オーイシマサヨシのワンマンライブが3月18日に兵庫・神戸文化ホール 大ホール、25日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催された。この記事では25日の東京公演の模様をレポートする。
3月8日に新作EP「ギフト」をリリースしたオーイシは、この作品の収録曲や過去の代表曲などを19曲にわたり熱唱。チケットがソールドアウトとなり、客席を埋め尽くした満員のオーディエンスを熱いパフォーマンスで楽しませた。
オープニングでは内田真礼による影アナで、今回のライブから観客の声出しが再び可能となったことが改めて告げられる。内田の煽りに応えて客席から熱いコールが響いたところでステージ前方の紗幕が落ち、オーイシが登場した。1曲目は「ようこそジャパリパークへ」。オーディエンスの息もぴったりなかけ声が上がると、オーイシは「声出しができる時代が来てしまいました!」と客席の盛り上がりに笑顔を浮かべた。
声出し解禁に喜ぶ客席から上がる「クソメガネ!」というイジりの声に、オーイシは「ガチの悪口言ってない?(笑)」と苦笑い。「リスペクトを忘れないこと、人に迷惑をかけないこと、この2つを守ってくれるなら受け身を取って笑いと涙と感動に変えていきます。アクセル全開で向かってきて!」と、オーディエンスとのコミュニケーションを楽しんでいる様子を見せた。
「ドラゴンエネルギー」でコール&レスポンスを繰り返したあとは「恋はエクスプロージョン」へ。観客が手にしたペンライトでピンク色に染め上げられた場内に、キュートでコミカルなサウンドが響き渡った。「枕男子」では、オーディエンスの「電気消して!」の声とともにステージ上の照明が落ちる演出が復活。オーイシは「俺が自分で『電気消して』と言う自作自演の時代が続きましたが、皆さんのコールで電気を消すことができました!」と、声出し解禁に伴っておなじみの演出がよみがえったことを大いに喜んだ。
「いろんなアニメに携わらせていただきましたが、こんな甘いアニメに関わらせていただいたことはないです」とオーイシが紹介した次の楽曲は、ライブ当日に最終回を迎えた「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」のオープニングテーマ「ギフト」。ここではミュージックビデオにも出演したモデルのウーリャがサプライズゲストとして登場し、オーイシや女性ダンサー2人と華麗なダンスを披露して客席を沸かせた。4人はそのまま「オトモダチフィルム」でもパフォーマンス。場内を華やかな空気で満たした。
アコギを抱えて1人ステージ中央に残ったオーイシにピンスポットが当たり、会場がしっとりとしたムードに包まれるかと思いきや、激しいダンスに疲れ果てたオーイシは酸素を吸入。「シュー……」という音だけが聞こえるシュールな状況に客席からは笑いが起こった。「すげえ楽しい空間なのに、一瞬だけ天国のおじいちゃんが見えました」と虚ろな表情を浮かべたオーイシは、アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」で自身が大好きだというキャラクター・エミリアが歌う挿入歌として提供した「ぼうやの夢よ」をアコースティックギターの弾き語りで披露。2番からはバンドメンバーも加わり、芳醇なサウンドでオーイシの柔らかな歌声を支えた。
まばゆい逆光がステージを照らす中で「碧い砲撃」が始まると場内の空気は一転。続いて「英雄の歌」も披露され、壮大かつ力強いサウンドにオーディエンスのテンションは再び急上昇していった。オーイシが満員の客席を見渡し「人生で最高潮と言っても過言ではない空間、誰にも邪魔されたくない……」と話していると、ステージ袖から怪獣・ナナシBが登場。ライブ会場そして東京のピンチを救うべくステージにはダイナゼノンが現れ、オーイシが「SSSS.DYNAZENON」主題歌の「インパーフェクト」を熱唱する中で激しい戦闘を繰り広げた。その直後にはアレクシス・ケリヴも姿を現すが、その前にはグリッドマンが立ちはだかる。アレクシスの猛攻に一旦劣勢となったグリッドマンだが、オーイシの「UNION」の歌声とダイナゼノンの援護を受けて見事アレクシスを撃退した。
劇場版「グリッドマン ユニバース」主題歌でもある「uni-verse」のシンフォニックなアンサンブルがホール内に響き渡る中、アリーナ席にはナナシBとグリッドマンが現れてオーディエンスの一体感を高める。最後にオーイシは「ひと言言わせていただいていいですか? 東京じゃなきゃダメみたい!」と叫び、ラストナンバー「君じゃなきゃダメみたい」を披露。華々しい演奏で本編を締めくくった。
アンコールでオーイシは今回のライブの模様が3月30日にディレイ配信されることを発表し、ファンを喜ばせた。さらにオーイシは4月より放送されるテレビアニメ「勇者が死んだ!」のオープニングテーマ「死んだ!」を初披露すると話し、「また踊る曲を作ってしまいました(笑)。タイトルがタイトルだけに僕が死ぬ可能性があります」と怯えながらもパフォーマンスに入った。「死んだ!」はホラーテイストを交えたクールなダンスチューン。ゾンビ風の動きを取り入れた振付をパワフルに踊ってみせたオーイシは、曲が終わるとグッタリと膝に手を付いて観客の笑いを誘った。
最後のMCでオーイシは、アニソンシンガーとしての活動を始めてまもなく10年になることを振り返り「一番最初に出たイベントは2万人くらいいる神宮球場で、今でも忘れられない景色です。そのときは『こんなキラキラした世界で、40歳まで歌えるかどうか』と思って、40歳になったときはアニソンシンガーを辞めようとも考えたんです。でも今は43歳、みんなの笑顔を見ていたら辞めどきを見失ってました」と語る。そして「このままおじいちゃんになるまでアニソンシンガーになっちゃおうかと。10周年イヤーではみんなと楽しいことを仕掛けていきたいので、これからも仲良くしてください」とファンに呼びかけ、大きな拍手を浴びた。
そんな思いを表現するかのように、最後に披露された曲は「エンターテイナー」。オーイシは客席を見渡しながら伸びやかな声を響かせていたが、大サビに入る前に曲がブレイクする。何事かとオーディエンスが固唾を飲んで見守っていると、ステージ上方から「2024.3.2(土)日本武道館 ワンマン開催決定!」と書かれた幕が落ち、客席からはこの日一番の大歓声が沸き起こった。
どよめきが収まらないファンに向け、オーイシは「武道館決まったぞ! みんなに一番に伝えたくて」と笑顔で呼びかける。バンドメンバーと記念撮影し、最後に残ったオーイシは武道館ワンマンという夢の実現に向かって「みんなと一緒に叶えられるのがうれしいです。一緒に最高の1年を過ごしていきたいと思います」と決意を新たにし、ステージを去っていった。
この日初披露された「死んだ!」は4月7日に先行配信がスタートし、5月31日にCDリリースされることが決定。ライブ映像のディレイ配信視聴チケットはZAIKOにて販売されている。また、オーイシのYouTube公式チャンネルでは「uni-verse」のミュージックビデオも公開中。
「オーイシマサヨシ ワンマンライブ 2023」2023年3月25日 TOKYO DOME CITY HALL セットリスト
01. ようこそジャパリパークへ
02. 世界が君を必要とする時が来たんだ
03. ドラゴンエネルギー
04. 恋はエクスプロージョン
05. 楽園都市
06. 枕男子
07. ギフト
08. オトモダチフィルム
09. ぼうやの夢よ
10. 碧い砲撃
11. 英雄の歌
12. インパーフェクト
13. UNION
14. uni-verse
15. ロールプレイング
16. 君じゃなきゃダメみたい
<アンコール>
17. Hands
18. 死んだ!
19. エンターテイナー
「オーイシマサヨシ ワンマンライブ2023」東京公演ディレイ配信
配信日時:2023年3月30日(木)21:00~
チケット販売URL:https://ponycanyon.zaiko.io/e/oishimasayoshi0330
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