私立恵比寿中学、10人体制初ツアーで見せた“ebism” ゴールテープは目標の地で

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私立恵比寿中学のライブツアー「私立恵比寿中学 spring tour 2023~100%ebism~」のファイナル公演が7月16日に神奈川・パシフィコ横浜で開催された。

「私立恵比寿中学 spring tour 2023~100%ebism~」最終公演の様子。

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開演直前、カメラの前でスタンバイする真山りか。

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私立恵比寿中学

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向かい合って歌う安本彩花(左)と星名美怜(右)。

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「100%ebism」は、エビ中が真山りか、安本彩花、星名美怜、小林歌穂、中山莉子、桜木心菜、小久保柚乃、風見和香、そして2022年秋に加入した桜井えま、仲村悠菜の10人体制になって初めて開催したライブツアー。開演前には、ステージ両サイドにあるスクリーンに各メンバーによるテレビCM風の春ツアーグッズ宣伝ムービーが映し出され、ユーモアを交えつつエビ中らしい和やかな空気が場内に漂っていた。ユニークな広告が流れ終わると、束の間の静寂が会場内を包み込み、開演と同時にスクリーンにステージ裏側の様子が生中継で映し出される。エビ中メンバーはカメラの前で円陣を組み「今日はー?」「ファイナル!」「We are エビ中! 1曲入魂! エビ中、ファイト!!」と掛け声を交わしたのち、ステージ上に設置された螺旋階段のようなセットの上に登場。順にスポットライトを浴びながら客席のエビ中ファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)を煽った10人は、星名のハイトーンボイスが象徴的なナンバー「PANDORA」でライブをスタートさせ、続けてロックナンバー「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」「HOT UP!!!」を歌唱した。彼女たちの勢いあるパフォーマンスに呼応するようにエビ中ファミリーは盛大なコールを響かせ、開幕早々、場内に熱気が渦巻いた。

私立恵比寿中学

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会場に集まったエビ中ファミリー、そして配信カメラの向こうにいる視聴者に向けて笑顔で挨拶をしたメンバーは、トークもそこそこに次のブロックへ。「ここにいるみんなで準備体操をしていきましょう! 声をひとつに合わせてやりますよ!」という星名の呼びかけを合図に、観客を巻き込んで「エビ中!」とコール&レスポンスを繰り広げつつ準備体操を行った。体を大きく伸ばした彼女たちは「パクチー」、続けて「金八DANCEMUSIC」を高らかに歌い上げる。「金八DANCEMUSIC」のパフォーマンス中には2024年1月6、7日に神奈川・ぴあアリーナMMで“大学芸会”が行われることがアナウンスされ、仲村は喜びの声を上げる観客に「ぴあアリーナMMは今日のパシフィコ横浜からすぐそこにあるので、皆さんぜひ来てください!」と語りかけた。「次はダンスタイムでーす!」という宣言を経て披露されたのは、ソロダンスやフォーメーションダンスを交じえたパフォーマンス。そのまま「オメカシ・フィーバー」を歌った10人は、続けて新曲「ジブンアップデート」を艶やかに披露した。

ガチガチに固めた前髪をアピールする小久保柚乃。

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私立恵比寿中学

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ハードなダンストラック「参枚目のタフガキ」を力強く歌ったあと、エビ中は勢いよく展開してきたここまでのライブを振り返る。真山が自身の前髪が汗でバラバラになってしまったと話すと、小久保は「今日の柚乃の前髪きれいじゃないですか? スプレーでガチガチに固めてるんです」と“アイドル前髪”が保たれていることをアピール。真山の「いいね、前髪の毛量分けてほしい」という感想を、小久保は「あはは」と愛想笑いでスルーし、そのテンポ感に客席から笑い声が起こった。その後、中山に「とびっきりかわいくお願いします!」と頼まれた桜井による曲振りから、10人はポップなナンバー「kyo-do?」をパフォーマンス。そして中山を除く9人が一旦ステージをあとにした。

モニターくんと対話する中山莉子。

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園児の安本彩花、小学生の真山りか、中学生の星名美怜(左から)。

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1人ステージに残された中山は、本ツアーで恒例となっていた“モニターくん”とコミュニケーションを取るべく、会場のファンとともに「モニターくん!」とステージ後方のモニタに向かって声をかける。モニターくんが浮かべた文章にハツラツと言葉を返していた中山は、「ファイナルも最高に盛り上げてください!」という振りを受けて、自身の自己紹介“りこ三三七拍子”をパワフルに披露。そのあとはステージに登場した桜木と桜井とともに「きゅるん」を歌い、ユニットコーナーへとつなげた。続いてステージには小学生、幼稚園児、中学生の制服に身を包んだ真山、安本、星名が姿を現す。この3人が歌唱したのは「熟女になっても」。曲中に“今日の宿題”として安本が「大好きを伝えるためのひと言」を発表するなど、3人はコミカルなやり取りを織り交ぜながらこの曲を届けた。ユニットコーナーのラストを飾ったのは、小林、小久保、風見、仲村。4人は「I'm your MANAGER!!!」を歌い、最後は客席に向けて「がんばれー!」と手を振った。

「私立恵比寿中学 spring tour 2023~100%ebism~」最終公演の様子。

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横1列に並んだメンバーは、約4カ月におよんだツアーの思い出を口々に語り始める。真山と星名が、沖縄公演をウイルス性胃腸炎で欠席した小林のために「GO-YA-BOYS」とプリントされたTシャツを土産に買ってきたことを話すと、安本は「なんかわかんないけど一番ダサそうだよね」と率直にコメント。小林は「私の心にドンピシャでかわいいよ!」と反論し、ファイナル公演にも私服として着てきたことをアピールした。和気あいあいとしたムードでトークを締めくくった10人は、ツアータイトルを模した光るオブジェをバックに“春ツアーメドレーコーナー”へ。「ちちんぷい」「チャイム!」「仮契約のシンデレラ」など計9曲をメドレー形式でパフォーマンスするエビ中に対し、ファミリーは各楽曲に合わせてコールやクラップを響かせ、このコーナーを大いに楽しんだ。

仲村悠菜

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「シンガロン・シンガソン」を弾けるように歌い、メドレーコーナーを終えたエビ中は、再び沖縄公演の際のエピソードを披露する。仲村が「那覇空港で携帯なくしました……」と切り出すと、星名は仲村の携帯紛失騒動について「いいことをしたのに悪い人みたいになっちゃった桜木心菜がいる」と、あらましをかいつまんで説明。仲村が土産屋に忘れた携帯を見つけて拾っていたという桜木は、「(仲村の携帯を)カバンに入れた瞬間に私は記憶を失いました!」と、手元にその携帯を保管したままにしてハプニング化させていたことを明かした。沖縄公演を欠席し、一連の流れをファンとともに初めて聞いた小林は「お土産話を聞いた感想はやべえ! やべえ! やべえ!だね」と、騒動をざっくりとまとめた。

私立恵比寿中学

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「道連れしちゃうぞ」と決めゼリフを放つ桜木心菜。

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「ebismの世界を堪能してください」という真山の曲振りからスタートしたのは「禁断のカルマ」。先ほどまでののんびりとした雰囲気から一転、好戦的にこの曲をパフォーマンスした10人は、続いてステージセットから伸びる鎖に右手首をつないだ状態で「バタフライエフェクト」を歌唱した。風見の「皆さん自分を解き放って! もっともっと自由になって! 最後の最後まで盛り上がっていきましょう!」という声を機に、鎖から放たれたメンバーは、エビ中のレパートリーとして定着している椎名林檎「自由へ道連れ」のカバーを高らかに歌い上げる。そして「Bang Bang Beat」、間髪をいれずにポップな新曲「はみだせGirls」を届け、ラストはスモークが噴出する中、アッパーチューン「イート・ザ・大目玉」をアグレッシブに披露してステージをあとにした。

「なないろ」を歌うエビ中。

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「ボイジャー」を歌うエビ中。

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アンコールを求める歓声に応えて、大きなつけ襟でアレンジしたツアーTシャツに着替えたメンバーが再度ステージに登場。「ハイタテキ!」で勢いのあるパフォーマンスを見せたあとは、公演ごとに歌唱曲が変わる“セトリガチャ”コーナーへ。ファイナル公演で披露されたのは「なないろ」。メンバーが歌い出した瞬間、客席のエビ中ファミリーは手に持ったペンライトを即座に青色にチェンジする。10人は瞬く間に染まった“青空”をまっすぐに見据え、柔らかな歌声を響かせた。思い出の詰まったこの曲を歌い終えたメンバーは、顔を見合わせて頷き合う。真山は「10人で歩き出した感じがしますよね」と語り、星名も「新しい形もね、またより好きになっていただけたらうれしいです」と笑顔を浮かべた。安本は、ツアーの各会場に設置されていた横断幕に触れ、「次に歌う曲は、皆さんがツアーを通して残してくれたたくさんのメッセージとともに歌いたいと思います」と会場に呼びかける。そして、エビ中ファミリーが横断幕にそれぞれの思いを書き込むシーンがステージ後方のスクリーンに流れる中、10人は「ボイジャー」を伸び伸びと歌い上げた。

メッセージをつなぎ合わせた横断幕。

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「私立恵比寿中学 spring tour 2023~100%ebism~」最終公演の様子。

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メンバーは、スタッフによってステージに運び込まれた各地での横断幕を1つにつなげた幕を手に、改めて客席へ向き直る。星名は「この横断幕を、ツアーのゴールテープとして切ろう!と話していたんですけど……ここで切るのは違うんじゃないかなと思っています。私立恵比寿中学が10人になって立てた目標は『さいたまスーパーアリーナに再び立つ』こと。私たちは、皆さんの思いを受け取って、来るべく日が来たらこのゴールテープを切りたいなと思います!」と思いを伝え、「その日までこのゴールテープを大切に預かっていていいですか? その日まで応援してくれますか?」と客席に問いかけた。歓声を受け止めた真山は「私たちは、さいたまスーパーアリーナへ行くことを夢物語だと思ってないです。ツアーを通して生まれた自信を確信に変えるために、次のステージへと一生懸命がんばっていきたいと思います。誰1人取りこぼさないで、私たちはみんなをさいたまスーパーアリーナに連れて行きます」と宣言。安本は、エビ中の変わらない魅力は「変わり続けることをやめない」ことだと述べ、「今の私立恵比寿中学が最強だと言い続けたいと思います。私たちはさいたまスーパーアリーナに立つまで、絶対負けない!」と声を張る。そして10人は最後に「涙は似合わない」を力強く歌唱した。メンバーを代表し、真山は「何度もライブに足を運びたくなるアイドル、それが私立恵比寿中学の魅力であり、私たちの“ebism”なんじゃないかなと思います」とコメント。10人は熱気に満ちあふれる中、晴れやかな表情で春ツアーの幕を下ろした。

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私立恵比寿中学「私立恵比寿中学 spring tour 2023~100%ebism~」2023年7月16日 パシフィコ横浜公演 セットリスト

01. PANDORA
02. 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
03. HOT UP!!!
04. パクチー
05. 金八DANCE MUSIC
06. オメカシ・フィーバー
07. ジブンアップデート
08. 参枚目のタフガキ
09. kyo-do?
10. きゅるん
11. 熟女になっても
12. I'm your MANAGER!!!
13. メドレー(ちちんぷい~Lon de Don~春休みモラトリアム中学生~チャイム!~藍色のMonday~イヤフォン・ライオット~ラブリースマイリーベイビー~仮契約のシンデレラ~シンガロン・シンガソン)
14. 禁断のカルマ
15. バタフライエフェクト
16. 自由へ道連れ
17. Bang Bang Beat
18. はみだせGirls
19. イート・ザ・大目玉
<アンコール>
20. ハイタテキ!
21. なないろ
22. ボイジャー
23. 涙は似合わない

私立恵比寿中学 大学芸会

2024年1月6日(土)神奈川県 ぴあアリーナMM
2024年1月7日(日)神奈川県 ぴあアリーナMM

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※記事初出時、キャプションの名前に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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