宇多田ヒカルもサプライズ出演!Perfume、電気グルーヴ、Tohji、ブンブンに沸いた「ソニマニ」

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8月16日と17日に、千葉・ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセと大阪・万博記念公園で音楽フェスティバル「SUMMER SONIC 2025」が開催された。音楽ナタリーでは幕張公演の2日間と、その前夜祭として千葉・幕張メッセで8月15日夜から開催されたオールナイトイベント「SONICMANIA」について3本の記事に分けてレポート。この記事ではソニマニの模様を国内アーティストのライブを中心に伝える。

フローティング・ポインツのステージに登場した宇多田ヒカル。(撮影:岸田哲平)

フローティング・ポインツのステージに登場した宇多田ヒカル。(撮影:岸田哲平)

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ライブレポート
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Perfumeが予想外なあの曲をダンス

Perfume ©SUMMER SONICAll Copyrights Reserved

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MOUNTAIN STAGEのトップバッターを務めたのは、2013年に初出演して以来5度目の出演となる「SONICMANIA」常連のPerfume。今年は夏フェス出演をこの「SONICMANIA」1本に絞り、気合十分でステージに臨んだ。セットリストは、昨年末から今年春にかけて行われたツアー「Perfume 10th Tour ZOZ5 “ネビュラロマンス” Episode 1」をコンパクトに凝縮した構成。序盤はアルバム「ネビュラロマンス前篇」の楽曲を収録順に披露し、最新モードを提示した。

中盤以降は「エレクトロ・ワールド」「Cling Cling」「Party Maker」「ポリリズム」といったキラーチューンを連発してフロアを沸かせつつ、最新シングル「巡ループ」もパフォーマンス。MOUNTAIN STAGE全体を巻き込んだ「『P.T.A.』のコーナー」では、8月9日に東京・豊洲PITでZAZEN BOYSと対バンした際にも披露された、ZAZEN BOYS「ポテトサラダ」にオリジナルの振付をしたダンスを観客と一緒に踊り、出演者でもない向井秀徳のシャウトが幕張に響き渡った。

電気グルーヴは砂原良徳も含む5人編成で

電気グルーヴ ©SUMMER SONICAll Copyrights Reserved

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電気グルーヴのライブは牛尾憲輔と吉田サトシに加え、同じくこの日にソロで「SONICMANIA」に出演した砂原良徳をサポートメンバーに迎えた5人編成で行われた。新幹線ホームのアナウンスを模した「次の停車駅は幕張です」という声が響くと「新幹線」でライブがスタート。のっしのっしと歩きながらステージに現れたピエール瀧が「本日は電気グルーヴ『SONICMANIA 2025』にご乗車いただきまして、誠にありがとうございます。本日の乗務員、運転手は石野、車掌は瀧、センターコンソールは牛尾、シンセサイザー砂原、ギター吉田の5名でお送りします」と挨拶した。

ライブ中盤、「Shangri-La」でフロアが沸騰したのを皮切りに、激しく乱れ撃つ迫力あるリズムの「SHAMEFUL」、砂原がシンセでメロディを弾く「POPCORN」でライブは山場に。石野卓球が「TB-303」を小脇に抱えて「N.O.」を熱唱し、オーディエンスが一斉に腕を振る。またDEVICEGIRLSによるVJも、「モノノケダンス」で幕張メッセが怪獣に破壊されたり、「FLASHBACK DISCO」でZOZOマリンスタジアムの上空に巨大なミラーボールが浮かんだりと、この日ならではの小ネタが仕込まれていた。

The Prodigyのステージに亡きキースの姿が

不穏なスモークがステージに立ち込め、10年ぶりの来日となったThe ProdigyがMOUNTAIN STAGEに登場。危険な雰囲気を醸す真っ赤なライトを浴びながら「Vodoo People」でライブをスタートさせ、続く「Omen」でフロアに大合唱が起こった。

グループのアイコニックな存在だったキース・フリントは2019年に亡くなったため、現在はマキシムが1人でボーカルを務めているThe Prodigy。しかし「Firestarter」が始まると、ステージの両サイドにレーザーの光で描かれたキースのシルエットが踊りだし、オーディエンスは興奮状態に。その間、マキシムは亡き仲間に出番を譲るように、ステージ中央で微動だにせず立っていた。

「Invaders Must Die」「Breathe」を畳みかけてライブを終えたメンバーは、一旦舞台から捌けるが、なんとここからさらにアンコールとして5曲も披露。「Smack My Bitch Up」「Take Me to the Hospital」「We Live Forever」「Diesel Power」の連発でフロアの興奮は頂点に達し、ラストはまさかの初期ジャングル曲「Out of Space」で締めくくられた。

フローティング・ポインツ×宇多田ヒカル

一方SONIC STAGEには、アメリカ・シカゴの大御所ラッパーであるコモン、同じくシカゴ出身の新星・トゥーホリスに続いて、フローティング・ポインツが登場。イギリス出身の世界的なエレクトロニックアーティストだが、ライブ前日、彼のSNSには、ある日本のアーティストと並ぶ写真が投稿されており、数多くの観客が共演を期待しながら会場に集まった。

フローティング・ポインツのステージに登場した宇多田ヒカル。(撮影:岸田哲平)

フローティング・ポインツのステージに登場した宇多田ヒカル。(撮影:岸田哲平)[拡大]

そこに彼女は本当に現れた。フローティング・ポインツの友達として現れたのは宇多田ヒカルだ。「こんばんわー! みんな調子どうですか!」とフランクに挨拶した彼女は、フローティング・ポインツを共同プロデューサーに迎えたアルバム「BADモード」の収録曲「Somewhere Near Marseilles ―マルセイユ辺りー」を軽快に歌い、観客たちは興奮を抑えきれない様子で声を上げる。歌い終えた宇多田は「みんなありがとー! いっぱい楽しんでってください!」と呼びかけて颯爽と退場するが、彼女の登場で完全に火が点いた観客はその後もフローティング・ポインツの楽曲で熱狂的に踊った。なお宇多田が国内のフェスに出演するのは、26年のキャリアでこれが初となった。

Tohjiがもたらした爽快感

深夜1:30からは、オルタナティブなスタイルで注目を浴びるカリスマラッパー・TohjiがSONIC STAGEに登場。トランスなどのダンスミュージックを取り入れた彼のサウンドは「SONIC MANIA」にピッタリだ。会場に集まった若いファンたちが彼の名を叫ぶ中、ステージに姿を見せたTohjiは、大ヒットナンバー「GOKU VIBES」でライブをスタート。爆音でレイヴサウンドを鳴らしてフロアを一気に沸騰させたのち、静かに現れたLootaと対峙するとコラボ作「KUUGA」の楽曲で凄まじい掛け合いを繰り広げていく。

その後、強烈なインパクトのVJをバックに「Jungle人」や「Tenkasu」といったエネルギッシュな最新ナンバーを畳みかけたTohjiは、相棒のgummyboyを迎えてMall Boyzのアッパーチューンを連発。浜崎あゆみの「Dearest」をサンプリングした「Higher」のリミックスも披露され、フロアの熱は上がり続けていく。そしてTohjiは「Aglio e olio」「ULTRA RARE」に続けて、開放的なサマーチューン「Super Ocean Man」を最後にパフォーマンス。突き抜けるような爽快感を会場にもたらして去っていった。

BOOM BOOM SATELLITESは今も生き続ける

THE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITES ©SUMMER SONICAll Copyrights Reserved

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来場者たちが疲れの色を見せ始めた午前3時のSONIC STAGE、その目を覚まさせるような激しいツインドラムとギターの轟音で、 BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之とTHE NOVEMBERSの小林祐介によるTHE SPELLBOUNDのライブが開幕した。彼らはこの日、「THE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITES」名義で、全編BOOM BOOM SATELLITES楽曲のみという特別なセットリストのライブを実施。イントロが流れるたびにフロアから大きな歓声が上がる。

ライブ終盤は、観客が感情を抑えきれない様子で手のひらを空に向けた「LAY YOUR HANDS ON ME」、熱量の高いセッションで観る者を圧倒した「FOGBOUND」と続き、キラーチューン「KICK IT OUT」でオーディエンスは飛び跳ねながら興奮状態に。BOOM BOOM SATELLITESというバンドが今も生き続けていることを強く印象付けるステージを、彼らは「DRESS LIKE AN ANGEL」で締めくくった。

その後、観客を背にして記念写真を撮ることになり、小林は急いで何かを取りに行く。彼が持ってきたのは、亡くなったBOOM BOOM SATELLITESのボーカル・川島道行の形見のフライングVだった。写真撮影したあとで小林は、メンバー紹介をするようにそのギターを観客に見せ、舞台中央のスタンドに立てかけて清々しい笑顔でステージをあとにした。

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み8/15幕張 @onyxnbca

ソニマニ、スカートの左右についてるテロテロの布がCOPバンコクで着てたマーメイド衣装を思い出す素材だったな~ https://t.co/Ezwyo3Czbt

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