今年2月から全国29都市を巡るワンマンツアー「ラブ&ピース!マスターピース!」と、ファイナルシリーズと銘打った追加公演を行ってきたサンボマスター。追加公演最終日に用意された会場、日本武道館に彼らが立つのは2017年12月以来約7年ぶり2回目となる。
武道館に戻ってきたよ!
定刻になると、まずは山口隆(Vo, G)から会場のファンへ向けたメッセージがツアー中のライブ写真に乗せて流れる。通算32本のロングツアーにもかかわらず全公演チケットがソールドアウトしたことに感謝を述べたほか、前回の武道館ライブでメンバーの木内泰史(Dr, Cho)が「また武道館でやりたいよね。またみんなで集まろうよ!」と叫んだときの映像を振り返り、「みんなのおかげで戻ってきたよ!」と感慨深げに語る。そして「ロックンロールの時間がやってまいりました!」と呼びかけると、待ちわびた観客から大歓声が沸き起こった。
観客の力強いクラップに乗せてステージに登場した3人は、Netflix「トークサバイバー!ラスト・オブ・ラフ」の主題歌として書き下ろした最新曲「稲妻」で勢いよくライブの幕を開けた。「輝きだして走ってく」「可能性」と立て続けに熱唱した山口は「とにかく俺たちは今日、MCを短くしないとやべえと言われているんです。横浜アリーナのMCで話しすぎて、ライブを3時間半もやってしまったので……」と、さっそくMCで笑いを誘う。近藤洋一(B, Cho)から「山口さん、ライブが始まる前からしゃべってましたよ」「あのコメントも編集でだいぶ短くした」とツッコミが入るひと幕も。そして木内の「ツアーファイナル、32本目にして最高のライブやりに来たんでしょ! じゃあ、やったらあ!」という宣戦布告を合図に「笑っておくれ」「ミラクルをキミとおこしたいんです」、そしてTBS「ラヴィット!」のテーマソング「ヒューマニティ!」などアッパーチューンを連投。山口は「愛してるって言うのが聞こえないのかー!」「もっとくれ!」と絶え間なくオーディエンスを煽り、それに呼応した観客が歓声や合唱、力いっぱいのクラップを返すという応酬の連続で、会場は瞬く間に熱狂の渦と化した。
1曲ごとに燃え尽きる
オーディエンスのすさまじい熱気を受けて酸欠になったという山口。「次の曲のこととか考えられない。その1曲で燃え尽きる感じ」と感心した様子で語る。さらに「世の中は悲しいことばっかあるからよお」と続け、「悲しい夜も続くだろう。寂しい夜も続くだろう。だから俺たちはまたここに来る。おめえたちにでっけえ声でこの言葉を言いに来た! 愛してる。生まれてきてくれてありがとう!」と叫ぶと、山口の言葉に静かに聞き入っていた観客の中から悲鳴に近い歓声やすすり泣く声が上がる。感情を爆発させた山口は「ラブソング」をエモーショナルに歌い上げた。
ライブ終盤に差しかかると定番曲「光のロック」でフロアの熱気を再燃させた3人。その後は「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」「孤独とランデブー」「できっこないを やらなくちゃ」といったキラーチューンを畳みかける。「全員優勝」のコールで大盛り上がりの中、最後に観客を巻き込み「花束」を大合唱した。
ロックンロールは終わらない
アンコールでサンボマスターは、来年結成25周年を迎えるにあたり記念プロジェクトが行われることを発表。山口は「俺たち四半世紀一緒にいるの!?」と冗談めかしつつ、2人とこれまでの長い歩みに思いを馳せた様子。3人は「今日は本当に楽しかった」と笑顔で感謝の気持ちを述べ、「そのぬくもりに用がある」を披露した。さらに山口は「次の曲でライブは終わりだ。でもロックンロールは終わらないってことをおめえたちに証明する必要がある。終わらない歌で終わるんだよ!」と咆哮。全員で次の曲タイトル「ロックンロールイズノットデッド」を叫ぶと会場には金テープが舞い、「愛してる!」という山口の魂の叫びでツアーの幕が閉じた。
セットリスト
「ラブ&ピース!マスターピース!」2024年10月25日 日本武道館公演
01. 稲妻
02. 輝きだして走ってく
03. 可能性
04. 笑っておくれ
05. ミラクルをキミとおこしたいんです
06. 夜が明けたら
07. 世界をかえさせておくれよ
08. ヒューマニティ!
09. 青春狂騒曲
10. Yes!
11. ビューティフル
12. I love you & I hate the world
13. ラブソング
14. 光のロック
15. 自分自身
16. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
17. 孤独とランデブー
18. Future is Yours
19. できっこないを やらなくちゃ
20. 花束
<アンコール>
21. そのぬくもりに用がある
22. ロックンロールイズノットデッド
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