「Homecomingsでいられて幸せでした」愛と感謝に満ちた3人体制ラストライブでベース・福田穂那美が“人生の第二章”へ

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Homecomingsが12月18日に東京・EX THEATER ROPPONGIでワンマンライブ「the aquarium of illumination and night glare」を開催した。

Homecomings(撮影:新家菜々子)

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2012年に京都・京都精華大学のフォークソング部内で結成されたHomecomings。昨年2月に石田成美(Dr)が卒業し、畳野彩加(Vo, G)、福富優樹(G)、福田穂那美(B)の3人で活動していた。今年9月、福田が「自分の人生の第二章を始めることにしました」というコメントとともに、「the aquarium of illumination and night glare」をもってバンドを卒業することを発表。Homecomingsにとって過去最大キャパとなったEX THEATER ROPPONGIには、彼女の最後のステージを見届けようと大勢のファンが詰めかけた。

Homecomings(撮影:新家菜々子)

Homecomings(撮影:新家菜々子) [高画質で見る]

オープニングSEのDeath In Vegas「Girls」が優しく鳴り響き、夜の海のような深い青色に染まったステージに、畳野、福富、福田、サポートドラムの吉木諒祐(The Novembers)が姿を見せると、客席から拍手が湧き起こる。Homecomingsは静かに音を重ねたのち「Blue Hour」で穏やかにライブの幕を開けると、初期のキラーチューン「HURTS」を軽やかにプレイ。続く「Songbirds」では、畳野の澄んだ歌声と福田の美しいコーラスの重なりに観客はじっくりと耳を傾けた。福富は満員の客席に向けて感謝を伝えたのち、「ベースのほな(福田)が今日で卒業するということで、おめでとうございます!」とひと言。そして「もちろんさみしいし、まだまだ話し足りないこともたくさんあるんですけど、気持ちを込めて演奏するので最後まで楽しんでいってください!」と呼びかけた。

福富優樹(G)(撮影:新家菜々子)

福富優樹(G)(撮影:新家菜々子) [高画質で見る]

Homecomingsは同年11月発表の最新アルバム「see you, frail angel. sea adore you.」の収録曲で、静かな立ち上がりから轟音のシューゲイズサウンドへと展開する「luminous」で演奏を再開。その後は優しさの中に力強さを内包した「Here」や、福富が長尺のギターソロをかき鳴らす「euphoria / ユーフォリア」、ジェンダーや多様な恋愛の在り方をつづった「光の庭と魚の夢」などが次々と届けられた。次に披露されたのは、福田がビートを手がけたミディアムナンバー「Drowse」。打ち込みを軸としたミニマムなサウンドから彩り豊かなバンドサウンドへシフトすると、その演奏を浴びたオーディエンスが次々と席を立ち上がり、曲が終わる頃には場内に万雷の拍手と歓声が響いた。

畳野彩加(Vo, G)(撮影:新家菜々子)

畳野彩加(Vo, G)(撮影:新家菜々子) [高画質で見る]

「recall(I'm with you)」「Shadow Boxer」「ghostpia」など、バンドのオルタナティブかつエモーショナルな側面が垣間見える楽曲が爆音で届けられたライブ中盤。福富の「旅立つ友達の歌であり、旅立つ友達を見守る歌でもある1曲を演奏します」という言葉を合図に披露された「slowboat」では、畳野が大切そうに歌う言葉たちに、場内はどこか感傷的なムードに満たされていった。Homecomingsは浮遊感のある電子音が印象的なインストゥルメンタル「(all the bright places)」をインタールードに、バンドの新機軸を感じさせるダンスナンバー「Air」を披露。代表曲の1つ「LIGHTS」へとシームレスにつなげると、天井から吊られた巨大なミラーボールが幻想的な光を放つ中、みずみずしいアンサンブルを奏でてさわやかな風を吹かせた。4人は最後にノイジーなバンドサウンドと神秘的なコーラスワークが美しく重なる「angel near you」をじっくりと届けてライブ本編を終えた。

福田穂那美(B)(撮影:新家菜々子)

福田穂那美(B)(撮影:新家菜々子) [高画質で見る]

鳴り止まないアンコールに応えて再びステージに現れたHomecomings。少し照れた様子でスタンドマイクの前に立った福田が「今日までHomecomingsでいられて幸せでした。彩加と優樹くんがこれからも本当に素敵な音楽を作ってくれると思うので、今後もHomecomingsをよろしくお願いします」と噛み締めるように呼びかけると、客席からは温かな拍手が送られた。福田を送り出す立場である福富は、オリジナルメンバー4人で初めて音を鳴らした日のことを振り返りつつ、「大切な友達と何年間も同じ景色を見れてうれしかったよ。ありがとう」と彼女への感謝を語る。畳野は「これから続いていく私たちとほなの生活、そして皆さんの生活がどうか幸せであるように心を込めて『i care』を演奏します」と告げると、「なにを選んでも、それでいいからね / あなたのこといつもどこかで気にかけているよ」とじっくりと歌い上げた。畳野が「みんな歌ってください。私歌えないと思うから」と言葉を詰まらせながら語りかけたのち、最後にHomecomingsは「Moon Shaped」を披露。演奏を終えたメンバーたちは客席に向かって何度も手を振り、充実した表情でステージをあとにした。

福田穂那美(B)と畳野彩加(Vo, G)。(撮影:新家菜々子)

福田穂那美(B)と畳野彩加(Vo, G)。(撮影:新家菜々子) [高画質で見る]

なおHomecomingsは2月から新体制初の全国ツアー「I'm not ok. you're not ok. and that's ok.」を開催する。チケットぴあでは1月5日23:59まで、チケットのプレリザーブを受付中。

Homecomings(撮影:新家菜々子)

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セットリスト

「Homecomings "the aquarium of illumination and night glare"」2025年12月18日 EX THEATER ROPPONGI

01. Blue Hour
02. HURTS
03. Songbirds
04. luminous
05. Here
06. euphoria / ユーフォリア
07. every breath
08. 光の庭と魚の夢
09. Drowse
10. recall(I'm with you)
11. Shadow Boxer
12. ghostpia
13. slowboat
14. (all the bright places)
15. Air
16. LIGHTS
17. US / アス
18. blue poetry
19. angel near you
<アンコール>
20. ラプス
21. i care
22. Moon Shaped

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hiro @hiro

プロがいい写真撮ってるので何もいうことがない
https://t.co/a1rkIXk3XC

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