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良質ポップスぎっしり4時間!「矢野フェス」2年目も大盛況

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音楽プロデューサー/ドラマーの矢野博康が企画するライブイベント「YANO MUSIC FESTIVAL 2011」が、6月18日に東京・SHIBUYA-AXにて行われた。

フェス全盛の昨今、ありそうでなかった「良質なポップミュージック主体のイベント」を旗印に2010年よりスタートした「YANO MUSIC FESTIVAL」。2度目の開催となる今回は、2年連続出演となった堂島孝平、馬の骨(キリンジ堀込泰行)、土岐麻子南波志帆に加え、秦基博アイドリング!!!が参加。矢野博康(Dr)、松江潤(G)、須藤優(B/U&DESIGN)、小松シゲル(Dr/NONA REEVES)、渡辺シュンスケ(Key)の5人からなる「矢野フェスバンド」をバックに、約4時間におよぶ華やかなステージを繰り広げた。

2年連続のオープニングアクトとして最初にステージに登場した南波志帆は、6月15日に発売されたばかりのニューシングル「こどなの階段」を含む4曲を披露。MCにおける独特な間合いとゆるふわなトークでも人気を集める彼女は、オープニングアクトのみならずステージ転換時のMCを務め、イベントを終始盛り上げた。

南波のパフォーマンスが終わりステージが暗転すると、暗闇の中から突然「ドーン!」と和太鼓の音が鳴り響く。どよめく場内に一筋のスポットライトが照らされると、そこには羽織袴をまとった矢野博康の姿が。まさかの演出に驚く観客を前に、「YANO MUSIC FESTIVAL 2011」は矢野の「ハッ!」という威勢のいいかけ声で本格的に幕を開けた。続けざまに耳なじみのあるイントロが流れると、矢野はバチをマイクに持ち替え、資生堂CMソングとして昨冬話題を集めた土岐麻子の「Gift ~あなたはマドンナ~」を熱唱。第1回でも好評を博したリレー形式のオープニングメドレーだ。

矢野からマイクを渡された土岐は堂島孝平の「葛飾ラプソディー」、続いて登場した堂島は秦基博「アイ」、そして秦はアイドリング!!!「モテ期のうた」、アイドリング!!!はキリンジ「グッデイ・グッバイ」、そして最後はキリンジ堀込泰行本人による「グッデイ・グッバイ」と、フジテレビ系「夜のヒットスタジオ」を思い出させるメドレーで矢野フェスの輪をつないだ。華々しさとユーモアが入り交じったメドレーリレーに、会場はいきなりの大盛り上がり。

本編のトップバッターを務めた馬の骨は、弾き語りによる「少しでいいのさ」からスタート。その後は矢野フェスバンドをバックに「燃え殻」「だれかの詩」など合計6曲を演奏した。泰行がステージを後にすると、入れ替わりで矢野&南波が登壇し、トークコーナーへ。トークゲストとして堂島孝平と秦基博が呼び込まれたものの、矢野は2人との会話もそこそこに「ご存知ない方も多いと思うんで、僕、矢野の紹介を」と、2年目にしてもはや恒例となった「矢野博康コーナー」を割り込ませる。これはステージ上の巨大スクリーンを使い、過去の写真を見ながら矢野の足跡を振り返るというもの。スクリーンには「YMOより8年早かった」テクノカットが決まった赤ちゃん時代、次の幕間には「打楽器の申し子と呼ばれていた」タンバリンを持った4歳の矢野少年の姿が映された。

2番手の土岐麻子は、南波志帆とアイドリング!!!の遠藤舞、横山ルリカ、橘ゆりか、河村唯を迎えての斉藤由貴「青空のかけら」のカバーや、秦基博とのデュエット「How Beautiful」など、この日限りのコラボレーションを展開した。秦はレーベルメイトでもある「How Beautiful」の作曲者、さかいゆうに扮して登場。ちなみに被っていた赤い帽子は「事務所からこっそり持ってきた」さかい本人の衣装とのこと。

オープニングのメドレーや土岐とのコラボで意外な表情を見せた秦基博だったが、自身のステージでは普段どおりの骨のあるパフォーマンスで観客を魅了した。また、ずっと憧れていたという堀込泰行との念願の共演も実現。キリンジの名バラード「エイリアンズ」で美しいハーモニーを響かせた。

秦の男らしいステージから一転、アイドリング!!!が登場すると会場内のムードも一変。開演時から最前列で客席を盛り上げ続けていたアイドリング!!!ファンは、ここでさらに加熱した。また、1曲目の「ロイヤルミルクガール」ではアイドリング!!!の番組でMCを務めるバカリズムが学生服姿で乱入し、巨大なワニの人形を振り回しながら暴れ回るというサプライズも。バカリズムはこの日テレビの収録が入っていたが、彼女たちの出番に合わせて急遽駆けつけたという。さらに、堂島孝平が楽曲提供した「Like a Shooting Star」では堂島本人とのコラボも実現。「(矢野フェスでは)いろんなコラボがある中で、まさかアイドリング!!!と歌うことになるとは」と話した堂島だったが、きちんと振り付けまで合わせる徹底ぶりでファンを満足させた。

そして、長時間におよんだイベントのトリを任された堂島は「最後まで盛り上げるためにも、僕のところでドーンと行かないと」と観客を煽る。彼のワンマンライブでは黄色い声援が飛び交うのが常だが、この日はアイドリング!!!ファンをはじめとする男性客からの野太い声援も大きく、堂島は「普段見慣れないみなさん、ありがとう! 俺、みんなのことが大好きだよー!」と1曲目の「VIVAP」から客席に飛び込むハイテンションなパフォーマンスを展開。男気あふれるステージングで6曲を歌い上げると、客席からは「やっぱ孝平、だな!」と賞賛の声が届けられた。

アンコールでは、全出演者が再び集合し、メンバーの共作によるオリジナルナンバー「We Can Work It Out」を大合唱。最後は矢野の「本当に今日はありがとうございました! また、2012年、やれたらやりたいと思います」という「YANO MUSIC FESTIVAL 2012」の開催を示唆する挨拶で締めくくられた。ポップミュージックが好きな人は、“矢野フェスファミリー”のさらなる活躍に期待しつつ来年の開催を楽しみにしておこう。

2011年6月18日(土)東京都 SHIBUYA-AX
「YANO MUSIC FESTIVAL 2011」セットリスト

南波志帆(オープニングアクト)
01. ごめんね、私。
02. みたことないこと
03. こどなの階段
04. サンダル

オープニングメドレー
01. Gift ~あなたはマドンナ~(矢野博康)
02. 葛飾ラプソディー(土岐麻子)
03. アイ(堂島孝平)
04. モテ期のうた(秦基博)
05. グッデイ・グッバイ(アイドリング!!!)
06. グッデイ・グッバイ(堀込泰行)

馬の骨
01. 少しでいいのさ(弾き語り)
02. Fine Play
03. 燃え殻
04. Snow
05. Chewing Gum On The Street
06. だれかの詩

土岐麻子
01. Gift ~あなたはマドンナ~
02. 青空のかけら(土岐麻子×南波志帆×アイドリング!!!)
03. How Beautiful(土岐麻子×秦基博)
04. Walk On
05. ファンタジア

秦基博
01. 今日もきっと
02. エイリアンズ(秦基博×堀込泰行)
03. 水無月
04. 鱗(うろこ)

アイドリング!!!
01. ロイヤルミルクガール
02. 職業:アイドル
03. レモンドロップ
04. 機種変エクスタシィ
05. プールサイド大作戦
06. Like a Shooting Star(アイドリング!!!×堂島孝平)

堂島孝平
01. 6AM
02. セピア
03. スマイリンブギ
04. CHOCO ME BABY
05. ルーザー
06. LUCKY SAD

<アンコール>
01. We Can Work It Out(オールキャスト)

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