とた初ワンマン、TikTokを席巻したあの曲で大団円

とたのワンマンライブ「bloomin'」が10月24日に東京・WWWで開催された。

とたは2000年代生まれのベッドルームアーティスト。2月に配信リリースされた楽曲「紡ぐ」はShazam Discovery JapanチャートとUSEN HIT SNSランキングで1位を獲得し、TikTokとInstagramで同曲を使った投稿動画の総再生数は6億回を突破している。今回の「bloomin'」は、とたにとって初のワンマンライブとなった。

照明が落ちて場内が静まり返ると、とたが袖から歩いて登場。キーボードの前に腰かけ、傍らに置かれたフロアライトの紐を引き、オレンジがかった明かりを灯す。彼女は弾き語りで「薔薇の花（bloomin'）」を届けたのち、ギターを提げてバックバンドとともに「君ニ詠ム。」を披露。「ブルーハワイ」が始まるとステージは水色に照らされ、さわやかな8ビートと観客の手拍子が混ざり合った。

“花が咲く”という意味を持つライブタイトル「bloomin'」についてとたは「花に水をやるみたいに音楽が流れて、明日からの生活につながるものがあったらいいなと思っています」とコメント。昨年12月に2週連続でリリースされた「こうかいのさき」「せーかいせかい」を立て続けに演奏し、ワルツ調の最新曲「コワレモノ」では憂いを帯びた歌声を響かせた。ミラーボールが回り始めると「リリースしてない曲やります！ 好きに踊ってください」というとたの言葉を合図に、メロウなダンスナンバー「押して」がスタート。とたはギターを下ろして体を揺らし、続いてキーボードの弾き語りで「右手のネイル」を届ける。彼女が電車に揺られながら作ったという楽曲「カメラロール」では、2声のハーモニーが切なげにこだました。

この日のラストを飾ったのは代表曲「紡ぐ」。とたの名前を世に知らしめた「空が泣く あなたが笑えるように」という壮大なフレーズが、情感たっぷりに響き渡る。全12曲を歌い終えたとたはフロアライトの明かりを消し、ステージをあとにする。スクリーンにエンドロールが映し出され、観客は静かに日常へと戻っていった。