ゆず東京ドーム2日目は感謝のエンタテインメントショー

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ゆずが昨日6月3日に東京ドームにてデビュー15周年記念ライブ「YUZU 15th Anniversary Dome Live YUZU YOU」2日目公演を開催。「みんな、どうむありがとう」というサブタイトルを掲げ、バンドスタイルで新旧の名曲をたっぷりと披露し観客を酔わせた。

東京ドーム公演2日目のアンコールで「おでかけサンバ」を披露するゆず。

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ゆず東京ドーム公演2日目の様子。

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ゆず東京ドーム公演2日目の様子。

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この日のライブでも、まず影アナウンスのあとにラジオ体操第一を実施。観客が一斉に体を動かした後、前方ステージの後方と左右に設置されたスクリーンに「NEWゆずマン」が投影されると場内が色めきだつ。ゆずマンは会場に集まった全員に感謝を述べつつ、全員でカウントアップしゆずのライブを始めようと宣言。1から始まり15まで、リズムに合わせてカウントアップすると「YUZU YOU BAND」による演奏がライブの開幕を告げた。

1曲目「ストーリー」のイントロが鳴る中、ステージ中央のせり上がりからゆずの2人が姿を見せると、怒号のような歓声が場内を包む。北川悠仁の「東京ドーム!!」という絶叫を合図に歌が始まると、早くも観客から大合唱が起こった。さらに「超特急」では、バンドメンバーが立っている床が7色の照明で彩られ祝祭の雰囲気を演出したほか、大サビで北川と岩沢厚治が左右の花道先端まで走り、そこで歌を続けるサービスも。スタジアムライブらしく空間を目一杯使ったステージングに、観客も沸き上がる。

最初のMCでは北川が、この日集まってくれたオーディエンスに感謝の気持ちを告げるとともに、観客をも讃えるように自ら強く拍手を打ち鳴らす。また「最高のエンタテインメントをお届けしようと思います!」とライブへの意気込みを語った。

次の曲は、ピアノの優しい調べが印象に残る「桜木町」。岩沢のメロウな歌声と、スクリーンに投影される夜の遊園地の風景がしっとりした世界観を紡ぐ。また楽曲終盤では北川が「最後の手を振るよ」という歌詞に合わせて大きく右腕を振り、ゆずっこがそれに応えて手を振りかえす一幕も。さらに「青」では、後半で「ラララ」と大合唱が起こり一体感を生み出す。

「昨日は2人だけでドームライブをやらせていただいて、正直言って非常に心細かったです(笑)」と北川。また「4万9139人のお客さんに来ていただきました!」とこの日の来場者へ感謝の意を表す。そして、ぬくもりのあるパーカッションの音色から始まった「明日天気になぁれ」、岩沢の伸びやかで力強い歌声がドームいっぱいに響いた「from」と、優しくあたたかい楽曲が披露されていく。

場内は切ない空気で満たされたが、スクリーンに「2012年5月11日DOME TOUR 最終リハーサル」の文字とともに映像が流れ始めると、観客の心はあっという間に期待感であふれる。場面が切り替わると、北川と岩沢が浴衣姿で登場し、会場は爆笑の渦に。「疲れを取るにはやっぱり温泉だよなー」と話す2人の前に、メドレン・コナーと名乗る謎の紳士が現れ、2人を怪しげなのれんの向こうへと誘う。「のれんをくぐったその先では“まさか”なことがたくさん起こります」というナレーションから始まったのは、「裏YUZU YOU~ゆず湯~メドレー」と題されたコーナーだ。

ここではその名のとおりゆずの隠れた名曲の数々がメドレー形式で披露されることに。スパンコールで着飾った浴衣を身に着けたメンバーが鳴らし始めたのは「ボサ箱根」。そして「ニンジン」「ヒーロー見参」「チェリートレイン」「リアル」「眼差し」「君宛てのメロディー」「人間狂詩曲」「凸凹」「健太郎のお姉ちゃん」「ビジネス」「スーパーマン」「みらい」「1か8」「代官山リフレイン」「彼方」「第九のベンさん」(fevers)を立て続けに演奏。途中で何度か「YUZU YOUのテーマ」が差し込まれたり、浴衣を身に着けた男女ダンサーがミュージカルのように踊ったりとエンタテインメント精神あふれるステージが展開された。また最後には北川と女性ダンサーが手に手を取って踊り、口づけを交わすようなそぶりも見せ、オーディエンスをどっと沸かせた。

ステージの照明が暗転後、今度はシリアスなトーンの映像が投影され、「僕らにとってのWONDERFUL WORLDとは」という字幕から、ゆずが歩んできた軌跡が綴られる。アルバム「FURUSATO」のツアーや「2-NI-」のツアーを振り返りつつ、昨年3月11日に発生した東日本大震災を経て、被災地を訪れる2人の姿や仙台で行ったフリーライブの様子、その後のツアーなどを紹介し、「すぐ目の前にWONDERFUL WORLDはある」「君がいるから、僕は歌い続ける。『YUZU YOU』」とゆずとしての信念が改めて提示されると、場内は万雷の拍手で包まれた。

続いてゆっくりとステージ中央から北川と岩沢がせり上がりで登場し、「Yesterday and Tomorrow」を歌い上げる。さらに北川が「それでは後半戦、もっと盛り上がっていこう! タオル持ってるヤツはタオル出せ!」と煽り「陽はまた昇る」を力強くパフォーマンス。ドームを埋め尽くした約5万人の観客は思い思いにマフラータオルを回し、うねるような興奮を作り出す。また楽曲終盤で2人がセンターステージへと足を伸ばすと盛り上がりはさらに加速。「Hey! Hey!」と歌いながら腕を突き上げる様子に、ステージ上のメンバーも熱い演奏で応えた。

続くMCで北川は「メドレーやっても何やっても君達が本当にうれしそうな顔をするので、そのたびに私たちグッときてます」とくしゃくしゃの笑顔を見せる。そして15年間音楽を続けてこられた感謝と、応援してくれた人たちへの感謝を吐露した後、「次の曲も最初は個人的な思いから始まりました」「それがゆずの曲になって、みんなの中で大切な曲になってくれている」と楽曲が自分の手を離れて成長していくことへの感慨を口にし、「聴いてください、『逢いたい』」と次の曲名を紹介した。

センターステージで淡い照明に照らされながら、情感たっぷりに「逢いたい」を演奏した2人に大きな拍手が贈られる。さらにそのままセンターステージでゆず随一のファンキーなナンバー「シシカバブー」を披露。華やかなホーンやリズミカルなパーカッションに合わせ、オーディエンスも思い思いに踊る。ゆずは曲中でメインステージに戻ると、続けて「桜会」を演奏。そしてアタックの強いベースとジャジーなピアノが奏でられると同時に、スクリーンにゆずマンファミリーがルーレットになって登場。前方花道から北川が力一杯ダーツの矢を投げると、それが映像に吸い込まれ、いちごちゃんに刺さって止まる。そこから連想されるのは、ちょっとエッチでポップなナンバー「いちご」だ。ファンタジスタ歌麿呂によるキッチュな映像が炸裂する中、ステージにはいちごのかぶり物をしたダンサーが多数姿を見せ、楽曲の世界観を後押しする。さらに2番の終わりでは北川が映像の中に入ってしまい、直後にオトナになったいちごちゃんが実体化し飛び出てくるサプライズも。ゆずの持つエンタテインメント性を存分に発揮した演出に、誰もが大喜びで応じる。

そして舞台後方のせり上がりからマーチングバンドが登場し、左右の花道からゆずマンとももちゃんに先導されたチアチームが姿を現す。「Y」「U」「Z」「U」「Y」「O」「U」と体を使って人文字を表現するチアチームにあわせ、ゆずの2人も観客も一緒の振り付けで踊る。しかし岩沢は途中で振りがよくわからなくなってしまい、オーディエンスから笑いが起きるシーンも。続いて始まった「少年」の演奏では、途中でYUZU YOUバンドメンバーのソロを挟み、各人のスキルの高さを提示するひとときとなった。

そして北川の「みんなの声、届いてます。どうもありがとう!」という感謝の表明の後、「路上ライブを始めた頃は僕らの歌を聴いてくれる人はほとんどいなくて。くそったれと、お前らにわかるもんかと思ってました」「だけど路上ライブを始めて1年ぐらいしたときに初めて自分たちの曲をリクエストしてもらえて」「(デビューして)15年経っても、あの頃の気持ちは変わりません。みんなゆずの曲をめちゃめちゃ大切にしてくれてどうもありがとう!」と熱い気持ちを吐露する。会場の誰もがステージ上のメンバーに拍手を贈る中、鳴らされたのは最新シングル「with you」だ。壮大なサウンドスケープと雄大な映像、美しく響く北川&岩沢の歌声が東京ドームを包み、感動的なフィナーレを彩った。

鳴り止まないアンコールの拍手と「贈る詩」を歌うゆずっこの声に応え、ステージの照明が点灯。直後にサンバのリズムがとどろき、ゆずの2人がファンキーな迷彩柄の衣装で登場すると客席はわぁっと沸いた。「おでかけサンバ」を歌いながら、北川は左の花道から、岩沢は右の花道からフロートに乗り移る。そのままグラウンドの外周をぐるりと一周するサービスで、後方のファンにも挨拶した。そして2人がメインステージに戻ると、打ち込みの高速ビートが鳴り響く。デジロックテイスト漂う「T.W.L」が爆音で披露されると、場内は再度ヒートアップ。ゆずの演奏する音楽と、それを貪欲に楽しもうとするゆずっこの熱気がぶつかりあうひとときとなった。

続いては、場内をクールダウンさせるかのように北川がゆっくりと話し出す。「11年前の東京ドームライブのときは、デビューして2~3年経ったところでかなり煮詰まっておりまして(笑)。不安な気持ちでいっぱいでした」と当時の気持ちを振り返りつつ「でもあのドームライブから、前に進むことができました。その反面、なんかちょっと俺、申し訳ない気持ちがずっと残ってて。だから今日のライブはとにかくみんなに楽しんでもらおうと思って演ったんですが、楽しんでもらえたでしょうか?」と問いかけると、この日一番の拍手が起きる。それを受け、うれしそうに笑顔を浮かべる北川。「僕たちはいろんな縁を大切にしています。せっかく一緒の時代に生まれたんだから、一緒に超えていきましょう」「みんなに何かあるときには思い出してください。僕たちの歌が、そばにいます」と告げて、珠玉のバラード「虹」につなげた。

花道やセンターステージ、ステージ上方から照らす7色のライト、前日の「オーケストラバージョン」とはひと味異なるバンドアレンジ、そして北川と岩沢の絶妙に絡み合う歌声が感動的な音像を作り上げ、5万人の胸を打つ。荘厳な楽曲を全身全霊で届けたゆずの2人の顔には、やりきったような満足げな表情が浮かんでいた。

そしてエンディングに向かうかのように、北川がオンマイクで「あ、皆さんお疲れさまでした。この後打ち上げありますんで」とフランクな会話を始めると場内から一斉にブーイングが沸き起こる。直後にはっとした表情を見せ「あっ、忘れてた! 15周年なのに大事なの演るの!」と言いつつ「忘れてたわりにタンバリン持ってた!(笑)」と“小芝居”を展開する北川。岩沢もニコニコしながら次の曲をプレイする気満々の様子だ。そして演奏されたのは、もちろん「夏色」。「それそれそれそれ! ありがと15年!」の煽りに合わせイントロが始まると同時に特効のテープが発射され、お祭りムードは最高調に。メンバーもオーディエンスも大声で歌いながら、楽しそうに踊る。

そして恒例の「もう1回!」コールが行われたかと思いきや、ステージの階段最上段で北川がばったりと倒れ込んでしまう事態に。直後にスクリーンで幽体離脱してしまった北川が映し出され、場内がざわつく。岩沢が「リーダーがエンジェルになっちゃった……どうしよう、大事な15周年なのに」と口にすると、祭り囃子にも似たドラムのリズムに乗せ「帰ってこい!」コールが始まる。「もっと! もっと皆さんの声で帰ってくるかもしれない!」との岩沢の熱い要請に、観客は大声で応じる。すると映像の中で天使に抱えられていた北川が「やべ!」とひと言放ち、花道の先端からエンジェル姿のままポップアップで現世に帰還。やんややんやと盛り上がる場内を背にメインステージへ駆け戻った北川は、岩沢の「15周年! だから15発祝砲打つぞー!」というかけ声にあわせ左の花道から順にハンドガンを発射する。最後の15発目はメインステージ中央で巨大な大砲を打ち上げ、ライブの最後を華やかに飾った。

これでライブ全編が終了を迎え、ステージを彩ったダンサーやゆずマン、ももちゃん、そしてバンドメンバーが紹介される。続いて岩沢が「(ゆずは)15歳、所詮まだ中坊です。これからもがんばります」と、北川が「ゆずを15年やれたことを誇りに思います」とコメント。さらにこれまで支えてきてくれたスタッフと、ゆずを応援してくれている全てのファンに向け感謝を述べ、大きな拍手を起こした。そして「ゆずから大切なお知らせがあります」と、ニューシングル&ツアーを告知。サプライズプレゼントで、場内を大いに沸かせた。

うれしそうなオーディエンスの表情を見て、「興奮してきた? まだ帰りたくない?」と問いかける北川。賛同の声を受け「じゃあもう1曲演ろうか!」と急遽ライブを継続することを決定。メインステージからセンターステージに歩み寄り、「栄光の架橋」をゆず2人だけの弾き語りバージョンで披露した。その後も鳴り止まない拍手を受け「帰れないじゃーん!」とうれしそうに悲鳴を上げるゆず。北川は「東京ドームで音出しちゃいけない時間が近づいてます(笑)」と苦笑しつつ、満面の笑顔で「ホントに最後だぞ!」と念を押して「友達の唄」を演奏し、この日一番の一体感で東京ドームを包み込んだ。

全21曲を演奏しきったゆずは、センターステージからメインステージに戻り、階段最上段でくるりと会場に向き直る。そのままオフマイクで「どうむ、ありがとうございました!!!」と絶叫し、この日集まった全員へ熱い感謝の気持ちを伝えた。

ゆずはこのあと、ライブで告知したとおり8月8日にニューシングル「また明日」を発売。10月からはホールツアー4公演をスタートし、12月から2月にかけてのアリーナツアーへとつなげる。

YUZU 15th Anniversary Dome Live YUZU YOU ~みんな、どうむありがとう~
2012月6月3日@東京ドームセットリスト

01. ストーリー
02. 超特急
03. 桜木町
04. 青
05. 明日天気になぁれ
06. from
07. 15thスペシャルメドレー ゆずゆ 癒し癒されて○(※○は白抜きハート記号)
08. Yesterday and Tomorrow
09. 陽はまた昇る
10. 逢いたい
11. シシカバブー
12. 桜会
13. いちご
14. 少年
15. with you
<ENCORE>
16. おでかけサンバ
17. T.W.L
18. 虹
19. 夏色
20. 栄光の架橋
21. 友達の唄

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