WANIMA主催ワンチャンフェス初日はご褒美のような1日に「やっぱ熊本最高やね!」

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WANIMA主催の野外音楽フェスティバル「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2024」が8月24、25日に熊本・熊本県農業公園カントリーパークで開催中。この記事では初日公演の模様をレポートする。

WANIMA(Photo by SARU[SARUYA AYUMI])

WANIMA(Photo by SARU[SARUYA AYUMI])

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「ワンチャンフェス」は2022年9月にWANIMAの地元・熊本を舞台に初開催された音楽フェス。3度目となる今回は8月開催に変更された。初日公演にはWANIMAをはじめ、PEOPLE 1ORANGE RANGE[Alexandros]ゲスの極み乙女SiMUVERworldという7バンドが出演し、猛暑のカントリーパークで約2万5000人を熱狂させた。

PEOPLE 1

Deu(Vo, G, B, Other / PEOPLE 1)(Photo by SARU[SARUYA AYUMI])

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初日は事前の雨予報が嘘のような晴天に。35℃を超える炎天下でライブの火蓋が切られた。WANIMAとくまモンによる開会宣言を経て、トップバッターとして登場したのはPEOPLE 1だ。彼らが「新訳:スクール!!」でライブをスタートさせると、待ってましたとばかりにオーディエンスが沸騰。手前に出てきたTakeuchi(Dr)が「生きてるか熊本! そんなんで今日1日飛ばせるのか熊本!」と観客を煽り、「あのバンドの名前を叫ぶぞ!」と促すと、会場中で盛大な「WANIMA」コールが沸き起こった。その後も彼らはフリーキーな演奏で観る者を圧倒。ステージドリンクがお湯になるような暑さに、Deu(Vo, G, B, Other)が「引きこもりで肌が白いからもうダメかもしれない(笑)」とこぼすひと幕もあったが、バンドの演奏は灼熱の会場をますますヒートアップさせた。「こんな晴天の中でやるような曲じゃないんですけど」というDeuの曲紹介から8月28日リリースの新曲「idiot」を披露したPEOPLE 1。彼らはラストに「DOGLAND」を演奏し、オーディエンスの大合唱が青空に響き渡った。

ORANGE RANGE

ORANGE RANGE(Photo by toya)

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二番手は「ワンチャンフェス」初登場のORANGE RANGE。いきなり「以心電信」「ロコローション」とヒットソングを連発し、彼らは一気に観客の心をつかんだ。しかしその様子を見たHIROKI(Vo)は「この盛り上がりは結局、聴いたことがある曲だからっていうだけのことじゃないですか?」と疑惑の目を向けて、観客に「私たちは、ORANGE RANGEのライブを観るにあたって、突然知らない曲が始まっても楽しんでるフリをすることを全力で誓います」と宣誓させる。するとオーディエンスは続く「解放カーニバル」で約束通り大盛りあがり。「はい!もしもし...夏です!」では、観客に事前に練習させた「パジャマのまんまで」「学校来ちゃった!」のコールが小さいからと、HIROKIが演奏を止めて最初からやり直す場面も。「上海ハニー」「イケナイ太陽」と再びバンド屈指のキラーチューン連発した彼らの、ラストナンバーはWANIMAに捧げたパンクチューン「キリキリマイ」。真夏にピッタリの選曲と、豊富なライブ経験からくる盛り上げ上手なステージ運びで「ワンチャンフェス」に笑顔をもたらした。

[Alexandros]

[Alexandros](Photo by Yuki Kawamoto)

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2022年以来、2度目の出演となる[Alexandros]は重低音が唸る「Girl A」でライブを開始し、激しいパフォーマンスを展開して1曲目からフルギアで盛り上げる。その後も彼らは、強い日差しが降り注ぐ炎天下の中で、「Waitress, Waitress!」「Kick&Spin」とラウドなロックナンバーを続けて観客の身も心もヒートアップさせた。川上洋平(Vo, G)による「好きな場所を探り当ててもいいでしょうか?」という前振りから披露されたのはWANIMAの楽曲「いいから」。[Alexandros]はこの曲をソリッドな音色やハイトーンボイスでカバーしてWANIMAへの愛を示した。MCでは、2年前の「ワンチャンフェス」出演時に感動したという川上が、「自分の地元を愛するって素敵なことなんだなと思いました。それもあって、自分たちも[Alexandros]の地元・相模原でフェスを開催します。友達がいないバンドなので、WANIMAも出てくれます!」とアピール。そして[Alexandros]は人気曲「ワタリドリ」「閃光」をドロップしてステージをあとにした。

ゲスの極み乙女

川谷絵音(Vo, G, Syn / ゲスの極み乙女)の後ろ姿。(Photo by SARU[SARUYA AYUMI])

川谷絵音(Vo, G, Syn / ゲスの極み乙女)の後ろ姿。(Photo by SARU[SARUYA AYUMI])[拡大]

スキルフルな演奏や緻密に練られたサウンドで、観客を物語のような独自の世界観に引き込んだのは、今年初出演のゲスの極み乙女。メンバー紹介代わりに休日課長(B)、ちゃんMARI(Key)、ほな・いこか(Dr)がソロ回しを披露し、巧みな演奏力でオーディエンスを圧倒した。その後、ヒットチューン「猟奇的なキスを私にして」、メロディがめまぐるしく展開する遊び心たっぷりの「アソビ」を経て、本名が“川谷健太”である川谷絵音(Vo, G, Syn)は、「WANIMAとは同い年で、KENTAくんとは名前も同じで、しかも九州出身で」と共通点を並べつつ、WANIMAのライブについて「人間力でぶんなぐられる感じ」と絶賛。さらに「ワンチャンフェス」にオファーを受けた際の思いについて「KENTAくんから電話をもらって、すごく熱い人なんだなって」とうれしそうに振り返った。4人は最後にダンサブルな「キラーボール」で観客を踊らせて次のアクトへバトンを渡した。

SiM

SiM(Photo by toya)

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日差しが一段と強くなってきた15:50、ステージに現れたのはこちらも今年初出演のSiM。「Blah Blah Blah」でライブを開始すると、地面を揺らすほどのヘビーなサウンドでそれまでの空気が一変し、その勢いは「Amy」「T X H X C」と曲が進むにつれてさらに加速していく。ラウドでアグレッシブな演奏に負けじとオーディエンスももみくちゃになりながら全力で盛り上がった。SiMは熊本ではライブハウスでしかライブをしたことがないため、MAH(Vo)は初めてライブを観る人も多いだろうと「どうも、我々が世界のSiMです」と挨拶。「なんで“世界の”なんて言うかって? Billboardチャートで1位を取ったことがあるからだよ!」と叫び、その1位になった曲「The Rumbling」を披露して力強いサウンドで壮大な世界観を提示した。MAHがバットを振り回しながら歌った「BASEBALL BAT」、観客をその場で座らせて一斉にジャンプさせた「KiLLiNG ME」を畳み掛け、会場は興奮状態に包まれた。

UVERworld

TAKUYA∞(Vo / UVERworld)(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)

TAKUYA∞(Vo / UVERworld)(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)[拡大]

空の向こうに大きな雨雲が現れ、涼しい風が吹き始めてきた頃に「ワンチャンフェス」皆勤賞のUVERworldが登場。ライブが始まるなりハイテンションで袖から駆け出てきたTAKUYA∞(Vo)は、即ステージを降りて最前列の柵に上がり、観客の目の前で「Touch off」を熱唱する。「自分たちの持ち時間35分に今まで生きてきた人生すべてをぶつける」と宣言した彼は、「IMPACT」が始まると観覧エリアに突入。たった1人で2万5000人を相手にするように、シンガロングするオーディエンスに囲まれながら会場の真ん中で歌い上げた。「来鳥江」ではゲストとして山田孝之愛笑むfrom徳川eq.が登場するというサプライズも。ライブ終盤に入るとTAKUYA∞は「『今までやった曲全部好きじゃないわ』という人がいても、それでもけっこう。この曲さえあなたに届けば」と言って「EN」を歌い、会場を深い感動で満たした。そして彼らは最後に「Eye's Sentry」を披露し、熱い魂のステージを締めくくった。

WANIMA

熊本の県花・りんどうをバックに演奏するKENTA(Vo, B / WANIMA)(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)

熊本の県花・りんどうをバックに演奏するKENTA(Vo, B / WANIMA)(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)[拡大]

陽が暮れ始めて過ごしやすい気候になってきた頃、熊本の県花・りんどうが飾られたステージに姿を現したのはトリのWANIMA。KENTA(Vo, B)が「1年に1回のご褒美みたいな日にしよう!」と叫んでから、3人は感謝の思いが弾ける「THANX」を繰り出す。曲中ではKENTAによる「熊本ジャンプ! 熊本ジャンプ!」のかけ声で、客席前方エリアに留まらず、ステージから遥か遠くのエリアまで波打つ圧巻の光景が広がった。KENTAの「たった1人のお前に届けるチャンスをくれ!」という切実な前置きから演奏されたのは「眩光」。彼は強い眼差しで観客や空を見つめてソウルフルに歌い上げた。続く「Japanese Pride」では歌詞を「火の国の侍」や「熊本の侍」と歌い替えて地元愛を爆発させる。大いに盛り上がる観客を目にしたKENTAは「やっぱ熊本最高やね!」と笑顔を見せた。

KENTA(Vo, B / WANIMA)(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)

KENTA(Vo, B / WANIMA)(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)[拡大]

そしてWANIMAは8月14日にリリースしたばかりの新曲「Rolling Days」も披露。疾走感のあるサウンドに焦燥のにじむ歌詞を乗せ、バンドの最新のモードを提示した。アンコールでWANIMAは「りんどう」を穏やかに奏でて、カントリーパークはしっとりとしたムードに。ここでKENTAが「すみません、曲変えていいですか!」と切り出し、予定していた曲を変更して、3人は軽快なギターフレーズが印象的な「いいから」を演奏。先ほどまでのエモーショナルな雰囲気が一変し、客席エリアは再び熱狂の渦に包まれた。WANIMAはその勢いのまま「Hey Lady」を駆け抜けるようにハイテンションにプレイし、夕暮れと夜の狭間の心地いい気候の中で初日公演を終えた。なお、WANIMAの地元での大切なライブが終わるのを待っていたかのように、終演直後から空に稲妻が走り始めた。

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セットリスト

「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2024」2024年8月24日 熊本県農業公園カントリーパーク

PEOPLE 1

01. 新訳:スクール!!
02. 鈴々
03. 銃の部品
04. フロップニク
05. エッジワース・カイパーベルト
06. idiot
07. DOGLAND

ORANGE RANGE

01. 以心電信
02. ロコローション
03. 解放カーニバル
04. はい!もしもし… 夏です!-REFINISHED-
05. 上海ハニー
06. イケナイ太陽
07. キリキリマイ

[Alexandros]

01. Girl A
02. Waitress, Waitress!
03. Kick&Spin
04. いいから(オリジナル:WANIMA)
05. todayyyyy
06. ワタリドリ
07. 閃光

ゲスの極み乙女

01. ロマンスがありあまる
02. パラレルスペック
03. 猟奇的なキスを私にして
04. crying march
05. アソビ
06. はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした
07. キラーボール

SiM

01. Blah Blah Blah
02. Amy
03. T X H X C
04. The Rumbling
05. DO THE DANCE
06. BASEBALL BAT
07. KiLLiNG ME

UVERworld

01. Touch off
02. IMPACT
03. 来鳥江
04. PRAYING RUN
05. EN
06. THEORY
07. Eye's Sentry

WANIMA

01. THANX
02. BIG UP
03. 眩光
04. Japanese Pride
05. Rolling Days
06. オドルヨル
07. ともに
<アンコール>
08. りんどう
09. いいから
10. Hey Lady

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1CHANCE FESTIVAL @1CHANCE_FES

1CHANCE FESTIVAL 2024 DAY1 !!!!

#WANIMA #ワンチャンフェス https://t.co/Yi4oyconjw

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