開演時刻を迎えた頃に折坂は、yatchi(Pf)、senoo ricky(Dr)、宮田あずみ(B)、山内弘太(G)、ハラナツコ(Sax)、宮坂遼太郎(Per)とともにステージに登場。「野焼き」を意味するツアータイトル「オープン・バーン」を表すように、草木が生い茂るステージの中央には炎を模したオブジェが設えられており、得も言われぬ存在感を放っている。折坂は「坂道」で軽やかにライブをスタートさせたのち、オブジェの横に鎮座し、影絵で犬を作りながら「炎はですね、業の深いものですから今日は皆さんどうか、よくよく気を付けて遊んでいってください」と、滔々とした語り口で観客に告げる。その後彼らは「荼毘」や新曲「ガマ」でプログレッシブなパフォーマンスを展開し、緩急の利いた演奏と、しなやかな歌声で観客を魅了した。弾き語りのパートでは、ひっくり返したバケツの上に座った折坂が「安里屋ユンタ」をゆったりと歌い上げ、観客は心地いい節回しの歌声にじっと耳を傾けた。
その後も折坂たちは、力強いボーカルが会場中に響き渡った「朝顔」や、極彩色の照明に照らされたステージから歪な音が鳴らされた「鯱」、ムーディな空気が立ち込める「夜香木」など、次から次へと多彩なパフォーマンスを繰り広げ、オーディエンスを圧倒していく。折坂と宮坂の2人だけで披露された「きゅびずむ」の歌唱後には、自由闊達なパーカッションの演奏を受けて折坂が「負けました……悔しいっすわ」と率直な感想をこぼし、客席に笑いが起きた。続けて彼は映画「ONE PIECE FILM RED」の劇中歌としてAdoへ書き下ろした「世界のつづき」を弾き語り。原曲の壮大なスケールとは一味違う、柔らかい歌の世界が広がっていった。
ライブが後半に差しかかった頃、折坂たちは即興での演奏からシームレスに「さびしさ」へとつなげる。アウトロでは荒々しいサウンドをこだまさせ、会場を熱狂の渦に包み込んだ。その後「無言」「爆発」「take 13」などを立て続けに披露した折坂は、再び影絵で鳩をステージバックに投影させたのち、ツアータイトルにも冠された新曲「オープン・バーン」を披露。開放的な演奏に軽快な歌声が乗り、会場がそれまでとは雰囲気の異なる晴れやかなムードに包まれた。そして最後に彼らは「あさま」をパフォーマンス。炎を模したオブジェが赤く明滅する隣で、折坂は伸びのある歌声を観客へとじっくり届けた。
アンコールの拍手を受けて、折坂たちは再び舞台に登場。折坂は「友達のbutajiと作った歌を1人で歌いたいと思います。なぜ1人で歌うかというと、人と関わりたいという気持ちと、1人でいなければという気持ちは、同じくらい重いベクトルがあるなと最近思うようになったからです」と語りつつ「トーチ」を披露。彼らは眩い照明の光を浴びながら、原曲の穏やかなアレンジとは異なる剥き出しのアンサンブルで、会場に激しいサウンドをこだまさせる。大迫力のパフォーマンスでライブを締めくくった折坂は、そのまま熱気で満ちた会場をあとにした。
「オープン・バーン」2022年11月2日 Zepp DiverCity(TOKYO) セットリスト
01. 坂道
02. 荼毘
03. ガマ
04. 道
05. 安里屋ユンタ
06. 朝顔
07. 鯱
08. 夜香木
09. 炎
10. よるべ
11. きゅびずむ
12. 世界のつづき
13. さびしさ
14. 心
15. 無言
16. 爆発
17. take 13
18. オープン・バーン
19. あさま
<アンコール>
20. トーチ
折坂悠太いんふぉ @orisakayuta
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Live Report
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@natalie_mu に、オープン・バーン 11/2 東京追加公演のライブレポートが掲載されました。
折坂悠太が影絵を織り交ぜながら20曲披露、“野焼き”をコンセプトにした全国ツアー東京公演
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📷Yukitaka Amemiya
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