楽曲までさまざまなタイプの新曲を次々と奏で、yukihiroは軽やかにリズムを刻んでフロント2人のボーカルを支えていく。正式なライブはまだ2回目という“新人”の彼らだったが、フレッシュさの中に貫禄を感じさせるステージでイベントの幕開けを飾った。

2番手のムックは、先日終了したばかりのワンマンツアー「MUCC Tour 2012 "Shangri-La"」の内容を凝縮したかのようなステージを展開していく。ライブは最新アルバム「シャングリラ」収録の「Mr. Liar」「G.G.」からスタートし、フロントの3人は自由に動き回りながら「フォーリングダウン」といった楽曲で観客を自分たちのペースに巻き込んでいく。逹瑯(Vo)は「せっかくなんで楽しんで帰って」と優しくオーディエンスに語りかけ、ラストの「シャングリラ」では、壮絶なサウンドで会場を圧倒した。

志磨遼平(Vo)が前のめりでステージに現れるところから始まったドレスコーズのライブ。仁王立ちになった彼が気怠く甘い声で「Lolita」を歌い出すと、場内の空気がじわじわと熱を帯びていく。志磨は途中で「こんばんは武道館。初めましてドレスコーズと言います」「武道館ごきげんいかが? 気持ちいい」と観客に話しかける。バンドはストイックなパフォーマンスを繰り広げ、鮮烈な存在感を観客に刻み付けた。

続くピエール中野のステージは前代未聞の内容に。冒頭のストイックなドラムソロにオーディエンスが釘付け状態となったところで、Perfumeの「レーザービーム」のトラックに生ドラムを乗せるパフォーマンスや、ムックのミヤ(G)との刺激的なセッションが行われ、ドラマーとしての彼の魅力にフォーカスが当てられる。しかしミヤを送り出したあとは「DJピエール中野」に変身。「ミュージックステーション」のテーマを流し、セルフパロディのように階段から降りる仕草をしたかと思えば、嵐の「A・RA・SHI」をフルサイズで熱唱する一幕も。最後は今一番オススメのグループとしてBABYMETALを呼び込み、そのパフォーマンスにあわせて自らもアグレッシブに踊り狂ってみせる。とどめとばかりに観客を巻き込んでのXジャンプも敢行し、改めてそのエンターテイナーぶりをアピールした。

前半戦を締めくくったギターウルフは、普段のライブハウスでのパフォーマンスをそのまま持ってきたかのような破天荒なステージを披露。「ジェットジェネレーション」を口火に、U.G(B)が怒気をはらんだ声で煽った「ケンカロック」、おなじみのキラーチューン「オールナイトでぶっとばせ!!」などのロックナンバーを爆音で次々と投下していく。観客はその鬼気迫るプレイを食い入るように見つめ、ギターウルフの洗礼を全身で浴びる。30分のステージはあっという間に終了し、全7曲をプレイし終えるとセイジは「サンキュー武道館」とひと言残しステージを去っていった。

休憩を挟んで突入した後半戦の先陣を切ったのは、TK from 凛として時雨のステージだ。まだ数えるほどしかライブを行っていない彼だが、ベースに日向秀和(ストレイテナー、Nothing's Carved In Stone、killing Boy)、ドラムにBOBO、バイオリンに佐藤帆乃佳、キーボードに大古晴菜という強力なメンバーを迎え、美しくエモーショナルなサウンドを広い会場に響かせる。またこの日はBOBOの叩く軽やかなビートが印象的な新曲も披露され、スリルに満ちたサウンドがオーディエンスを大いに沸かせていた。

9mm Parabellum Bulletは「Discommunication」を皮切りに、TK from 凛として時雨が作った緊迫した空気を一気に塗り替える激しいライブを繰り広げた。弦楽器隊の競るようなセッションと、かみじょうちひろ(Dr)の高揚感あふれるドラミングに、何度も大きな歓声が巻き起こる。菅原卓郎(Vo, G)は「今日は盛りだくさんの日で、我々は最初のほうからいるんですが楽しいっすね。ピエール中野の度胸を見習ってがんばります」「ここぞとばかりに盛り上げてから凛として時雨にバトンを渡したいと思います」と宣言し、ヘヴィメタル調のフレーズをふんだんに盛り込んだユニークな新曲や、「Talking Machine」「Punishment」で会場に熱狂をもたらした。

約7時間半におよんだイベントのラストを飾るのは凛として時雨。ウォーミングアップ万全の3人は観客の大歓声を受けてステージに登場し、「illusion is mine」から会場を独特の空気で染めあげる。その後も345(B, Vo)によるイントロのフレーズで待ってましたとばかりに歓声が沸いた「DISCO FLIGHT」、ピエール中野の性急なドラムの上で獣のようなTK(Vo, G)と345のボーカルの応酬が響く「abnormalize」など、タイトな楽曲を次々と投下していく。

TKはライブも終盤間近というタイミングで「ひとつニュースがありまして……」と控えめに言いながら「6月28日にここでワンマンをやるんで」と日本武道館単独公演の開催をアナウンス。どよめきと歓声が入り交じる中で「よろしく!」とアピールしてみせ、イベントのクライマックスに向けて再びエンジンをかけた。ビッグニュースを無事届けた安堵感からか、メンバーのプレイは伸び伸びとした広がりを見せ、「Telecastic fake show」「nakano kill you」と破壊力のある2曲を全身全霊で演奏した3人は万感の表情を浮かべる。普段のライブでは壮絶な轟音を最後に残す彼らだが、この日は明るく突き抜けるような音を鳴らしたまま、客席に向かって手を上げる。その姿に観客は驚きの表情を浮かべながら、大きな喝采を送った。

「DECEMBER'S CHILDREN」
2012年12月27日@東京都 日本武道館セットリスト

geek sleep sheep

01. 新曲
02. 新曲
03. 新曲
04. 新曲
05. 新曲
06. 新曲

ムック

01. Mr.Liar
02. G.G.
03. MOTHER
04. フォーリングダウン
05. 蘭鋳
06. シャングリラ

ドレスコーズ

01. Lolita
02. SUPER ENFANT TERRIBLE
03. レモンツリー
04. Automatic Punk
05. (This Is Not A) Sad Song
06. ベルエポックマン
07. Trash

ピエール中野

01. Drum Solo
02. レーザービーム
03. ドラム×ギターセッション(ゲスト:ミヤ<ムック>)
04. #1090 ~Thousand Dreams~
05. A・RA・SHI
06. ヘドバンギャー(ゲスト:BABYMETAL)

ギターウルフ

01. ジェット ジェネレーション
02. ミサイルミー
03. UFOロマンティクス
04. ケンカロック
05. ワイルドゼロ
06. オールナイトでぶっとばせ!!
07. ロックンロールエチケット

TK from 凛として時雨

01. haze
02. flower
03. 12th laser
04. phase to phrase
05. Abnormal trick
06. 新曲
07. film A moment

9mm Parabellum Bullet

01. Discommunication
02. ハートに火をつけて
03. Vampiregirl
04. 新曲
05. キャンドルの灯を
06. Black Market Blues
07. 新しい光
08. Talking Machine
09. Punishment

凛として時雨

01. illusion is mine
02. I was music
03. DISCO FLIGHT
04. abnormalize
05. JPOP Xfile
06. Telecastic fake show
07. nakano kill you

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