結成25周年を記念して8月にトリビュートアルバム「Dreams Never End」を発表したART-SCHOOL。トリビュートライブ第1弾となる本公演には、アルバムの参加者より
PEDRO
ライブのトップバッターを務めたのはPEDRO。アユニ・D(B, Vo)、田渕ひさ子(G / toddle、KERA & Broken Flowers、bloodthirsty butchers、ex. NUMBER GIRL)、ゆーまお(Dr / ヒトリエ)は大きな拍手に迎えられながらステージへ進み出て、「拝啓、僕へ」でライブを開始する。3人が織りなすグルーヴィなサウンドと無垢なアユニの歌声にオーディエンスは一気に引き付けられていった。
「ART-SCHOOL、25周年おめでとうございます」とアユニが告げ、歌い始めたのはトリビュートアルバムの参加曲「Just Kids」。鮮烈で美しい轟音とむき出しの歌声がまっすぐに場内に響き渡り、聴く者の心を強く震わせた。「今日は呼んでいただき本当にありがとうございます! ART-SCHOOLとMONOEYES、2つの偉大なバンドを前にライブをやらせていただけること、とても光栄です!」とアユニは声を弾ませ、9月にリリースしたばかりのミニアルバム「ちっぽけな夜明け」の収録曲「1999」を披露。軽快なリズムに乗せて、等身大の感情を歌い上げた。
一度ベースを置いたアユニは、ステージの前方に出て「いたいのとんでけ」をハンドマイクでなりふり構わず熱唱。再びベースを構えると「吸って、吐いて」「万々歳」を勢いよく放ち、最後に衝動に身を任せるように「グリーンハイツ」を演奏してステージを去っていった。
MONOEYES
大歓声の中ステージに姿を現したMONOEYESは、9月にリリースしたニューアルバム「Running Through the Fire」の収録曲「Let It Burn」でライブをスタート。一気にアクセルを踏み込み、みずみずしいサウンドを場内いっぱいに鳴り響かせた。そのまま彼らは全速力で駆け抜けるように「Run Run」「Reflections」をプレイ。細美武士(Vo, G)は「ART-SCHOOL、25周年おめでとう!」と祝福の言葉を述べ、「今日はトディの日だ!」と両バンドに所属している戸高賢史(G)にスポットライトを当てた。
ART-SCHOOLの活動休止中にMONOEYESが結成されたことに触れた細美は「アートにも刺激になってたらいいなと思うし、これからも切磋琢磨してやれたらすごくうれしいな」とメッセージを送る。そしてトリビュートアルバムの参加曲「BOY MEETS GIRL」を晴れやかに届けて会場を大きく沸かせた。細美は夜中に木下理樹(Vo, G)の家に呼び出されてお酒を飲んだ思い出を懐かしそうに振り返り、「理樹は触れれば触れるほど、本当に優しいんだろうなって思う」と話す。さらに「バンドの世界でずっと戦い続けてきてるわけじゃん。どれだけつらくたって、最後までちゃんと駆け抜けてほしいよ。本当に才能があるし、いい音楽を作るから。あいつは心の中で誰よりも必死で、絶対にあきらめられないものがあって、今でも『絶対やるんだ。あそこまでいくんだ』って腕を振ってると思うんだよね」と目を細め、「アンカー」で夢に向かってまっすぐに進んでいく思いを描いた。
「Get Up」「When I Was A King」をエネルギッシュに演奏したMONOEYES。ラストに彼らは「リザードマン」を届け、オーディエンスと心をひとつにしてアクトを締めくくった。
ART-SCHOOL
2組からバトンを受け取ったART-SCHOOLは「BOY MEETS GIRL」を爽快にプレイ。続いて、近年あまりライブで披露されることがなかった「NEGATIVE」でフロアをヒートアップさせた。戸高は「PEDROもMONOEYESも僕らのために今日出てくださって本当にありがとうございました。PEDROは本当に素敵なカバーを披露してくれて、ファンになりました」と感謝の思いを述べ、「MONOEYESは僕がやってるバンドで、ART-SCHOOLと交わることがないんじゃないかなと思っていたら、こんな日がきてしまいました」と感慨深げに言葉にする。木下は「今日MONOEYESを観て、ひさしぶりに細美くんともしゃべって、たくさんの愛と勇気をいただいたので、僕らも全力でやります」と意気込んだ。
その後、彼らは最新ミニアルバム「1985」より、幻想的なアルペジオが印象的な楽曲「Heaven Kicked Me Out」を披露。戸高がボーカルを務めるナンバー「Teardrops」ではアンニュイな響きを持つ心地のいい歌声が広がった。PEDROがカバーした楽曲「Just Kids」で疾走感あふれるプレイを繰り広げたあと、彼らは勢いを加速させるように「アイリス」を投下。この日、PEDROの「グリーンハイツ」に田渕がNUMBER GIRLの「TATTOOあり」のギターソロを入れ込んだことを受け、そのお返しとして中尾憲太郎(B / ex. NUMBER GIRL)が「鉄風 鋭くなって」のイントロの印象的なベースを弾いてみせる場面も。最後には「FADE TO BLACK」で木下が熱のこもったシャウトを響かせてステージをあとにした。
アンコールを求める拍手に応えて、再び姿を現したART-SCHOOL。木下はPEDROとMONOEYESに改めて感謝の思いを述べ、「『Dreams Never End』というタイトルなんですけど、夢をまた見せてくれたような気がして、とても光栄でした」と顔をほころばせる。そしてART-SCHOOLは結成25周年のタイミングで再録した楽曲「Outsider」をパフォーマンスしたのち、「ロリータ キルズ ミ-」でフロアに熱狂の渦を巻き起こし、トリビュートライブの第1弾を締めくくった。
トリビュートライブの開催は第6弾まで決定しており、indigo la End、The Novembers、DOPING PANDA、ストレイテナー、LOSTAGE、Age Factory、ASIAN KUNG-FU GENERATION、MO'SOME TONEBENDER、syrup16gの出演がアナウンスされている。
セットリスト
ART-SCHOOL「Dreams Never End vol.1」2025年10月12日 Zepp DiverCity(TOKYO)
PEDRO
01. 拝啓、僕へ
02. 春夏秋冬
03. Just Kids
04. 雪の街
05. 1999
06. いたいのとんでけ
07. 吸って、吐いて
08. 万々歳
09. グリーンハイツ
MONOEYES
01. Let It Burn
02. Run Run
03. Reflections
04. BOY MEETS GIRL
05. My Instant Song
06. アンカー
07. Get Up
08. When I Was A King
09. リザードマン
ART-SCHOOL
01. BOY MEETS GIRL
02. NEGATIVE
03. スカーレット
04. Heaven Kicked Me Out
05. サッドマシーン
06. Teardrops
07. Just Kids
08. アイリス
09. real love / slow dawn
10. UNDER MY SKIN
11. FADE TO BLACK
<アンコール>
12. Outsider
13. ロリータ キルズ ミ-
公演情報
ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE「Dreams Never End vol.2」
2026年1月7日(水)東京都 Spotify O-EAST
<出演者>
ART-SCHOOL / indigo la End / The Novembers
ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE 「Dreams Never End vol.3」
2026年2月8日(日)東京都 LIQUIDROOM
<出演者>
ART-SCHOOL / DOPING PANDA
ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE 「Dreams Never End vol.4」
2026年2月11日(水・祝)東京都 LIQUIDROOM
<出演者>
ART-SCHOOL / ストレイテナー
ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE 「Dreams Never End vol.5」
2026年2月25日(水)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
<出演者>
ART-SCHOOL / LOSTAGE / Age Factory
ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE 「Dreams Never End vol.6」
2026年3月18日(水)神奈川県 KT Zepp Yokohama
<出演者>
ART-SCHOOL / ASIAN KUNG-FU GENERATION
ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE 「Dreams Never End vol.7」
2026年4月3日(金)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
<出演者>
ART-SCHOOL / MO'SOME TONEBENDER / syrup16g
ART-SCHOOLのTV・ラジオ出演情報
関連人物
tyama @Made_in_tyama
いい夜でした https://t.co/RszSWLe32l