「ワンチャンフェス」は2022年9月にWANIMAの地元・熊本を舞台に初開催された音楽フェス。4度目となる今回はこれまでに増してバラエティ豊かなアーティストが名を連ね、両日ともに約2万5000人が来場した。初日公演にはWANIMAのほか、初出演の
HANA
WANIMAとくまモンの開会宣言を経て、1組目に登場したのはちゃんみながプロデュースを手がけるガールズグループ・HANA。「What's up? 熊本!」とMOMOKAが叫び、クールなラップナンバー「Drop」でイベントの火蓋を切った。今年デビューを果たした実力者ぞろいの彼女たちは、すでに大型フェスや海外イベントのステージを経験していることもあり、新人とは思えない勢いで会場を巻き込み、マイクをつなぐごとに大歓声を浴びる。サマーチューン「Burning Flower」では歌詞の通りフロアがヒートアップした。ハイテンションで自己紹介したHANAは熊本の大歓迎に感謝を伝える。福岡出身のCHIKAは、父親とカラオケで一緒に歌う十八番がWANIMAの楽曲だと話し「熊本は地元のお隣ですし、本当にうれしいです!」と「ワンチャンフェス」出演への喜びを弾けさせた。切れ味抜群の「Tiger」に続き、甘酸っぱいラブソング「Blue Jeans」でさわやかな歌声を響かせ、心地よい風を会場に呼び込んだ彼女たち。その後、MOMOKAが9月8日にリリースする新曲「BAD LOVE」について「“最悪の愛”を描いた曲です。ぜひ聴いてくれたらうれしいです!」とアピールした。HANAは最後にデビュー曲「ROSE」を披露し、圧倒的な歌声と連帯感のあるダンスで大きなインパクトを残した。
氣志團
2番手は恒例の主催フェス「氣志團万博」を開催している氣志團。彼らが今年7月に行った主催ライブイベント「関西氣志團万博II」にはWANIMAも出演し、熱い競演を繰り広げた。そして間を置かずに今度は氣志團がWANIMAの主催フェスへ。そんな氣志團のパフォーマンスは、「Axel Call」でスタート。綾小路 翔(Vo)がバイクにまたがって登場し、エンジンを楽器のようにふかせて、観客の期待感を高める。そして氣志團は「喧嘩上等」や「萌え萌えROCK’N’ROLL」といった独特な振付が特徴の楽曲で、会場中の観客を巻き込んだ。MCでは綾小路が「『ワンチャンフェス』初登場の氣志團です! やっとやっと来ることができました! WANIMAちゃん、誘ってくれてありがとー! 熊本が好きすぎて1人で2日前から入ってます!」と熊本愛やこのフェスに懸ける意気込みをのぞかせる。さらに氣志團は代表曲の1つ「One Night Carnival」で会場に一体感を生み出した。綾小路が「WANIMAに憧れてる!」と叫んでから演奏し始めたのはWANIMAの楽曲「BIG UP」「THANX」と「One Night Carnival」をマッシュアップした「BIG UP Carnival, THANX」。ステージにWANIMAも乱入し、観客を大いに沸かせた。
go!go!vanillas
照りつける太陽のもと、疾走感あふれる「平成ペイン」で勢いよくライブを始めたのはgo!go!vanillas。柳沢進太郎(G)は「ロックンロールを聴かせに来ました! 呼んでくれてありがとうございます!」とWANIMAへの感謝を伝える。さらに「go!go! WANIMA!」などのコール&レスポンスで2万5000人の気合いを確かめてからダンサブルなナンバー「カウンターアクション」へとつなぎ、観客を飛び跳ねさせた。続いてテレビアニメ「SAKAMOTO DAYS」第2クールのエンディングテーマ「ダンデライオン」が披露され、心地いいサウンドに合わせて無数の腕が右へ左へと揺れた。大分出身で、自身をWANIMAと同じ“九州男児”だと語った牧達弥(Vo, G)は、2024年に実現したWANIMAとの対バンを「熱いロック魂をぶつけ合った」と回想。「呼んでもらったのは“パーティ”を期待されていると思うので。ここから踊っていけますかー!」と観客を焚き付けた。その言葉通り、バニラズは「エマ」「平安」「来来来」というアッパーチューンを連発。「平安」では牧が観客エリアへ降りて熱唱し、すさまじい熱気を生み出した。彼らのラストナンバーは「one shot kill」。まさに弾丸のようなタイトなビートに食らいつき全身全霊の演奏を繰り広げる、ライブバンドらしいステージで観客を圧倒した。
RIP SLYME
続いてステージに姿を現したのはこの日唯一のヒップホップアクトであるRIP SLYME。4月に5人体制での再集結を発表し、7月にはベストアルバム「GREATEST FIVE」をリリースした彼らは「STEPPER'S DELIGHT(2025ver.)」で軽やかに滑り出す。うだるような暑さの中、ヒットナンバー「楽園ベイベー」のイントロが鳴り出した瞬間、客席エリアから歓声が上がる。RIP SLYMEは「平和カンカン照りの日で」というこの日の天気にぴったりなリリックや、息の合ったマイクリレー、華麗なスクラッチで観客を楽しませた。RYO-Zが「改めて言わせてもらいます。RIP SLYME is back!」と高らかに宣言したのちにドロップしたのは、再始動後初のシングル「どON」。卓越したラップスキルやDJスキルが健在であることを証明するかのように5人は安定感のあるパフォーマンスを見せつけた。新曲「Wacha Wacha」を経て、RYO-Zが「今日は最後の最後のWANIMAまで、“熱帯夜”にしていきたいと思います!」と叫び、RIP SLYMEは「熱帯夜」、そして「JOINT」を連投。猛暑のカントリーパークをさらに熱くさせて次のアクトへとバトンをつないだ。
きゃりーぱみゅぱみゅ
きゃりーぱみゅぱみゅは今年7月に産後初のライブパフォーマンスを行い、ステージに復帰したばかり。ダンサー2人とともに登場すると「ワンチャンフェス、いくぞー!」と叫び、「ファッションモンスター」「PON PON PON」という人気曲を畳みかける。心地よいエレクトロサウンドが緑いっぱいのカントリーパークに響き渡り、ロックファンも家族連れも一様に手振りや手拍子でひとつになった。きゃりーは「こんにちはー! みんなで一緒に歌ったり踊ったり、楽しみましょう!」と挨拶し、ノンストップでステージを展開。「CANDY CANDY」で彼女らしいファンシーな世界観を構築したあとには、最新曲「KURU KURU HARAJUKU」でタオル回しを発生させ「いいねいいね! 高く回そうー!」と笑顔を輝かせる。「どどんぱ」ではジャンプしながら右へ、左へと観客を移動させ、フェスらしい壮観を生み出した。その後も絶え間なく観客を飛び跳ねさせたきゃりー。最後はステージを広く使って「つけまつける」を歌唱し、キャッチーなダンスで会場中に笑顔を広げた。そして「こんなに楽しいフェスに呼んでくれて、WANIMAさんありがとー! サイコー!」と感謝を伝えた。
MONGOL800
「ワンチャンフェス」皆勤賞のMONGOL800は同フェスのオフィシャルグッズのタオルを掲げながら登場。まず人気曲「あなたに」を演奏し、アップテンポなリズムや抜群の歌唱力で一気に観客の心をつかむ。続くナンバーは井上陽水「少年時代」のカバー。モンパチらしいメロディックパンク調のアレンジで、しっとりとした原曲とはひと味違う魅力を打ち出した。MCでキヨサク(Vo, B)は「まさかの皆勤賞でございます! いつもいつもWANIMA呼んでくれてありがとう!」とうれしそうな表情を浮かべる。その後、モンパチのライブのエンタテイメント性を高めるおなじみのダンサー・粒マスタード安次嶺が加わり、「OKINAWA CALLING」を披露。ステージにはくまモンも登場し、粒とともにエネルギッシュなダンスを繰り広げた。さらにカバーは1曲だけにとどまらず、沖縄県出身のモンパチは同郷の安室奈美恵の楽曲「TRY ME ~私を信じて~」もカバーし迫力のあるサウンドを鳴らした。そして「小さな恋のうた」では氣志團の綾小路が飛び入り参加する場面も。モンパチは最後に「DON'T WORRY BE HAPPY」会場にピースフルな余韻を残してトリのWANIMAへとつないだ。
WANIMA
日が暮れ始め暑さが和らいだ頃、満を持してWANIMAのKENTA(Vo, B)、KO-SHIN(G, Cho)、FUJI(Dr, Cho)が登場。KO-SHINは上裸で仕上がった肉体美を見せつけ喝采を浴びる。「1日楽しかったやつー!? 俺はもう十分楽しんだからあとはみんながめちゃくちゃ楽しむだけ」とKENTAが叫ぶと、彼らは「シグナル」でエネルギッシュにライブを開始。さっそくフロアに大合唱とクラウドサーファーを発生させた。「熊本に俺の大好きなアーティスト連れてきたぞー!」とKENTAは今日1日を楽しげに振り返り「次の曲、“ともに”歌ってもらっていいですか? ひとつになろう!」と「ともに」をタイトルコール。会場中を指差しながら思いをまっすぐ届けるように歌い上げ、「今この会場、愛にあふれとる」と破顔した。
続いてサポートの“へいへい”こと宗本康兵(Key)を迎え、WANIMAは最新EP「Off-Leash」より、はかない夏の物語を歌う情熱的な最新曲「トビウオ」を熱演。凶暴性を帯びたサウンドの「Matatabi」では、すさまじいシャウトを轟かせた。初日終了が近付き、KENTAはファンに向けて言葉を紡ぐ。「フェスをやる理由は、熊本にお前らがおるから! お前がつらいときに、年に1回このフェスがあることを忘れないで。俺はそれで奮い立っとるよ!」と熱いメッセージを贈った。そしてWANIMAはこの季節にぴったりの「夏暁」を届け、ステージをあとにした。さらに、アンコールに応えたWANIMAはKENTAの「今の思いを伝えたい」という言葉から最新曲「MIYASHITA」と、熊本弁を取り入れた「Do Gang」をパフォーマンス。ラストに、この日出演したアーティストたちもステージに集結しキラーチューン「BIG UP」が披露され、カオティックなステージで「ワンチャンフェス」1日目はフィナーレを迎えた。
セットリスト
「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025」2025年9月6日 熊本県農業公園カントリーパーク
HANA
01. Drop
02. Burning Flower
03. Tiger
04. Blue Jeans
05. ROSE
氣志團
01. Axel Call
02. 喧嘩上等
03. 房総魂
04. スウィンギン・ニッポン
05. 萌え萌えROCK’N’ROLL
06. 友よ
07. One Night Carnival
08. BIG UP Carnival, THANX
09. ジャンボリーカーニバル
go!go!vanillas
01. 平成ペイン
02. カウンターアクション
03. ダンデライオン
04. エマ
05. 平安
06. 来来来
07. one shot kill
RIP SLYME
01. STEPPER'S DELIGHT(2025ver.)
02. Super Shooter
03. 楽園ベイベー
04. どON
05. FUNKASTIC
06. JUMP
07. Wacha Wacha
08. 熱帯夜
09. JOINT
きゃりーぱみゅぱみゅ
01. DE.BA.YA.SHI.2025
02. ファッションモンスター
03. PON PON PON
04. CANDY CANDY
05. KURU KURU HARAJUKU
06. どどんぱ
07. にんじゃりばんばん
08. 原宿いやほい
09. つけまつける
MONGOL800
01. あなたに
02. 少年時代(オリジナル:井上陽水)
03. OKINAWA CALLING
04. TRY ME ~私を信じて~(オリジナル:安室奈美恵)
05. 小さな恋のうた
06. DON'T WORRY BE HAPPY
WANIMA
01. シグナル
02. 爛々ラプソディ
03. ともに
04. トビウオ
05. りんどう
06. Matatabi
07. いいから
08. 夏暁
09. MIYASHITA
10. Do Gang
11. BIG UP
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