壷阪健登×石川紅奈のユニットsorayaが初ワンマン、ジャズとポップスに架け橋

9

59

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 11 43
  • 5 シェア

ジャズベーシストの石川紅奈とピアニスト壷阪健登によるユニット・sorayaのワンマンライブ「そのいち」が、10月29日に東京・晴れたら空に豆まいてにて行われた。

sorayaワンマンライブ「そのいち」の様子。

sorayaワンマンライブ「そのいち」の様子。

大きなサイズで見る(全19件)

soraya

soraya[拡大]

ジャズシーンで活躍する石川と壷阪が「国も世代も超えて分かち合うポップスを届けられれば」という思いから結成したsoraya。2人は4月に1stシングル「ひとり / ちいさくさよならを」をリリースした際にYouTubeで無料生配信ライブを行ったが、本格的なワンマンライブは今回が初となった。

石川紅奈(B, Vo)

石川紅奈(B, Vo)[拡大]

ドラム、パーカッション、グランドピアノなどが並ぶステージ上で一際目を引く大きなウッドベース。壷阪がピアノの前に腰掛け、石川がウッドベースを抱えるように構えると、2人はまず1stシングルから「ひとり」を、バンド編成のレコーディング音源とは異なるピアノとベースのみのシンプルなアレンジで披露した。つぶやくように歌う石川の声が、会場に沁みわたるように広がっていく。2曲目は大貫妙子のカバー「くすりをたくさん」。壷阪によるアレンジはジャズプレイヤーならではの複雑な展開を見せ、観客は息をのんでそのプレイに耳を傾けた。ライブはしばらく2人だけの演奏で進行していく。

壷阪健登(Piano)

壷阪健登(Piano)[拡大]

石川紅奈(B, Vo)

石川紅奈(B, Vo)[拡大]

3曲目に披露されたのは、タイトルもまだ付いていない、石川のオリジナルナンバー。さらにThe Beatlesの「Blackbird」と「Mother Nature's Son」が石川のアレンジによるメドレーで続けて演奏された。ここで2人はひと呼吸置き、ユニット結成の経緯を話し始める。大学生のときに同い年のプレイヤーとしてお互いの存在を知った2人。壷阪はアメリカ・ボストンに拠点を移してジャズ修行を始めたが、直後に訪れたコロナ禍により活動の機会を失ってしまう。「料理とゲームしかすることがない」という虚しい時間を過ごしていたとき、石川がベースを弾きながら歌うはっぴいえんど「風をあつめて」のカバー動画をたまたま目にしたという。演奏ができなくなったジャズミュージシャンが一斉に宅録を始めたことをきっかけに石川のボーカリストとしての魅力を知った壷阪が、ポップスを作るうえでのパートナーとしてベーシストである石川に白羽の矢を立てた。「結成からわずか半年で思っていた以上の反応をいただいて。こうやってお客さんの前で演奏するなんて……コロナが始まった頃にはこんな日が来るなんて思ってもいなかったので、皆さんの前で演奏できることを本当にうれしく思います」と壷阪は実感のこもった言葉で語った。続いて歌われたデニース・ウィリアムス「Free」、PUFFY「愛のしるし」は、そんな2人がsoraya結成以前に“遊び”でカバーした2曲。sorayaの表現につながるポップなアレンジでユニットの原点を垣間見せた。

soraya

soraya[拡大]

sorayaワンマンライブ「そのいち」の様子。

sorayaワンマンライブ「そのいち」の様子。[拡大]

2人はサックス / フルート奏者の加納奈実、パーカッショニストで壷阪のボストン時代のルームメイトでもあるKanを呼び込むと、1stシングル収録曲「ちいさくさよならを」を4人で演奏。加納の華やかなフルートと、カホンを中心としたKanのビートが演奏に彩りを加えていく。続いて石川、壷阪、Kanにもう1人のゲスト・ドラマーの木村紘を加えた4人編成で披露されたのは、Carpentersのカバー「Sing」。世界中で親しまれるこのポップスを、アバンギャルドとも言える大胆なアレンジで料理した。この日のゲスト3人は、sorayaの新曲レコーディングに参加しているメンバー。5人がそろったところで、本日11月2日に配信リリースされた新曲「耳を澄ませて」を初披露した。最後は石川がエレキベースに、壷阪がエレクトリックピアノに替えて、10月19日リリースの新曲「BAKU」を演奏。夢を食べるバクをモチーフにしたキュートな楽曲ながら、軽やかに弾むビートは中盤ポリリズムへと展開する。石川はかわいらしいラップも披露し、場内をほっこりさせた。

アンコールの拍手を受けて、壷阪と石川は再び2人きりでステージへ。石川はベースを持たずにマイクの前に立ち、壷阪のピアノ演奏をバックに、NHK「みんなのうた」でお馴染みの童謡「北風小僧の寒太郎」を歌唱。訥々としたソフトな歌声で場内を包み込み、穏やかな余韻を残してライブを終えた。

この日披露された新曲「BAKU」「耳を澄ませて」は各サブスクリプションサービスで楽しめるほか、2人が出演するライブ会場限定でシングルCDとして販売されている。また、このライブの模様は当日生配信されており、11月5日23:59までアーカイブ映像を視聴できる。

この記事の画像・SNS投稿(全19件)

soraya ワンマンライブ「そのいち」2022年10月29日 晴れたら空に豆まいて セットリスト

01. ひとり
02. くすりをたくさん(オリジナル:大貫妙子)
03. Original3(タイトル未定)
04. Blackbird-Mother Nature's Son
05. Free(オリジナル:デニース・ウィリアムス)
06. 愛のしるし(オリジナル:PUFFY)
07. ちいさくさよならを -mc-
08. Sing(オリジナル:Carpenters)
09. 耳を澄ませて
10. BAKU
<アンコール>
11. 北風小僧の寒太郎

全文を表示

※記事初出時、本文中の表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

読者の反応

  • 9

J_ROCKNews @J_ROCKNews

壷阪健登×石川紅奈のユニットsorayaが初ワンマン、ジャズとポップスに架け橋 https://t.co/Q4aX4bYTAd

コメントを読む(9件)

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 soraya / 石川紅奈 の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。