BEYOOOOONDSのポップスがオーケストラと融合「BEYOOOOOPHONIC」大成功

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BEYOOOOONDSとパシフィックフィルハーモニアポップス東京によるコンサート「BEYOOOOOPHONIC(ビヨフォニック)」が昨日5月2日に東京・東京芸術劇場 コンサートホールで開催された。

「BEYOOOOOPHONIC」の様子。

「BEYOOOOOPHONIC」の様子。

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BEYOOOOONDSは昨年8月、兵庫・アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター) 大ホールで行われたイベント「HimeFes2022」に出演してパシフィックフィルハーモニアとのコラボパフォーマンスに挑戦。そのときに披露されたのは7曲のみだったが、互いの親和性の高さを実感した2組は、パフォーマンスの規模を拡大して「BEYOOOOOPHONIC」と題した今回のコンサートを開催するに至った。各界のアーティストと共演し続けているパシフィックフィルハーモニアポップス東京を指揮し、今回の演奏曲のアレンジを手がけたのは「HimeFes2022」に引き続き、クラシックからロックまで幅広いジャンルを融合させるオーケストレーションを得意とする藤原いくろう。BEYOOOOONDSのポップスとオーケストラのシンフォニーを存分に味わえる場が整った。

開演前、メンバーの高瀬くるみは「BEYOOOOONDSが1つのチームであるとともに、パシフィックフィルハーモニアポップス東京の皆さんといくろうさんと、サポートピアノの松岡美弥子さん全員でもう1個大きいチームができた感覚です」とコメント。音楽大学を卒業した経歴を持つ小林萌花は「HimeFes2022」を振り返りながら「自分がピアノをやってきて、クラシックが好きで、BEYOOOOONDSに入って。こういったものがすごくやりたかったなと実感したので、それをフルのコンサートで実現できること、ファンの皆さんに私がずっと好きなクラシックというものを、BEYOOOOONDSと融合した形でお届けできることがうれしいですね」と声を弾ませた。

「BEYOOOOOPHONIC」の様子。

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ステージ後方に鎮座するパイプオルガンが力強い存在感を放ち、いつものBEYOOOOONDSのコンサートとは異なる荘厳な空気を漂わせる東京芸術劇場 コンサートホール。開演時刻を過ぎ、管弦楽団の面々とともにステージに立ったメンバーは、ペンライトのように光る指揮棒を手にオーケストラの楽器1つひとつを紹介する。観客も光る指揮棒を振って鑑賞する中、彼女たちがコンサートの最初に披露したのは、4月12日にリリースした両A面シングルの表題曲の1つ「求めよ…運命の旅人算」。オリジナル音源はファンキーなパーティソングだが、管弦楽により高雅な音色で装飾された。

雨ノ森川海

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指揮者の藤原がハムカツを手に持ってかじるひと幕で始まったコミカルなナンバー「ハムカツ黙示録」も豪勢な仕上がりになり、ユニット曲もシンフォニックな音楽に生まれ変わる。特に雨ノ森川海による「循環」では、ダンスなしでまっすぐに歌い上げるメンバーの姿に大勢の観客が魅了された。演劇パートで始まる「眼鏡の男の子」が繊細な音色で届けられたあとは、この日のために制作された新曲「恋する銀河」へ。交響曲のような壮大なサウンドに乗せて“愛”が表現された。

15分の休憩を挟み、コンサートは第2部へ。パフォーマンスが再開される前に、BEYOOOOONDSのメンバーが指揮を体験するコーナーが始まった。藤原から指名された西田汐里、島倉りか、平井美葉が順番に台に上がって管弦楽団と向かい合い、ブラームス「ハンガリー舞曲第5番」の演奏を指揮。緊張の面持ちを浮かべつつも、嬉々として指揮棒を振った。

藤原いくろうと小林萌花。

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貴重な経験を心から楽しんだBEYOOOOONDSは、続いて「夢さえ描けない夜空には」「英雄~笑って!ショパン先輩~」の2曲を歌唱。最新シングルのもう1つの表題曲である「夢さえ描けない夜空には」は、「吹奏楽」と「合唱」をモチーフにミュージカル映画のメインテーマをイメージした楽曲で、オリジナル音源でもパシフィックフィルハーモニア東京が演奏で協力している。また、「英雄~笑って!ショパン先輩~」はショパンの「英雄ポロネーズ」と「ノクターン」を取り入れたナンバー。どちらも小林がオーケストラに混ざってピアノを奏で、指揮棒を振りながらパフォーマンスするメンバーたちを麗らかな音色で支えた。

「BEYOOOOOPHONIC」の様子。

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「BEYOOOOOPHONIC」の様子。

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その後、組曲のようなスケール感とストーリー性を持つ「きのこたけのこ大戦記」、コール&レスポンスのごとく観客と一緒にカスタネットを鳴らしまくる「涙のカスタネット」、アッパーチューン「アツイ!」をオーケストラと一体になっていつも以上の迫力で届けていくBEYOOOOONDS。彼女たちはゴスペル調の楽曲「伸びしろ~Beyond the World~」を響かせたあとステージを立ち去るも、アンコールを求める拍手に答えて再度ステージへ。山崎夢羽は「プリンセスになったような気分になれて。オーケストラさんの演奏でパフォーマンスさせていただくのって生きていてあまりないことだと思うので、私の自慢になりました」と目を輝かせながらコンサートの感想を言葉にした。

そして最後、BEYOOOOONDSとパシフィックフィルハーモニアポップス東京は観客のクラップを浴びながら「オンリーロンリー」を披露。「BEYOOOOOPHONIC」という実験的なコンサートを見事成功させた2組に、客席から盛大な拍手が送られた。

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BEYOOOOONDS×パシフィックフィルハーモニアポップス東京「BEYOOOOOPHONIC」2023年5月2日 東京芸術劇場 コンサートホール セットリスト

01. OOOOOVERTURE
02. 求めよ…運命の旅人算
03. ハムカツ黙示録
04. 待ち合わせはJR梅田駅で / CHICA#TETSU
05. 循環 / 雨ノ森川海
06. Get Back!ビニール傘の大冒険 /
07. 眼鏡の男の子
08. 恋する銀河
09. 夢さえ描けない夜空には
10. 英雄~笑って!ショパン先輩~
11. きのこたけのこ大戦記
12. 涙のカスタネット
13. アツイ!
14. 伸びしろ~Beyond the World~
<アンコール>
15. オンリーロンリー

※山崎夢羽の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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