前日16日に同会場で行われた「柏木ひなた卒業式『smile for you』」をもって12年間にわたって在籍していた柏木ひなたがグループを離れ、17日の「大学芸会」で新メンバーの“エマユナ”こと桜井えま、仲村悠菜を加えた10人体制でのスタートを切ったエビ中。今年8月まで行われたオーディションを経て加入したばかりの2人は、先輩メンバーたちにも負けない堂々としたパフォーマンスでエビ中ファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)を圧倒した。
ライブのオープニング映像では真山りか、安本彩花、星名美怜、小林歌穂、中山莉子、桜木心菜、小久保柚乃、風見和香の8人がメンバーカラーのロッカーに向かい、「中吉」のアーティスト写真でもおなじみのピンクの制服を取り出す。8人が去ったあと、中央に鎮座するハニーオレンジ色とミルクティー色のロッカーに向かう2人の人物の後ろ姿が映し出された。その後場内に流れたのは、新メンバーオーディションのコンセプトにもなった「未確認中学生X」のイントロ。8人のメンバーが加入時期順に登場したのち、新メンバーの桜井と仲村が大きな拍手とともに迎えられた。
エマユナの2人はそのまま「未確認中学生X」のオープニングを歌い、ライブの幕開けを飾る。10人の息もぴったりなパフォーマンスに、ファミリーの熱気は早くも急上昇。続く「仮契約のシンデレラ」ではイントロのセリフを桜井と仲村が、間奏のセリフを桜木と小久保、仲村、風見が担当するなど、新体制ならではの割り振りでもファミリーを沸かせた。「売れたいエモーション!」では10人がトロッコに乗って会場中を行き来し、新たな表情を訪れた全ファミリーにアピールした。
最初のMCでは全メンバーが自己紹介。仲村は「エビ中で元気になりましょう! ペンライトいっぱい振りましょう! 今日は最後まで一緒に楽しみましょう! 純情博多っ子、出席番号17番、仲村悠菜です!」、桜井は「反抗期はありません。笑顔でいればなんでもできる、出席番号16番、桜井えまです!」と元気いっぱいに挨拶した。一方、前日16日に26歳の誕生日を迎えたばかりの最年長メンバー・真山は「私事ですが、26ちゃいになりました! エマユナちゃんはほやほやのエビ中になりましたけど、私もほやほやの26ちゃいとしてがんばり、まやまー!」とかわいらしく挨拶し、ファミリーを和ませた。
小林から初ライブを迎えた心境を尋ねられた桜井は「初ライブがこんなに大きい舞台でできると思ってなかったのですごいプレッシャーを感じていたんですけど、こうやってファミリーの皆さんの前で……」と早くも涙を浮かべ、真山から「泣くには早いよ?(笑)」と慰められ「最後まで楽しめるようにがんばります」と言葉を続ける。仲村は「き、緊張してたんですけど、皆さんの前で歌って踊ってたら楽しくなってきたのでこのまま最後まで突っ走ります!」と気合を見せる。そんな2人を見守った安本は「2人は今日まですごくがんばってきたと思うんですけど、今日はファミリーの皆さんは優しさとかいらないんで(笑)。いつもどおり、今日も皆さんに嘘のないパフォーマンスをぶつけます」と愛情のこもった檄を飛ばした。そんなやり取りに続いては、「ハッピーエンドとそれから」「イヤフォン・ライオット」など近年にリリースされたポップなナンバーが次々と披露された。
続いて場内に流れたVTRは、メンバー10人が「エビ中の『個性』とは?」と題したミーティングに臨むという内容。ライブで各メンバーの個性を披露するにはどんなパフォーマンスがふさわしいかという議論を繰り広げる先輩メンバーに、新メンバー2人は加入時に作ったという“エビ中メモ”の情報を次々と提供していく。10人が出した結論を「今からステージでお見せします!」という言葉のあとはユニットコーナーに突入した。ここで披露されたのは各メンバーの加入時期別によるパフォーマンス。真山は「青い青い星の名前」を涼やかな声で歌い、桜木、小久保、風見は「禁断のカルマ」で椅子を用いた妖艶なダンスを披露する。星名が「きゅるん」をキュートに歌い踊ったあと、小林と中山は元メンバーの杏野なつと鈴木裕乃によるユニット・Postgirlsの「友情ラブレター」を、LEDビジョンに映し出されたお互いへの直筆ラブレターをバックに歌う。安本は「ちがうの」を可憐な振付と併せて歌った。
桜井と仲村が何を歌うのか、ファミリーが固唾を飲んで見守る中で会場に響いたのは「スーパーヒーロー」のイントロ。ステージに現れたエマユナは1番を2人きりで歌いきり、観客を驚かせた。2人のパフォーマンスのバックにはレッスン風景が流れ、彼女たちがこれまで積み重ねてきた努力を伺わせる。そこに先輩メンバーが次々に加わり、歌声を重ねていった。映像内には、出席番号10番を付けたレッスン着の人物が桜井と仲村の背に手を添える場面も。エビ中の絆と、新たなスタートラインを感じさせる演出でファミリーを感動に導いた。
パステルカラーを基調とした新衣装に身を包み、ステージに再び集結した10人はそれぞれのパフォーマンスを振り返る。桜木、小久保、風見による「禁断のカルマ」は桜木が“セクシー隊長”として2人を率いたとのことで、風見は“エレガントセクシー”、小久保は“小久保柚乃セクシー”というそれぞれの担当を明かして笑わせた。和気あいあいとしたトークのあとライブは後半戦に突入するかと思いきや、星名がさらなる盛り上げを依頼すべくかけた電話に応えるという形で、ステージ上に橋本しん(Sin)(Key)、田口慎二(G)、伊平友樹(G)、島本道太郎(B)、森田龍之助(Dr)からなる“エビ中バンド”が登場。華々しい演奏に乗せた「CHAN-CHARA-CHAN」で後半戦の幕が上がった。
力強い味方を得たエビ中は「HOT UP!!!」「ラブリースマイリーベイビー」「BUZZER BEATER」といったナンバーをアグレッシブに披露する一方、「曇天」「星の数え方」では美しい歌声を響かせる。真山が「どんなに変化をしても、大切なことは歌に込めて。12年前に産声を上げた私立恵比寿中学の心臓の音は今もなお鳴り続けています。そして、これからも」と真摯な思いを語ったあとは「ジャンプ」へ。真山の言葉を体現するような白熱のパフォーマンスでファミリーを圧倒した。
最後の曲に入る前、真山は10人を代表して「皆さんと目指したい場所があります。もう一度さいたまスーパーアリーナに立てるように、私たち私立恵比寿中学は邁進していこうと思います」と、さいたまスーパーアリーナでのライブ開催を目指すことを宣言。「まだまだ不ぞろいな私たちですけど、どうか温かく、そして厳しく、愛を持って応援をよろしくお願いします」と呼びかけた。そして10人は金銀のテープが場内を舞う中、「君のままで」を晴れやかな表情で歌った。
アンコール1曲目として披露されたのは、柏木が最後に参加した最新楽曲「ボイジャー」。さらに10人は肩を組んだり笑顔を交わし合ったりしながら、「シンガロン・シンガソン」を楽しげにパフォーマンスした。ラストナンバー「永遠に中学生」を歌ったあと、エンディングでは星名がこの日のステージを「エビ中が新しく10人として生まれ変わることができてよかったな、と再確認できる日でした」と振り返る。また、新メンバーを迎えて“お姉さん”になった桜木は「先輩でもあり後輩でもある立場だけど、この1年半で私たちも成長したかなと思うので、またえまとゆなとも成長していきたいと思います」と意欲を明かした。
初ステージを終えた桜井は「私はひなたちゃんのパートを受け継がせてもらえることが多くて『ひなたちゃんみたいに』と思っていたけど、まやさん(真山)が『えまはえまなりでいいんだよ』と言ってくれたことがうれしくて。今日は自分らしくパフォーマンスできてよかったです」と、感じていた重圧を涙ながらに明かす。仲村も「エビ中に入って2カ月間レッスンをしてきてプレッシャーも感じていたけど、ステージから見える景色がすごくきれいで『ライブって楽しいな』と思えました」と、この日を振り返った。そんな2人にメンバーもファミリーも惜しみない拍手を送り、温かい空気の中で新体制初ライブの幕が閉じられた。
このライブのアーカイブ映像は12月24日23:59まで、PIA LIVE STREAMにて配信中。視聴チケットは同日18:00まで販売している。また2月18日には今回の卒業式ライブと翌17日の「New style 大学芸会~run in our ebichu family~」の模様がフジテレビTWOにて放送される。
「私立恵比寿中学 New Style 大学芸会~run in our ebichu family~」2022年12月17日 幕張メッセ 幕張イベントホール セットリスト
01. 未確認中学生X
02. 仮契約のシンデレラ
03. 売れたいエモーション!
04. ハイタテキ!
05. ハッピーエンドとそれから
06. 新未来センセーション
07. イヤフォン・ライオット
08. Bang Bang Beat
09. 青い青い星の名前 / 真山りか
10. 禁断のカルマ / 桜木心菜・小久保柚乃・風見和香
11. きゅるん / 星名美怜
12. 友情ラブレター / 小林歌穂・中山莉子
13. ちがうの / 安本彩花
14. スーパーヒーロー
15. CHAN-CHARA-CHAN
16. 制服“報連相”ファンク
17. HOT UP!!!
18. ラブリースマイリーベイビー
19. BUZZER BEATER
20. 曇天
21. 星の数え方
22. ジャンプ
23. 君のままで
<アンコール>
24. ボイジャー
25. シンガロン・シンガソン
26. 永遠に中学生
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