私立恵比寿中学15周年、過去最多1万5000人が10年ぶりSSAに集結「ずっと皆さんを幸せにします!」

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私立恵比寿中学の結成15周年を記念したワンマンライブ「私立恵比寿中学 15th Anniversary 大学芸会2025~LOVE&BRAVE~」が、3月20日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された。

「私立恵比寿中学 15th Anniversary 大学芸会2025~LOVE&BRAVE~」の様子。

「私立恵比寿中学 15th Anniversary 大学芸会2025~LOVE&BRAVE~」の様子。

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あれから10年「あいつの分もがんばる」誓い

ライブ直前、元気いっぱいの私立恵比寿中学。

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1万5000人が集ったさいたまスーパーアリーナ。

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えびちゅうは2013年12月、当時の日本人アーティストでは最速記録となるメジャーデビューから1年7カ月でのさいたまスーパーアリーナ単独公演を達成。その後2015年12月にも同会場でのライブを行った。2022年12月、新メンバーの桜井えまと仲村悠菜を迎えて千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールにて行われた新体制初ワンマンライブの中で、最年長メンバーの真山りかは「もう一度さいたまスーパーアリーナに立てるように」と宣言。それから約1年半を経た2024年4月、ついに念願の3度目となるさいたまスーパーアリーナ単独公演の開催が発表された。前回から約10年の時を経て行われた今回のライブでは、グループ史上最多となる1万5000人を動員。えびちゅうはこれまでの軌跡を総括するセットリストと演出を通じ、15年間で築き上げてきた絆と実力を改めてえびちゅうファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)にアピールした。

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ライブレポート
横一列で登場したえびちゅう。

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オープニングで場内のスクリーンに流れたのは、過去にえびちゅうが行ったさいたまスーパーアリーナ公演のライブの様子。その映像を会場前の屋外で、スマートフォンで見る人物の後ろ姿に画面が切り替わり、ゆっくりとアリーナに向かって歩き出したその人物に複数の人影が寄り添っていく。「サドンデス」の大サビを口ずさみつつ、アリーナ前に並んだのは9人の後ろ姿。そしてメンバー9人の「私たち、私立恵比寿中学」という言葉とともにライブの幕が開き、メンバーカラーの華やかなドレスに身を包んだ9人がステージに現れると場内からは大歓声が起こった。

ダンスバトルを繰り広げた真山りか(左)と安本彩花(右)。

ダンスバトルを繰り広げた真山りか(左)と安本彩花(右)。[拡大]

私立恵比寿中学

私立恵比寿中学[拡大]

私立恵比寿中学

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小林歌穂の「最後の最後まで私たちから目を離すなよ!」という言葉に続き、最初に披露されたのは先ほどのオープニング映像でもハミングされていた「サドンデス」。間奏のダンスバトルは最年長組の真山りかと安本彩花の最終決戦に。先にダウンした安本が「今日、あいつの分もがんばるって決めてたのに!」と叫ぶと、真山は「それ以上は言わないで!」と制止し、これに小久保柚乃が「2代目校長のことですよね?」と付け加える。ともにさいたまスーパーアリーナに立つことを誓った元メンバー星名美怜、元校長・藤井ユーイチ氏にも自ら触れ、ここまでの波乱万丈なストーリーをしっかり回収したうえで9人はこのライブの口火を切った。続く「キングオブ学芸会のテーマ~Nu Skool Teenage Riot~」ではイントロで大きなどよめきが起こり、「シンガロン・シンガソン」の軽やかなサウンドで場内は一体感に包まれた。

4組の個性があふれたユニットコーナー

最初のMCで安本は「ついにさいたまスーパーアリーナに帰ってきました!」と念願を叶えた喜びを爆発させ、真山も2年前の宣言からの道のりを振り返りつつ「皆さんのおかげで実現しました」と喜ぶ。恒例の自己紹介を終えたあと、メンバー唯一の埼玉県出身である小林はハイテンション気味に「ずっと自己紹介していたいんですが……」と謎の名残惜しさを見せ、中山莉子から「今日、面白いね?」とツッコミを受けた。

トロッコでアリーナを回るえびちゅう。

トロッコでアリーナを回るえびちゅう。[拡大]

仲村悠菜(左)と桜井えま(右)。

仲村悠菜(左)と桜井えま(右)。[拡大]

風見和香、小久保柚乃、桜木心菜(左から)の“ココユノノカ”トリオ。

風見和香、小久保柚乃、桜木心菜(左から)の“ココユノノカ”トリオ。[拡大]

メンバーが3台のトロッコに分乗してアリーナを巡り、会場中のファミリーとアイコンタクトを楽しんだ「ラブリースマイリーベイビー」、ドレッサーやソファなどの家具とともにえびちゅうの過去の衣装も登場して楽曲の雰囲気を盛り上げた「オメカシ・フィーバー」に続いては、3月19日にリリースされたシングル「SCHOOL DAYS」のカップリングとして収録されたユニット曲が連続で披露された。桜井えまと仲村悠菜は、パステルカラーの制服風衣装で「すたーてぃん」をキュートにパフォーマンス。桜木心菜、小久保、風見和香の「王様の耳はパンの耳」では、3人がそれぞれ「ナレーター」「美容師」「王様」という名札をあしらったメルヘンチックなコスチュームで登場し、シュールな歌詞の世界を表現した。

中山莉子(左)と小林歌穂(右)。

中山莉子(左)と小林歌穂(右)。[拡大]

安本彩花(左)と真山りか(右)。

安本彩花(左)と真山りか(右)。[拡大]

小林と中山はデニム地とレース地を交えたカジュアルな衣装で「君のそーゆーとこ」を歌い、アウトロでは小林が「おばあちゃんになったら孫の見せ合いしようよ!」、中山が「私たちの孫、絶対かわいいよ!」と笑顔を交わす。純白の衣装で現れた真山と安本はバラードナンバー「明日」で美しいハーモニーを響かせ、ファミリーを圧倒した。

15年のキャリアに裏打ちされた「絶対に好きにさせる」自信

「えびぞりダイアモンド!!」を歌うえびちゅう。

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シリアスなドラマのワンシーン。

シリアスなドラマのワンシーン。[拡大]

学校の教室を舞台に9人が改めてえびちゅうの歴史を学んだ幕間映像のあとは「えびぞりダイアモンド!!」「チャイム!」「売れたいエモーション!」「仮契約のシンデレラ」と、初期のえびちゅうを代表する楽曲が立て続けに披露された。間奏では各曲のリリース当時の映像や、メンバーが当時のグループの様子を解説するアナウンスも差し込まれ、“キレのないダンスと不安定な歌唱力”をキャッチフレーズにしていた結成当初の様子をコミカルに紹介。にぎやかなひとときを経てステージ上で9人が「靴紐とファンファーレ」を歌う中、私立恵比寿中学の校舎が取り壊される事態に直面した9人がそれを阻止すべく奮闘するというストーリー仕立ての映像が上映され、場内にもシリアスな空気が漂っていく。すべてが安本の見た夢の話だったことに安堵したメンバーが教室を去ったのち、安本は「大切なものがなくなってしまう気持ち」に思いを馳せ、ファミリーに「人騒がせなグループでごめんね。それでも私たちは歌い続けたい」とメッセージを送った。

私立恵比寿中学

私立恵比寿中学[拡大]

「感情電車」で伸びやかな歌声を響かせる小林歌穂。

「感情電車」で伸びやかな歌声を響かせる小林歌穂。[拡大]

青いセーラー服風の衣装に着替え、9人は再びステージへ。安本と桜井の圧巻のアカペラで始まった「手をつなごう」では、メンバーの呼びかけに応えて大サビでファミリーも大合唱を繰り広げる。再びトロッコで会場を巡る9人を、ファミリーのサイリウムのカラフルな光が照らした「フレ!フレ!サイリウム」のあと、真山は「みんなが振ってくれるサイリウムが私たちの力になっています。1つひとつが特別で、星の光のように感じてます。みんなが照らしてくれる光に手が届きますように」と思いを語り、9人で「星の数え方」を丁寧に歌い上げた。続いて始まった「感情電車」では、ここまで光り続けていた9色のサイリウムに青色の光が多数加わり、ファミリーの思いをメンバーに届けるひとときに。この曲のクライマックスと言えるDメロのソロパートで、小林は1人花道へと飛び出し、伸びやかな歌声をアリーナに響かせる。そのあとを追うようにメンバー8人が花道を駆け、ステージ上にドラマチックな光景が広がった。

新曲「SCHOOL DAYS」を歌うえびちゅう。

新曲「SCHOOL DAYS」を歌うえびちゅう。[拡大]

9人がメンバーカラーのサングラスをかけて軽快なパフォーマンスを繰り広げた「TWINKLE WINK」、スクリーンにそれぞれの直筆のメッセージが映し出される中で歌われた「YELL」のあと、仲村が「私立恵比寿中学の15年間が詰まった大切な曲です。過去も、未来への思いも、すべて込めて歌います」と紹介したラストナンバーは、今回のライブのために制作された最新曲「SCHOOL DAYS」。曲中にはえびちゅうの歴代メンバーの出席番号、1番から17番までがスクリーンに映し出され、中央に羽ばたいていくという演出でファミリーの感動を呼び起こした。歌い終えると安本は「たくさん力をもらって支えてもらいました。本当にありがとうね」とファミリーに感謝を述べ、そんなファミリーに連れられてこの日初めてライブに足を運んだであろう観客にも「私たちはライブを観たら絶対に好きにさせる自信があります。素敵な歌とパワフルなダンスと、ちょっとおかしなトークで」と、笑顔で語りかけた。

次に目指すはアリーナツアー、えびちゅうはまだまだ進む

横一列に並んでゴールテープを切るえびちゅう。

横一列に並んでゴールテープを切るえびちゅう。[拡大]

「なないろ」を歌うえびちゅう。

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一面青く染まったさいたまスーパーアリーナ。

一面青く染まったさいたまスーパーアリーナ。[拡大]

アンコールではメンバーとファミリーがそれぞれ2手に分かれ、TikTokで人気の「未確認中学生X」と「仮契約のシンデレラ」をマッシュアップアレンジで交互に歌いながらダンスバトルを展開。「ボイジャー」ではメンバーがサイリウムをリレーのバトンのように渡し合いながらアリーナを駆け抜けた。ステージに戻った彼女たちを待ち受けていたのは、2023年春のツアー「100%ebism」でファミリーから寄せられた手書きの応援メッセージをつなげた巨大な横断幕。これは同ツアーの最終公演でゴールテープとして使われるはずだったが、えびちゅうは「さいたまスーパーアリーナに再び立つ」という目標を叶えるその日のためにと予定を変えて大事に保管していた。"約束の地"の大きな大きなステージに、横一列でつなげられた横断幕。9人は横並びでゴールテープを切り、夢のフィナーレを飾った。真山から受け取ったバトンを桜井と仲村がステージ後方のテーブルに置き、スクリーンに雄大な青空が広がる中で9人は「なないろ」を歌唱。ファミリーが灯すサイリウムはすべて青色に変わり、メンバーが着用したグッズTシャツの青色とも相まって、会場中の思いが1つになる感動的な光景が繰り広げられた。

「私立恵比寿中学 15th Anniversary 大学芸会2025~LOVE&BRAVE~」の様子。

「私立恵比寿中学 15th Anniversary 大学芸会2025~LOVE&BRAVE~」の様子。[拡大]

最後の曲に入る前、9人は名残惜しそうにこの日のライブを振り返る。初めてさいたまスーパーアリーナのステージに立った桜井は「めっちゃ緊張してたけど温かく盛り上がってくれてうれしかったです」、仲村は「これからの人生で絶対に忘れないだろうな、という思い出ができました」と喜ぶ。またココユノノカのユニット曲「王様の耳はパンの耳」の振付を手がけた桜木は「1人で3人分は大変で、ママとお姉ちゃんにも手伝ってもらいました」と舞台裏を明かす。そんな桜木の振付をほかのメンバーも絶賛。安本は「この先どこで披露するかわからないので、私たちを追いかけ続けてくださいね?」とファミリーを焚き付けた。15周年ライブのラストを飾った楽曲は「青い青い星の名前」。真山は「過去も未来も今も、えびちゅうはずっと皆さんを幸せにします!」と高らかに叫び、ライブを締めくくった。

私立恵比寿中学

私立恵比寿中学[拡大]

すべてのパフォーマンスを終えたあと、メンバーはMBS系のレギュラー番組「岩井 狩野 えびちゅうの推しかるちゃー」とJR東海「推し旅」のコラボレーション企画「たのしいえびちゅう新幹線」の開催や、今回の公演に密着したライブレポートフォトブックの発売も発表し、ファミリーを喜ばせる。そして最後に真山は「10年経って、まったく違う9人でここに帰ってきました。ここから次の目的地へと進んでいきます。次はアリーナツアーを目指すぞ!」と宣言。えびちゅうのさらなる躍進を誓った。

この記事の画像(全150件)

セットリスト

「私立恵比寿中学 15th Anniversary 大学芸会2025~LOVE&BRAVE~」2025年3月20日 さいたまスーパーアリーナ

01. サドンデス
02. イート・ザ・大目玉
03. キングオブ学芸会のテーマ~Nu Skool Teenage Riot~
04. シンガロン・シンガソン
05. 未確認中学生X
06. ラブリースマイリーベイビー
07. オメカシ・フィーバー
08. すたーてぃん / 桜井えま×仲村悠菜
09. 王様の耳はパンの耳 / 桜木心菜×小久保柚乃×風見和香
10. 君のそーゆーとこ / 小林歌穂×中山莉子
11. 明日 / 真山りか×安本彩花
12. えびぞりダイアモンド!!
13. チャイム!
14. 売れたいエモーション!
15. 仮契約のシンデレラ
16. 靴紐とファンファーレ
17. 手をつなごう
18. フレ!フレ!サイリウム
19. 星の数え方
20. 感情電車
21. TWINKLE WINK
22. YELL
23. SCHOOL DAYS
<アンコール>
24. 未確認中学生X & 仮契約のシンデレラ REMIX
25. ボイジャー
26. なないろ
27. 青い青い星の名前

読者の反応

★まさよし隊員💋🐶💜@★ @dorimasayoshi

1人でも多くの方に呼んで欲しい。その日おきたこと。そして、みんなが内容読んで誤解受けないように。えびちゅうの真意が伝わるように練られたレポートありがとう。 https://t.co/tWRLcpJ73e

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