「これからも笑顔になれる空間を」SDR「Live Meets」で“初登場”松尾太陽ד皆勤賞”EIKUがコラボ

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ライブイベント「Live Meets Vol.3」が昨日5月23日に東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで行われた。

松尾太陽とEIKU。(撮影:武石早代)

松尾太陽とEIKU。(撮影:武石早代)

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「Live Meets」は、SDR(スターダストレコーズ)の社内クリエイティブレーベル・MeMe Meetsによるライブイベント。第3回となる今回にはMeMe Meets所属のmona+、monje、あたしが参加したほか、ゲストとしてEIKU(ONE N' ONLY)と松尾太陽がパフォーマンスを行った。

EIKU(撮影:武石早代)

EIKU(撮影:武石早代)[拡大]

開演時刻を迎えたSHIBUYA PLEASURE PLEASUREのステージに姿を見せたのは、これまで3度開催された「Live Meets」にすべて参加している、ゲストのEIKU。愛用の黒いアコースティックギターをおもむろに爪弾き「皆さんこんにちは、EIKUです。手拍子して応援してください」と客席に呼びかけると、未発表のオリジナル曲「0~100まで」でライブをスタートさせた。弾き語りスタイルでパフォーマンスを届ける彼は「僕の出身地・山梨への愛を歌った曲を今から歌いたいと思います」と告げ、2曲目の「や・ま・な・し」へ。春に咲き誇る桃の花、夏の葡萄畑、富士山の雪解け水の流れる音……自身が感じ取った美しい故郷の景色を朗らかメロディに乗せてオーディエンスに歌い伝えると、EIKUは「ヤバい、緊張する!」と照れ笑いを浮かべた。

EIKU(撮影:武石早代)

EIKU(撮影:武石早代)[拡大]

2曲を終えてのMCでは「僕は小さい頃から音楽活動をしていまして、中学生になると甲府駅でストリートライブをやったり。まさかね、その頃はONE N' ONLYとして活動するなんて思っていなかったけど、いろんなきっかけをもらって、今こうしてアーティスト活動をしています」と、自身の生い立ちを振り返りながら自己紹介をしたEIKU。「今後もこうして、ソロ活動も並行しながら皆さんに音楽を届けていけたら」と願望を語った彼は「次は“I love you”続きで2曲カバーを。皆さんに愛を伝えたいと思います」と告げ、尾崎豊「I LOVE YOU」とRake「100万回の『I love you』」のカバーを続けて披露する。柔らかなタッチで奏でられるギターの音色と情感豊かに響く彼のハスキーボイスに聴衆がじっくりと聴き入った「I LOVE YOU」ののち、「100万回の『I love you』」ではクラップが自然発生し、EIKUは思わず笑みを浮かべる。彼がアルペジオを奏でながら「La la la」のシンガロングを求めると、オーディエンスはこれに応えてEIKUのボーカルに歌声を重ねた。

EIKU(撮影:武石早代)

EIKU(撮影:武石早代)[拡大]

2度目のMCでは「こういうときだから言えるけど、『今日声出るかな?』とか『うまくできるかな?』という不安を感じることも最近多くて。自信を持ってやろうと思っても、片隅には怖い気持ちも正直あるんです」と素直な気持ちを吐露したEIKU。「こうやって1人でステージに立つときも不安はあるんですけど、僕のことを知ってライブに足を運んでくれた方が、僕のパフォーマンスで勇気や希望を持ってくれたらうれしいです。皆さんも仕事とか学校とかで『うまくできるかな』という不安があったりすると思うんですけど、そんなときは僕の歌が皆さんの助けになれば。そんな気持ちでステージに上がらせていただいています」と続けた彼は「今日は足を運んでくださりありがとう。僕は言葉よりも歌で伝えたいと思います」と言って、最後にONE N' ONLY「Destiny」「Video Chat」の2曲を届ける。感情を思い切り乗せた繊細なボーカルが観客の心を震わせた「Destiny」を経て「Video Chat」を軽やかに歌い上げると、EIKUは「See ya!」と言って曲を締めくくり「最後まで盛り上がってください!」と告げてステージをあとにした。

mona+(撮影:武石早代)

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続いて登場したmona+は、中学3年生、14歳のシンガー。挨拶代わりとばかりにエルヴィス・プレスリー「Jailhouse Rock」をキーボードの弾き語りでパフォーマンスし、パワフルなボーカルと演奏で一気にオーディエンスを惹き付けると、彼女は「私はロックが大好きなんです。最近飼い始めたインコちゃんをロックと名付けるくらい。今日は皆さんをロックで温めていきたいと思います!」と約束した。

mona+(撮影:武石早代)

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ここから彼女は「One And Only」「HoneyBee」「Stranger」「無礼King」と、4曲のオリジナル曲を連発。キュートな世界観の「HoneyBee」、シリアスな「Stranger」、鋭利なラップで怒りを叩き付ける「無礼King」と、曲ごとに違った表情を見せながらも、流暢な英語を巧みに操りながら物語を紡いでゆくリリックとパワフルに歌い上げるボーカル、2つの持ち味を発揮して自身のアイデンティティを観客に示してみせる。無邪気な魅力を振りまきながら駆け抜けるように自身のステージを楽しんだmona+は「このあとも素敵な方たちが登場するので楽しんでいきましょう。チャオ!」と笑顔で挨拶して次のアクトにバトンをつないだ。

あたし(撮影:武石早代)

あたし(撮影:武石早代)[拡大]

3番手を担ったあたしは、昨年春に今の名前で新たなプロジェクトを始動させたネット発の若手クリエイター。彼女は2月に配信リリースされた「今回の炎上の件について」とアップテンポなピアノロック「AtoZ」を続けて披露し、複雑なメロディ展開も軽やかに歌いこなすボーカルワークでオーディエンスを魅了する。曲を終えてのMCで「もし今日少しでも気になってくださった方は、検索していただけますとうれしいです」と呼びかけた彼女は「今日『キスの日』なんですよ。知ってましたか?」と観客に伝え「明日『ちゅーして』という新曲をリリースするんです。めっちゃちょうどいいなと思って!」とうれしそうにひと言。そして「サビで振りを踊るんですけど、みんなにも“ちゅー”してほしくて。協力いただけますか?」と客席に呼びかけた。

あたし(撮影:武石早代)

あたし(撮影:武石早代)[拡大]

新曲「ちゅーして」はタイトル通り、ポップでキュートなデジタルサウンドが印象的な楽曲。ピンク色の光に染まったステージの上、あたしは跳ねるようなステップでリズムに乗りながら客席とコミュニケーションを取り、投げキスのポーズで会場の一体感を高めてみせる。そして最後に彼女は「うぉーしゃんだんす」のアッパーなパフォーマンスを届け、自身のステージを終えた。

monje(撮影:武石早代)

monje(撮影:武石早代)[拡大]

あたしからバトンを受け取ったmonje(モンジュ)は、東京藝術大学の現役学生によるクリエイティブチーム。サウンドの豊かな広がりを感じさせる森山瞬のシンセサイザーとゆったり伸びやかな小牧果南の歌唱が印象的な「rush」を1曲目に届けた2人は、曲を終えると「monjeと申します」と短く自己紹介した。

小牧果南(撮影:武石早代)

小牧果南(撮影:武石早代)[拡大]

森山瞬(撮影:武石早代)

森山瞬(撮影:武石早代)[拡大]

森山のベース演奏が楽曲に深みを与える「Spice」を届け終え、改めて観客と向き合った2人は「最後までお楽しみいただけたら」と、続く2曲の紹介をして後半のパフォーマンスへ。「目を離さないで」というフレーズのリフレインが耳に残る「madobe」を浮遊感いっぱいにパフォーマンスしたのち、最後に6月30日にリリースされる新曲「Post-it」を初披露した。複雑ながらも軽快なサウンドの上、小牧はクリアな歌声で軽やかに楽曲を乗りこなしてmonjeの個性をオーディエンスにしっかりと提示していた。

松尾太陽(撮影:武石早代)

松尾太陽(撮影:武石早代)[拡大]

5組のアクトのトリを担った松尾がギターの音色に導かれるようにステージに姿を見せると、客席には白いペンライトの光が灯り出す。2021年9月に実施予定だった初のワンマンツアーが新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となってしまった松尾にとって、“松尾太陽”名義でファンの前でライブパフォーマンスを披露するのはこれが始めて。ソロデビュー作のミニアルバム「うたうたい」リリース当時の衣装をオマージュしたような黒いオールインワン姿で客席を見つめた彼は、Vaundyが手がけた「うたうたい」のリード曲「Sorrow」でライブをスタートさせ、抜けるように晴れやかで圧倒的な歌声を1曲目から響かせてみせた。

松尾太陽のパフォーマンスの様子。(撮影:武石早代)

松尾太陽のパフォーマンスの様子。(撮影:武石早代)[拡大]

2曲目に届けられた「掌」は、彼が作詞作曲を手がけたナンバー。松尾は掌を空にかざす仕草や客席に訴えかけるような姿勢を見せながら、サポートギタリストの門馬由哉と歌声を重ねた。MCでは「寒かったやろ、今日ホンマに」と、フレンドリーに観客に語りかけた松尾。観客に「どこから来てくれました?」と尋ねて距離を縮めつつ、彼は「普段は超特急のボーカルをやっているんですけど、ソロ活動ではいろんな時期と被ってしまって披露できていなかった曲がたくさんあって。ツアーも軒並み中止になってしまって苦しい状況がありました。今日はそんなフラストレーションを発散できるライブにしていけたらと思うので、最後まで楽しんで」と、この日のライブにかける強い思いを語った。

松尾太陽(撮影:武石早代)

松尾太陽(撮影:武石早代)[拡大]

BIALYSTOCKSが提供した「橙」はアコースティックギター1本のアレンジで軽快さを増し、松尾はオーディエンスに手拍子を促しながらさわやかに楽曲の情景を歌い描いていく。続く「体温」もライブならではのドラマティックなアレンジが施され、アカペラで曲を歌い始めた松尾は歌詞のフレーズ1つひとつに大切に思いを込めながら、曲に込められた“温もり”を丁寧に客席へと伝えてみせた。オーディエンスによる軽快なクラップの上、門馬が奏でるギターとの自由なセッションが繰り広げられた「マンションA棟」では松尾がグルーヴィなフェイクを聴かせ、彼の圧倒的なボーカルワークに客席は静かな熱気に包まれた。

アンコールの様子。(撮影:武石早代)

アンコールの様子。(撮影:武石早代)[拡大]

「素敵な時間もあともう少しです。これからも、こうやって音楽を楽しみながら、笑顔になれるような空間を作っていきたい。みんなが笑顔になれる音楽を届けていきたいなと思います」。そう約束した松尾は、「自分自身の“ものがたり”を続けよう」という思いが込められた「起承転々」を優しい眼差しで歌い届けた。そしてラストナンバーを前に「皆さんが楽しんで笑顔になって。そういう空間にまた出会えますように」と告げて「ハルの花」へ。彼らしい温かな応援のメッセージが込められた自作曲を最後の曲に選び、温もりの滲むまっすぐな歌声で気持ちを伝えて自身のパフォーマンスを終えた。

松尾太陽とEIKU。(撮影:武石早代)

松尾太陽とEIKU。(撮影:武石早代)[拡大]

鳴り止まないアンコールの拍手に導かれてステージに戻った松尾は、「このイベントでしかできないことをやれたらいいなと思いまして」と告げ「おいで、EIKU!」とEIKUを迎え入れた。「面と向かって話したのって今日が始めてだよね?」と松尾が問いかけると、EIKUは「始めてです。もう光栄すぎて」と緊張の面持ちで返答。ぎこちなくも穏やかな2人のやりとりに、客席にも思わず笑顔が広がる。彼らがこの日の最後に届けたのはサザンオールスターズ「いとしのエリー」のカバーで、タカシがタイトルコールをすると、客席からはにわかに歓声が。隣同士で座ってお互いの顔を見合わせた松尾とEIKUは柔らかく美しいハーモニーでこのラブソングを歌い上げてライブを締めくくる。興奮渦巻くムードの中、松尾は「(ライブの)締めの相場はなんなの?(笑)」と悩みつつもEIKUとくまなく客席に挨拶し、最後まで手を振りながらステージをあとにした。

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「Live Meets Vol.3」2023年5月23日 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE セットリスト ※カッコ内はオリジナルアーティスト

EIKU

01. 0~100まで
02. や・ま・な・し
03. I LOVE YOU(尾崎豊)
04. 100万回の「I love you」(Rake)
05. Destiny
06. Video Chat

mona+

07. Jailhouse Rock(エルヴィス・プレスリー)
08. One And Only
09. HoneyBee
10. Stranger
11. 無礼King

あたし

12. 今回の炎上の件について
13. AtoZ
14. ちゅーして
15. うぉーしゃんだんす

monje

16. rush
17. Spice
18. madobe
19. Post-it

松尾太陽

20. Sorrow
21. 掌
22. 橙
23. 体温
24. マンションA棟
25. 起承転々
26. ハルの花
<アンコール>
27. いとしのエリー(サザンオールスターズ)w / EIKU

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ようすけ🦖 @yo_sk14bt

幸せ空間すぎて勘弁してほしい
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