7月の幕開けとともに開催を迎えたこの日のライブ。本格的な夏が到来し、うだるような暑さが渋谷中の人々を悩ませる中、WWW Xにはグソクムズの奏でる上質なポップミュージックを求めて多くの人々が集まっていた。開演直前にフロアに足を踏み入れると、荒井由実「海を見ていた午後」が穏やかに流れている。そんな中ふいに客電が落ち、たなかえいぞを(Vo, G)、加藤祐樹(G)、堀部祐介(B)、中島雄士(Dr)の4人が登場。彼らは7月1日という日にぴったりのナンバー「夏の知らせ」で颯爽とライブの幕を開ける。その後彼らは「バスが揺れて」「駆け出したら夢の中」をシームレスに続け、夏の休日のようなラフな格好で軽やかなアンサンブルを奏でていった。
3曲の演奏を終えたところで、たなかは「グソクムズです。いろんな曲をやって楽しめたらと思いますので、最後までよろしくお願いします」とひと言あいさつ。続けて4人は、ミラーボールが反射させる光とムーディな照明の下で「夢が覚めたなら」「ステンドの夜」を披露し、オーディエンスの体をゆったりと揺らす。モータウン風のビートとご機嫌なギターの音色が胸躍らせるポップチューン「夏が薫る」では、曲中でも描かれる湿った夏の風のような、柔らかな歌声が届けられた。また5月より行われている4カ月連続シングルリリースの第1弾楽曲「ハルケシ」も演奏され、いつになく力強いたなかの歌声と、グソクムズらしい涼やかなコーラスが重なり合った。
ここまで9曲をほぼノンストップで披露したグソクムズは、哀愁漂うスローテンポのナンバー「夢にならないように」で会場の空気をクールダウン。夏の夕暮れさながらのオレンジ色の光を浴びながら、白昼夢のような切なく心地いい空気に観客たちを染み入らせた。さらに4人は、ライブ初披露となる「チルチルクラブ」、原曲と比べてソリッドさが増した「風の中で」、うねるようなベースラインが印象的な「グッドナイト」などを立て続けに演奏。8月にリリースを控える「道の途中」では、縦横無尽に動き回る奔放なギターサウンドが鳴り続け、バンドの新境地を垣間見せた。そして本編ラストに4人は「朝陽に染まる」をパフォーマンス。アウトロで加藤がステージ中央に躍り出てギターをかき鳴らすと、ほかの3人は笑顔を浮かべ、和気あいあいとしたムードで本編が締めくくられた。
アンコールを求める拍手に応えて再び姿を現したグソクムズ。彼らがワンマンツアー「道の途中」の開催を発表すると、客席からは大きな拍手が贈られる。そんな朗らかな空気の中、4人は今回のツアータイトルのもとにもなった新曲「いつか渚へ」を演奏。曲中にたなかは「今日はありがとうございました。いいワンマンライブでした」と感謝を告げ、メンバー紹介へ。さらに、大きなハンドクラップが鳴らされる中、ラストナンバー「すべからく通り雨」へ突入し、美しいコーラスと軽快なサウンドでライブは閉幕。終演後の渋谷は、まさに通り雨が過ぎ去ったあとのような湿った空気に包まれていた。
ツアー「道の途中」は11月から12月にかけて全5カ所にて行われ、バンドの活動拠点でもある東京・吉祥寺のホール会場・武蔵野公会堂にてファイナルを迎える。イープラスでは7月18日までチケットの先行予約を受付中。
「グソクムズ ワンマンライブ “渚へ”」2023年7月1日 WWW X セットリスト
01. 夏の知らせ
02. バスが揺れて
03. 駆け出したら夢の中
04. 夢が覚めたなら
05. ステンドの夜
06. けやき通り
07. 夏が薫る
08. ハルケシ
09. シェリー
10. 夢にならないように
11. ゆうらん船
12. チルチルクラブ
13. 風の中で
14. グッドナイト
15. 泡沫の音
16. 道の途中
17. 朝陽に染まる
<アンコール>
18. いつか渚へ
19. すべからく通り雨
グソクムズ LIVE TOUR 2023 ~道の途中~
2023年11月17日(金)広島県 HIROSHIMA 4.14
2023年11月19日(日)福岡県 秘密
2023年11月24日(金)愛知県 新栄シャングリラ
2023年11月25日(土)大阪府 CONPASS
2023年12月17日(日)東京都 武蔵野公会堂
グソクムズ @gusokumuzu
˗ˏˋ LIVE REPORT✍️ ˎˊ˗
7/1(土)にWWW Xにて開催したワンマンライブ"渚へ"のライブレポートが音楽ナタリーにて公開されています。
ぜひご覧ください🌊
https://t.co/SV9YquIRmo