エビ中のレア曲満載コンサート「ちゅうおん」、台風一過の秩父で新曲「ヘロー」も初披露

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私立恵比寿中学の秋の恒例野外コンサート「私立恵比寿中学 We sing a popular tune on the stage 題して『ちゅうおん』2022」が、9月24日と25日に埼玉・秩父ミューズパーク 野外ステージで開催された。

「私立恵比寿中学 We sing a popular tune on the stage 題して『ちゅうおん』2022」1日目の様子。

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1公演目を目前に記念撮影するエビ中とバンドメンバー。

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「ちゅうおん」はエビ中が生バンド演奏をバックに繰り広げるステージを着席スタイルで楽しめる野外コンサートシリーズで、今年で5回目を迎えた。現在の9人体制となってからは2回目、12月の“転校(卒業)”を控えた柏木ひなたにとっては最後の「ちゅうおん」となった今回、メンバーはそれぞれの歌唱力や個性を存分にアピールするパフォーマンスを繰り広げた。この記事では24日第1部の模様をレポートする。

9人横並びで歌うエビ中。

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「私立恵比寿中学 We sing a popular tune on the stage 題して『ちゅうおん』2022」1日目の様子。

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台風15号の接近に伴い会場には前日から雨が降り続いたものの、昼前には上がり時折日差しも差し込む天候に。若干の蒸し暑さも漂う中、開演時刻を迎えたステージに、まずはバンドメンバー13人が登場した。ストリングスカルテットが鮮烈なイントロを奏でたのち、グレーを基調としたシックな衣装に身を包んだエビ中の9人もステージに現れる。最初に歌われたのはStudio Apartmentの「Life from the sun」。軽やかなリズムに合わせてエビ中ファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)も熱い手拍子を送る。星名美怜の「とうとうこの季節がやって参りました!」という挨拶に続き、真山りかは全編英語詞のこの曲を歌い終えた感想を「ドキドキでしたけども(笑)。『ちゅうおん』の雰囲気に合っているんじゃないかと」と明かした。

小林歌穂(中央)のMCに笑いが止まらない真山りか(左)と桜木心菜(右)。

小林歌穂(中央)のMCに笑いが止まらない真山りか(左)と桜木心菜(右)。[拡大]

冒頭の自己紹介では安本彩花が「『ちゅうおん』で雨が降ってないのはひさびさですね!」、小久保柚乃が「晴れ女なので晴らそうとがんばりました(笑)」と、雨天が多い「ちゅうおん」には珍しい天候を喜ぶ。また声帯ポリープの手術を終えたばかりの真山は、今回のライブについて「歌える数曲に集中します」と、一部の楽曲のみで歌唱に参加することをファミリーに説明。ステージの去り際に「じゃあ『ロードモバイル』してきます!」と挨拶し、メンバーやファミリーを笑わせた。

私立恵比寿中学

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その後は真山を除く8人でのパフォーマンスへ。このパートではまず初めに、グループ結成初期のナンバー「どしゃぶりリグレット」を披露してファミリーを驚かせる。切なくも美しいボーカルで観客を魅了したあとは、こちらもひさびさの披露となった「U.B.U」「日記」を歌唱。8人は互いに笑顔を交わし合いながら、元気いっぱいに歌声を響かせた。ここで真山が再びステージに現れ、9人全員がそろって最新曲「ヘロー」を歌う。この日がライブ初披露となったこの曲で、エビ中の新境地をファミリーに届けた。

私立恵比寿中学

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ステージ後方に広がる空をメンバーが見上げながら歌った「幸せの貼り紙はいつも背中に」に続いては「感情電車」へ。コーラスとストリングスの音色がエビ中の歌声と響き合い、感動的な空間を作り上げる。メンバー全員がいったんステージから去り、1人残った柏木は「勘のいい人は“アレ”が始まるんだとわかると思いますが……」と、「ちゅうおん」恒例企画であるソロカバーコーナーの始まりを告げた。

「ワンダーフォーゲル」を歌いながらステージを駆け回る小久保柚乃。

「ワンダーフォーゲル」を歌いながらステージを駆け回る小久保柚乃。[拡大]

トップバッターの柏木が自身最後の「ちゅうおん」で披露するソロカバー曲として選んだのは宇多田ヒカルの「Automatic」。持ち前の歌唱力で高らかに歌い上げた柏木に続いては小久保が登場し、くるりの「ワンダーフォーゲル」をピュアな歌声で披露する。歌詞に合わせてステージを行き来する小久保の様子をバンドメンバーたちはニコニコしながら見守っていた。風見和香はにしなの「ケダモノのフレンズ」を、はつらつとした笑顔で歌唱。透明感のあるボーカルで曲の魅力を十二分に表現した。

「くちばしにチェリー」を歌う小林歌穂。

「くちばしにチェリー」を歌う小林歌穂。[拡大]

新メンバーたちのフレッシュなパフォーマンスから雰囲気を一変させたのは、小林歌穂が歌ったEGO-WRAPPIN'の「くちばしにチェリー」。妖艶な表情とエモーショナルな歌声で小林の新たな一面を見せつけるひとときとなった。安本はMISIAの「It's just love」を情感たっぷりに熱唱。ときに切なく、ときに力強い歌声でファミリーを惹き込んでいく。桜木心菜は不敵な微笑みを浮かべつつUAの「情熱」を披露し、堂々としたパフォーマンスで観客を圧倒した。

「今夜はブギー・バック」を歌う中山莉子(中央)。

「今夜はブギー・バック」を歌う中山莉子(中央)。[拡大]

星名は川本真琴の「愛の才能」を歌唱。持ち前のキャラクターを存分に生かした小悪魔的なパフォーマンスでファミリーを魅了する。真山はSaucy Dogの「シンデレラボーイ」を歌い、穏やかで深みのある歌声を通じて歌詞の世界を届けた。最後に登場した中山莉子が歌ったのは、小沢健二 featuring スチャダラパーの「今夜はブギー・バック」。キレのあるラップでソロカバーメドレーのラストを華やかに飾る。曲中にはほかのメンバーたちもステージに登場し、中山のパフォーマンスを彩った。

左から星名美怜、安本彩花、真山りか。

左から星名美怜、安本彩花、真山りか。[拡大]

左から小林歌穂、柏木ひなた、中山莉子。

左から小林歌穂、柏木ひなた、中山莉子。[拡大]

左から桜木心菜、風見和香、小久保柚乃。

左から桜木心菜、風見和香、小久保柚乃。[拡大]

ライブ後半では「涙は似合わない」のまっすぐな歌声を届けたあと、「宇宙は砂時計」で幻想的な世界へと誘う。重厚なバンドアンサンブルに乗せて「スーパーヒーロー」を力強く歌ったエビ中は、残り少ないライブを惜しむように「ちゅうおん」には欠かせない「蛍の光」を可憐に歌った。「ハッピーエンドとそれから」の軽快なサウンドが響いたあと、エビ中は感謝を込めてバンドメンバーを紹介。9人で手をつないでラストナンバーへと突入する。ここで披露されたのは「また明日」。この曲は3B juniorの楽曲ながら、エビ中は活動初期のレパートリーに取り入れており、かつてはライブのラストを飾る定番曲となっていた。

ひさびさのパフォーマンス、生演奏による華やかなアレンジで最後にファミリーを大いに驚かせたエビ中は、この日の感想を思い思いに語り合う。中山はライブ前日に防寒対策を万全にするようファミリーに呼びかけたものの、結果として気温が大きく上昇したことに「『なんだよ!』って感じだよね? ごめんね!」と苦笑い。また、星名が「『また明日』なんて何年ぶりに歌った?」と懐かしむと、真山も「(自分が)柚乃くらいの年齢だったよね?」と昔を振り返っていた。和やかなトークを繰り広げたあと、メンバーを代表して星名が「最高の思い出が作れたと思います!」と挨拶。9人はそれぞれ晴れやかな表情でステージを降りていった。

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「私立恵比寿中学 We sing a popular tune on the stage 題して『ちゅうおん』2022」2022年9月24日・25日 秩父ミューズパーク 野外ステージ セットリスト

01. Life from the sun(オリジナル:Studio Apartment)
02. どしゃぶりリグレット
03. 曇天
04. U.B.U
05. 日記
06. ヘロー
07. トキメキ的週末論
08. 幸せの貼り紙はいつも背中に(第1部) / お願いジーザス(第2部)
09. 感情電車
10. Automatic / 柏木ひなた(オリジナル:宇多田ヒカル)
11. ワンダーフォーゲル / 小久保柚乃(オリジナル:くるり)
12. ケダモノのフレンズ / 風見和香(オリジナル:にしな)
13. くちばしにチェリー / 小林歌穂(オリジナル:EGO-WRAPPIN')
14. It's just love / 安本彩花(オリジナル:MISIA)
15. 情熱 / 桜木心菜(オリジナル:UA)
16. 愛の才能 / 星名美怜(オリジナル:川本真琴)
17. シンデレラボーイ / 真山りか(オリジナル:Saucy Dog)
18. 今夜はブギー・バック / 中山莉子(オリジナル:小沢健二 featuring スチャダラパー)
19. 涙は似合わない(第1部) / さよならばいばいまたあした(第2部)
20. 宇宙は砂時計(第1部) / ナガレボシ(第2部)
21. スーパーヒーロー
22. 蛍の光
23. ハッピーエンドとそれから(第1部) / 星の数え方(第2部)
24. また明日

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