ROTH BART BARONが真夏の野音であげた祝祭、アジカン後藤やAFOC佐々木を迎え歓喜のセッション

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ROTH BART BARONのライブイベント「BEAR NIGHT 4」が7月16日に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で開催された。「BEAR NIGHT」はさまざまなゲストを迎えてROTH BART BARONがライブをする、2016年から不定期で行われているイベント。今回は後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、佐々木亮介(a flood of circleTHE KEBABS)、そしてタイ・バンコクのインディーシーンで人気のバンド、Safeplanetがライブに参加した。

終演後にゲストたちとともに全員で挨拶。(Photo by Daiki Miura)

終演後にゲストたちとともに全員で挨拶。(Photo by Daiki Miura)

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水野蒼生(Photo by Daiki Miura)

水野蒼生(Photo by Daiki Miura)[拡大]

最高気温が35℃を超える酷暑となったこの日、まずはオープニングアクトのSafeplanetがドリーミーなサウンドで来場者を迎え、クラシカルDJの水野蒼生が高揚感あるクラシックを晴天に轟かせた。そして水野のDJでラストチューン「亡き王女のためのパヴァーヌ」のピアノが流れたのち、ROTH BART BARONが1曲目「HAKU」の演奏を開始すると、それまでの強い日差しが落ち着いて気温がぐっと下がり、三船雅也の心地いい歌声も相まって、客席にはそよ風が吹くような清涼感がもたらされた。2曲目「氷河期#1(The Ice Age)」が始まると、楽曲の持つ冬のイメージと、会場を包むような蝉の鳴き声が不思議なコントラストを織りなしていた。

ROTH BART BARON(Photo by Daiki Miura)

ROTH BART BARON(Photo by Daiki Miura)[拡大]

この日のROTH BART BARONは、通常のバンドメンバーに加えてRyu(Cho, Key / Ryu Matsuyama)、KOTETSU(Cho)、エミリオ・ブナニ(Vibraphone, Per)、北島優一(G)が参加し、コーラスと歌に特化した「歌うロット」をテーマにしたパフォーマンスを展開。讃美歌のような重厚なコーラスを青空に響かせ、まるでオーディエンスも演奏に参加しているかのように時折客席からハンドクラップが沸き起こった。ちょうど「赤と青」で「夜の世界が とても雄弁ですから」と歌い始めたあたりからゆっくりと日が落ち始め、野音も少しずつ夜の世界に。その雰囲気に合わせるようにメロウな「糸の惑星」を歌った三船は、続けてモニタースピーカーに腰掛けると、北島優一の奏でるアコースティックギターとともに「春と灰」を披露した。

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)(Photo by Daiki Miura)

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)(Photo by Daiki Miura)[拡大]

最初のゲストとしてステージに呼び込まれたのは後藤正文。ギターを持った彼はおだやかなバンドの演奏とともに、Gotch名義のソロ曲「Farewell, My Boy」を優しく歌った。その後「この曲やりたかったんだよね」と三船が言って、同じくGotchのソロ曲「The Age」に突入。ゴスペルのようなコーラスと演奏をバックに、三船と後藤はハンドマイクでゆらゆらと揺れながら歌い、三船がラップをするというレアな状況に観客が沸いていた。さらに後藤をステージに残したまま「極彩 | I G L (S)」のイントロが流れ出し、客席からは驚きの声が。透き通ったボーカルで「祝祭が見たいんだ」と歌い、真夏の野音に“祝祭”を作り出した2人は、曲が終わると抱き合って互いを讃えた。後藤が去ったあとで三船は「一緒にステージに立ちたかったんだよね。夢が叶いました。ありがとう」と感慨深げに語り、客席から沸く絶賛の声に「褒められ慣れてなくて……」と照れ笑いを浮かべていた。

手前が佐々木亮介(a flood of circle、THE KEBABS)。(Photo by Daiki Miura)

手前が佐々木亮介(a flood of circle、THE KEBABS)。(Photo by Daiki Miura)[拡大]

2人目のゲストは、三船を共同プロデューサーに迎えた4曲が収録されているソロアルバム「RAINBOW PIZZA」を2019年に発表した佐々木亮介。彼はこのアルバムのラストに収録された「We Alright」でトラップ調のメロディをブルージーに歌い、三船とは違った個性のボーカルでROTH BART BARONの新たな一面を見せた。続いて披露された疾走感あふれるロックチューン「春の嵐」も、佐々木のエモーショナルな歌声が加わることでよりパワフルに変貌。曲の中盤で佐々木はa flood of circleの同名曲「春の嵐」をマッシュアップするように歌い、彼の熱いシャウトも相まって会場はこの日一番の盛り上がりとなった。最後に登場したゲストは、オープニングアクトとしてもライブを行ったSafeplanet。2019年に彼らが来日した際に競演し意気投合したという三船は、一緒に作ったというポップな新曲をコラボで初披露した。

ROTH BART BARON(Photo by Daiki Miura)

ROTH BART BARON(Photo by Daiki Miura)[拡大]

あたりはすっかり暗くなり、会場はますますROTH BART BARONらしい幻想的な雰囲気に。バンドの演奏が徐々に熱を帯びていく「SPEAK SILENCE」を皮切りにライブは終盤戦に突入し、本編は「氷河期 #3」の美しいコーラスで締めくくられた。

「BEAR NIGHT 4」の様子。(Photo by Daiki Miura)

「BEAR NIGHT 4」の様子。(Photo by Daiki Miura)[拡大]

アンコールを受けてバンドが再びステージに戻ると、三船は「レギュラーになるよりも、1回の伝説を作る」と宣言して「GREAT ESCAPE」でライブを再開。彼は日比谷野音が施設の老朽化のため2024年度以降に建て替えられることに言及し、「この景色で、都会のど真ん中で木に囲まれてライブをするのは最後なのかなって、後半になるにつれて気持ちが込み上げてきました」と感慨深げに語り、来場者に感謝の気持ちを送っていた。そして彼は秋にニューアルバムをリリースし、同作を携えて全国ツアーを行うことを告知。バンドメンバーとともにアカペラで合唱した「アルミニウム」を経て、三船の「最後に一緒に歌おうぜ」という呼びかけから「鳳と凰」がスタート。オーディエンスも交えた壮大なシンガロングが会場いっぱいに広がり、コロナ禍がひと段落した今だからこその「歌うロット」をテーマにしたライブは、幸せな空気が降り注ぐ中でエンディングを迎えた。

「BEAR NIGHT 4」2023年7月16日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)セットリスト

01. HAKU
02. 氷河期 #1
03. Innocence
04. JUMP
05. Homecoming
06. ONI
07. 赤と青
08. 糸の惑星
09. 春と灰
10. Farewell, My Boy feat. 後藤正文
11. The Age feat. 後藤正文
12. 極彩|IGL(S) feat. 後藤正文
13. We Alright feat. 佐々木亮介
14. 春の嵐 feat. 佐々木亮介
15. 新曲(※タイトル未定)feat. Safeplanet
16. SPEAK SILENCE
17. HOWL
18. iki
19. 氷河期 #3 -24eyes-
<アンコール>
20. GREAT ESCAPE
21. アルミニウム
22. 鳳と凰

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ROTH BART BARON TOUR 2023-2024(※タイトル未定)

2023年11月4日(土)宮城県 darwin
2023年11月12日(日)京都府 METRO
2023年11月18日(土)石川県 DOUBLE
2023年11月19日(日)静岡県 space-K
2023年11月21日(火)東京都 ADRIFT
2024年2月4日(日)愛知県 THE BOTTOM LINE
2024年2月11日(日)熊本県 早川倉庫
2024年2月12日(月・祝) 福岡県 BEAT STATION
2024年2月18日(日)大阪府 BIGCAT
2024年3月1日(金)北海道 cube garden
2024年3月2日(土)北海道 モエレ沼公園 ガラスのピラミッド
2024年3月3日(日)北海道 モエレ沼公園 ガラスのピラミッド(※三船ソロ)
2024年3月17日(日)東京都 Spotify O-EAST

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