玉井詩織、重い腰を上げてついにソロコン
玉井が初めてソロ楽曲を歌ったのは、2011年4月10日の東京・中野サンプラザホール公演「4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事~眩しさの中に君がいた~」でのこと。各メンバーのソロコーナーで書き下ろしのオリジナルナンバー「…愛ですか?」を歌い、さらに翌2012年4月の「ももクロ春の一大事2012 横浜アリーナまさかの2DAYS」では2曲目のソロナンバー「涙目のアリス」も誕生した。その後、ももクロ各メンバーのソロ活動が活発になる中でも玉井はソロでの動きに消極的だったが、2023年1月に突如ソロプロジェクト「SHIORI TAMAI 12 Colors」を始動。12カ月連続でオリジナル楽曲を配信リリースするという積極的な活動でタマノフ(玉井ファンの呼称)を驚かせた。そして昨年12月には「1年を通してソロ曲を歌ってきて直接皆さんにお届けできる場があったらなという思いがありまして、ようやくです、重い腰を上げました(笑)」と、ソロコンサートの開催を発表。ついに実現したソロのステージで、玉井は各日2時間を超える色とりどりのパフォーマンスを披露した。
ギター、ダンス、早着替え……色とりどりの「いろいろ」なステージ
「SHIORI ture」と題されたオープニングSEに乗せ、ステージを覆う紗幕には白いフードを被った玉井の姿が映し出される。そして「HAPPY-END」のイントロが鳴ると、紗幕の向こうには白いエレキギターを手にした玉井の姿が。オルタナバンドの新鋭・鋭児の及川千春(G)、藤田聖史(Syn)、市原太郎(Dr)、ももクロのライブでおなじみ宗本康兵(Key)、やまもとひかる(B)、加藤いづみ(Cho)の演奏をバックに、玉井はギターをかき鳴らしながら歌う。続いて披露された「ROCK THE BOAT」はももクロのナンバー。黒いフラッグを持った4人のダンサーを従えた玉井は、クールなダンスパフォーマンスで観客の視線を惹き付けた。
「皆さん、『いろいろ』へようこそ!」と満員の客席に向かって元気に挨拶した玉井は、間髪をいれず次の楽曲へ。ソロプロジェクトの幕開けを飾った楽曲「暁」だ。ギター演奏、ダンスパフォーマンスと序盤からにぎやかなパフォーマンスを展開した玉井だったが、「暁」ではステージ中央にまっすぐと立ち歌に集中。続く「日常」ではアコースティックギターを弾きながら澄んだ歌声を響かせた。ステージの背面に設置された丸い大きなオブジェには楽曲に合わせてさまざまな映像やカラフルな照明が投影される。「日常」では丸いオブジェが地球をイメージさせる青に染まり、楽曲にドラマチックな色を添えた。
コアラモード.提供の疾走感あふれる8ビートロック「泣くな向日葵」、ももクロのナンバー「孤独の中で鳴るBeatっ!」、miwa提供のサマーチューン「マリンブルー」と、中盤はさわやかな楽曲が並ぶ。合計7曲を終えたところで玉井は一旦ステージの外へ。幕間の映像では、玉井がピンクの壁にブルーのペンキを塗り、スプレーやハケを使って豪快に絵を描き上げていく。夜景を思わせる絵ができあがったところでステージが明転すると、そこにはペンキで青く染まった白い衣装にチェンジした玉井と4人のダンサーが。玉井はヘッドセットマイクで激しいダンスを踊りながら「Another World」を披露した。「Eyes on me」ではヒールを両手に持ってダンスし、ステージ上で緑のジャケットに早着替え。さらにピンクのジャケットにチェンジした玉井は「Spicy Girl」で巨大な三角形のオブジェを使った立体的なパフォーマンスでダンサーたちと息の合ったフォーメーションを見せる。曲中にはバズーカを使ってプレゼントを発射し、会場のタマノフを歓喜させた。
自作詞ナンバーでピアノ演奏、亀田誠治をゲストに迎えてサックス披露
再び幕間映像が挟まれ、玉井は先ほどの夜景を思わせる絵を白いペンキで雑多に塗りつぶしていく。白でリセットされたキャンバスに、今度はライトイエローの丸を塗り重ねていく玉井。満月のような絵ができあがったところでステージ中央にピンスポットが当たり、白いグランドピアノで「Sepia」のイントロを奏でる玉井の白いドレス姿に、場内は大きくどよめいた。「Sepia」は玉井が自ら作詞したバラードソング。ステージ背面の丸いオブジェが月のように浮かび、そこに手書きの歌詞が映される。続く志磨遼平(ドレスコーズ)提供の「宝石」も玉井はピアノを弾きながら歌い上げ、場内は拍手喝采。すると玉井はピアノを離れ、ももクロのナンバー「天国のでたらめ」を歌いながら軽やかなダンスでドレススカートをひるがえした。大歓声に包まれる中、玉井はここでようやくMCへ。「1人で何をしゃべったらいいんだろう」と初のソロコンに戸惑いつつも、日本全国、さらには中国や韓国といった海外から会場に足を運んだタマノフとのフランクな交流を楽しんだ。
「メンバーの中で唯一ソロコンをやってこなかったんですけど、去年、月に1回新曲を出すというぜいたくなプロジェクトをやらせていただきまして。先に写真を撮って、その写真と色をテーマにいろんな方に曲を作ってくださいとお願いして12曲を作っていただきまして……こんなに曲があるならソロコンもできるんじゃないか?と思って開催に至りました」とソロコン実現の経緯を話した玉井。ここまですでに6パターン登場している衣装についても思い入れを明かし、グループのライブでは難しい短いスパンでの衣装替えができるのはソロコンならでは、とソロの醍醐味を噛み締めた。
ライブ後半には、「SHIORI TAMAI 12 Colors」に楽曲提供者として参加した音楽プロデューサー・
盛大な「しおりん!」コール、最後は「涙目のアリス」
ホール中にこだまする盛大な「しおりん!」コールを受け、玉井はアコースティックギターを手に1人で再度ステージへ。「初めて私がソロでいただいた曲を……」と、ギター1本の弾き語りで「…愛ですか?」を披露した。玉井は改めてバンドメンバーを呼び込むと、本編最後に歌った「Shape」の作者である及川と鋭児のメンバーを紹介。また、この日客席にいた「Shape」の振付担当・shoji(s**t kingz)にもお礼を伝えた。おなじみのバンドメンバーとダンサーたちを紹介したところで、玉井は「今日はお集まりの皆さんにお知らせがあります」と、1stソロアルバム「colorS」が29歳の誕生日を迎える6月4日に発売されること、この日のステージの模様を収めたライブBlu-rayが6月中にリリース予定であることを報告。「ソロコンは最初で最後かもしれないですからね」という玉井の発言に「えー」と不満の声が上がるも、玉井は「今のところめちゃくちゃ楽しんでます」と次への期待を募らせた。
「このライブのコンセプトにぴったりなももクロ曲を」と、ももクロのナンバー「モノクロデッサン -ZZ ver.-」をバンドとともに演奏した玉井。おなじみ「走れ! -ZZ ver.-」ではすべてのコールが「しおりん!」へと変わり、場内は黄色のペンライトで染まる。華やかに金テープが放たれ大団円ムードの中、玉井が最後に歌ったのは、松原みき「真夜中のドア~Stay With Me」をはじめとする名曲の数々を作り上げてきたヒットメイカー・林哲司が2013年に玉井に提供した早すぎるシティポップリバイバル「涙目のアリス」。合計21曲、2時間超えのステージは華やかに幕を下ろした。
玉井詩織 1stソロアルバム『colorS』特報ムービー
セットリスト
玉井詩織ソロコンサート「いろいろ」DAY2 2024年3月3日 東京国際フォーラム
01. SHIORI ture
02. HAPPY-END
03. ROCK THE BOAT
04. 暁
05. 日常
06. 泣くな向日葵
07. 孤独の中で鳴るBeatっ!
08. マリンブルー
09. Another World
10. Eyes on me
11. Spicy Girl
12. Sepia
13. 宝石
14. 天国のでたらめ
15. We Stand Alone
16. ベルベットの森
17. Shape
<アンコール>
18. ...愛ですか?
19. モノクロデッサン -ZZ ver.-
20. 走れ! -ZZ ver.-
21. 涙目のアリス
玉井詩織「colorS」収録内容
CD(初回限定盤 / 通常盤共通)
01. 暁
02. Another World
03. 日常
04. Eyes on me
05. Spicy Girl
06. 泣くな向日葵
07. HAPPY-END
08. マリンブルー
09. Sepia
10. 宝石
11. ベルベットの森
12. We Stand Alone
13. Shape
14. 【Bonus Track】
15. 【Bonus Track】
16. 【Bonus Track】
DISC2(初回限定盤のみ)
・ソロコンサート「いろいろ」(Live at 東京国際フォーラムA LIVE CD Part1)
DISC3(初回限定盤のみ)
・ソロコンサート「いろいろ」(Live at 東京国際フォーラムA LIVE CD Part2)
Blu-ray(初回限定盤のみ)
・「colorS」 Making Video + Music Videos(内容未定)
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まさよし隊員💋🐶💜@ @dorimasayoshi
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