大人な香り漂う「COCKTAiL PARTY」幕開け
これまでもさまざまなコンセプトを掲げて、LiSAッ子(LiSAファンの呼称)たちとの“デート(ライブ)”を楽しんできたLiSAだが、今回設けたテーマは大人な香りが漂う「カクテルパーティー」。ジャジーなSEが会場入りするLiSAッ子たちを出迎え、開演までの期待感を高めていく。マジックタイムから夜へと鮮やかに移り変わっていく都会の景色を切り取った映像を経て、スクリーンにはとあるジャズバーの入口が映し出される。通りに掲げられていた「NOW OPEN」のネオンサインに光が灯ると、LiSAッ子たちはカクテルグラスを模した「乾杯ペンライト」のスイッチをオン。艶やかなピンク色の光が会場を埋め尽くす中、サポートバンド“わんたんにゅーめんず”による豪快なアンサンブルが、LiSAの登場をドラマチックに演出した。
フロアタムを叩く4人のダンサーとともに姿を見せた彼女がオープニングナンバーとしてセレクトしたのは、これまでのライブでは終盤に披露することが多かったロックチューン「ADAMAS」。自らもマレットを握り締め、鋭い視線をたたえたLiSAは、1曲目とは思えないほどの歌声で気合いの程をのぞかせる。「どの瞬間もつかまえる覚悟はある?」という言葉に続きライブの定番曲として愛されている「Catch the Moment」へ。一瞬一瞬に命を燃やすLiSAのパフォーマンスに会場の熱気はヒートアップし、たちまちクライマックスさながらの空気感を生み出した。
LiSAッ子を魅惑した「GL」演出
しかし、ライブはまだ序の口。LiSAは「“SOUR”ということは……苦くて刺激的な夜を楽しむ準備はできてますか?」と意味深に口にしたのち、「乾杯ペンライト」を使ってLiSAッ子たちと“乾杯コール”を交わして場内の一体感を作り出した。続けてサポートメンバーのNona*を引き連れて花道へと歩みを進めたLiSAは、甘く挑発的な表情を見せる「エスケープゲーム」を皮切りに、甘酸っぱい感情を呼び起こす「オレンジサイダー」、妖艶なムードを醸す「ハルシネイト」、焦がれる相手への苛烈なまでの愛を歌う「Empty MERMAiD」とさまざまな“テイスト”の楽曲をオーディエンスに提供。“SOUR”のコンセプトにふさわしいめくるめく選曲でLiSAッ子を魅惑した。
全体的にアダルトなムード漂う「COCKTAiL PARTY」の中で、集まった全員の胸をときめかせたのは「GL」の演出。クレオパトラを想起させるゴージャスかつセクシーな衣装を身にまとったLiSAは、男性ダンサーがエスコートしてきた女性ファンを椅子に座らせ、視線を絡ませながら薔薇園アヴ(女王蜂)が紡いだ旋律と言葉を甘やかに、挑発的にささやく。LiSAッ子はステージに上がったファンに自身を重ねつつ、LiSAの口からこぼれる歌声に耳を傾け、その色香にどっぷりと酔いしれる。最後にLiSAが熱視線を向けられた女性を抱き締めると、「ウォー!」と怒号のような歓声が体育館会場内に轟いた。
レア曲満載の“SOUR”メドレー
大きな満月を背に歌い上げられた「虚無」が終わると、ライブの舞台はジャズバーの中へと移動。花道の先に用意された円形のステージにハイテーブルが、スクリーンにはジュークボックスが現れる。そしてジュークボックスが動き出したのを合図に、たっぷりとスパンコールをあしらった水色のロングドレスに着替えたLiSAが登場。そっとマイクスタンドに手を添えると、「She」で始まる「カクテルメドレー - SOUR -」へと突入した。
ライブの中核を担うメドレーの内容は初日の“SWEET”と2日目の“SOUR”で異なっており、“SOUR”メドレーには1stシングル「oath sign」、2013年リリースの「traumerei」といった懐かしい楽曲や、Uruとのコラボ曲「再会」のLiSAバージョン、FictionJunction feat. LiSAとして発表された「from the edge」など、普段のライブには組み込まれないタイプのレア曲が。ひときわ盛り上がりを見せたのは、LiSAがかつてテレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンドGirls Dead Monsterのユイとして歌唱した「Day Game」。LiSAッ子たちはLiSAのコールに息ぴったりのレスポンスを返し、アリーナ会場とは思えないほどの親密な空気を作り出していく。メドレーの最後を飾ったのは、「変わらなくていいよ 戻らなくていいよ」と歌う「No More Time Machine」。LiSAの「最高の今を重ね続ける」という意志を込めたナンバーが深い余韻を残した。
その後、LiSAはクリノリンを大胆に見せる漆黒のドレスに衣装替え。スカートからガーターベルトをチラリとのぞかせる刺激的なファッションをまとい、「ブラックボックス」を皮切りにロックモード全開のパフォーマンスを展開していく。「QUEEN」ではダンサー4人を従え花道を練り歩き、リフターに乗り込むと会場の上方へ。2階席のLiSAッ子とも視線を交わせる高さまで上がり、汗だくになりながら熱唱を繰り返して会場全員の視線を釘付けにした。
「また会いにきてね。また会いに来るからね」
すっかりライブアンセムとして定着した「一斉ノ喝采」が作り出した一体感の中、LiSAは感極まった様子で15年前1人で上京してきた日に思いを馳せる。「私は東京という場所に夢を持って出てきました。東京は挑戦する場であり、最も試される場であり。新しい出会いがあったり、苦い思い出があったり……Girls Dead Monsterに出会ってから酸いも甘いも感じさせてくれたのが東京という場所です」と目を潤ませながら口にしたLiSA。「私はいろんな夢を一緒に叶えてくれた東京(でのライブ)になぜか自信があって。自分の味方がいるような。みんなが私にこのステージに立つ自信をくれるからです。また胸を張って帰ってきます」とLiSAッ子たちに絶大な信頼を置いていることを明かす。
「また会いにきてね。また会いに来るからね」という言葉とともに届けられた「拝啓、わたしへ」で本編はフィナーレへ。「これからも酸いも甘いも全部全部音楽にしていくから。みんなもまた会いにきてね!」とLiSAが叫ぶと、スクリーンには朝日が差し込むベッドルームと、安らかな表情で眠るピンクの耳と尻尾を持つ黒猫の姿が映し出された。
アンコールでは鳴り止まないLiSAコールに呼ばれる形で、LiSAは1人でステージに再登場。純白のドレスに身を包んだ彼女が姿を見せると、それまでのざわめき消え、静寂が客席に広がる。固唾をのんでステージを見つめるLiSAッ子の緊張を解きほぐすように、LiSAは「シルシ」を歌い優しい空気を会場内にもたらす。だが、ここで大団円とならないのがLiSAのライブ。彼女は最後に「紅蓮華」の絶唱というプレゼントをLiSAッ子に贈り、ハイカロリーで刺激に満ちた「COCKTAiL PARTY」の“SOUR”編を締めくくった。
なお、WOWOWでは2025年3月から5カ月連続でLiSAの特集を展開。「LiSA LiVE is Smile Always~COCKTAiL PARTY~」の模様も3月と4月に放送・配信予定だ。
セットリスト
LiSA「LiSA LiVE is Smile Always~COCKTAiL PARTY~」2024年12月1日 国立代々木競技場第一体育館
01. ADAMAS
02. Catch the Moment
03. エスケープゲーム
04. オレンジサイダー
05. ハルシネイト
06. Empty MERMAiD
07. GL
08. 洗脳
09. 虚無
10. カクテルメドレー - SOUR - (She~oath sign~traumerei~ナミダ流星群~再会~from the edge~Day Game~No More Time Machine)
11. ブラックボックス
12. ROCK-mode'18
13. Shouted Serenade
14. QUEEN
15. RUNAWAY
16. say my nameの片思想い
17. 一斉ノ喝采
18. 拝啓、わたしへ
<アンコール>
19. シルシ
20. 紅蓮華
※「traumerei」の「a」はウムラウト付きが正式表記。
LiSA_STAFF @LiSA_STAFF
【WEB】
音楽ナタリーにて、
『ソニー銀行 presents LiSA LiVE is Smile Always~COCKTAiL PARTY~[SWEET&SOUR]』
のライブレポートを掲載いただきました。是非チェックしてください。
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#LiSA #LiSAカクテルパーティー