変態紳士クラブが人気と実力を証明した武道館公演、「YOKAZE」に乗って過去最大規模で「すきにやる」

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変態紳士クラブが2月20日に東京・日本武道館で単独公演「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」を開催した。

「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:太田好治)

「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:太田好治)

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変態紳士クラブはラッパーのWILYWNKA、レゲエディージェイのVIGORMAN、プロデューサーのGeGにより2017年に結成された3人組ジャンルレスユニット。そのユニット名とは裏腹に親しみやすいキャラクターと、ポップな楽曲の数々で着実に人気を伸ばしてきた3人は、2020年に発表した楽曲「YOKAZE」のストリーミングヒットをきっかけに一気に知名度を高め、目標としていた大阪・大阪城ホールでの単独公演を昨年成功させる。この大阪城ホール公演において開催が発表されたのが初の日本武道館単独公演だ。彼らにとって大きな挑戦となった本公演だが、当日の武道館には彼らと同世代の若者を中心に数多くの観客が集結。3人がこの場所にふさわしい存在にまで成長したことを会場のにぎわいが示していた。

来場者を「変態紳士舞踏会」に誘うオープニングムービーの上映後、ステージにはバーのマスターに扮したGeGと開店準備を進めるWILYWNKA、VIGORMANの姿が。「お前ら在庫確認してこい!」というGeGの指示で2人がステージを去ると会場は暗転し、パーティの幕開けを告げる妖しげな音楽と、木村昴のナレーションが響きわたる。

「変態紳士・淑女の皆様、長らくお待たせいたしました!ズッコケ・ボンクラ3人組の働く世にも奇妙な大人の遊び場、変態紳士クラブがお送りする今宵のパーティ、変態紳士舞踏会。まもなくオープンです!」

「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:Uran)

「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:Uran)[拡大]

「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:cherry chill will.  )

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ステージにスポットライトが差し、バーカウンターに座ってクールにラップするWILYWNKA、その横に立って力強い歌声を響かせるVIGORMANが順に照らし出されると、いよいよパーティがスタート。GeGと林拓也(B)、山岸竜之介(G)、Tatzma the Joyful(G)、竹村仁(Dr)、中村エイジ(Key)、knockwide(Perc)によるG.B.'s BANDに支えられたMC2人が歌うのは、ライブへの強い意気込みが感じられる新曲だ。観客のテンションが急上昇する中、高らかに開幕を宣言したスーツ姿の変態紳士クラブは「On My Way」「GOOD and BAD」とご機嫌なナンバーを立て続けに披露。観客は心地よさげに体を動かし、スクリーンには満面の笑みを浮かべながらパフォーマンスする3人が大写しになった。

「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:Uran)

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「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:Uran)

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グルーヴィな「Get Back」で武道館を揺らした変態紳士クラブは「このまま続けたら俺らどうなるんかな?」「この店もお前らもボロボロになります」というVIGORMANとWILYWNKAの掛け合いから、ヘビーなギターがフィーチャーされた「ボロボロ」へ。荒々しいパフォーマンスを繰り広げた彼らは、その勢いのまま「CIROC」になだれ込み、観客のボルテージを高めていく。極め付けは「P-BOYZ」だ。バーカウンターに置かれたパッドをメンバーが押すごとにゲストの伊藤修平によるチェロ、バンドメンバーによるギター、ドラムの演奏が加わっていくという演出で始まったこの曲では、音に合わせて何度も爆炎が上がった。

会場の温度が文字通り上昇する中、「情景が浮かぶ楽曲を作りたい」と語った変態紳士クラブは、サマーチューン「Hey Daisy」に続けてセンチメンタルなウインターソング「DOWN」を披露。楽曲が持つ力とそれを表現する確かなスキルで空気を一変させる。さらに「Sorry」「Good Memories」でメロウなムードが生み出されたところで会場が暗転すると、シークレットゲストのkojikojiが登場。彼女の透明感あふれる歌声をフィーチャーした映画「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」の主題歌「Eureka」が披露された。

「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:cherry chill will.  )

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初ライブは10人、最初のワンマンライブは250人ほどしか観客がいなかったが、その頃から本質は変わっていないと語った変態紳士クラブは、ここで初期作「ZIP ROCK STAR」の収録曲を過去最大のスケールでパフォーマンス。同じ曲を連続でパフォーマンスするレゲエのスタイル“コマゲン”も盛り込んで場内の熱気を高め、初期からの代表曲「すきにやる」でファンを熱狂させた。また3人それぞれがソロでも活動する変態紳士クラブはソロ名義曲も披露。「スーツ暑いんちゃう?」とWILYWNKAとGeGに着替えを促してステージに1人残ったVIGORMANは「ろくでなしの唄」を熱唱し、“公式ユニフォーム”だというグッズに着替えたWILYWNKAはTikTok経由で大ヒットした「Our Style」で会場を大いに盛り上げる。GeGのソロ演奏でスタートした「Merry Go Round」ではスペシャルゲストの唾奇が登場。WILYWNKA、VIGORMANとともにマイクリレーを繰り広げ、ファンを歓喜させた。

「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:Uran)

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「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:cherry chill will.  )

「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」の様子。(撮影:cherry chill will. )[拡大]

ライブ終盤、変態紳士クラブは、毎日を必死に生き抜く人々の気持ちを代弁した新曲を初披露。彼ららしい等身大の言葉とドラマチックな演奏で観客の心を打つ。そして夜明け前を歌った「5 O'clock」や再会を約束する「See You Later」で終演が近いことを知らせた3人は、彼らを武道館まで連れてきた曲と言っても過言ではない「YOKAZE」のパフォーマンスに突入。この曲では観客が自発的にスマホのライトを点灯させ、メンバーの心に刻まれるような美しい”夜景”を生み出していく。すっかりフィナーレのムードだが、「変態舞踏会」はまだ終わらない。3人はとっておきのアッパーチューン「HERO」で最後の力を振り絞り、この日のハイライトとなるような盛り上がりを作り上げた。パフォーマンスを終えた3人は会場に集まったファンと記念撮影を行い、バンドメンバーとともに笑顔で退場。昨年はテレビ朝日系「ミュージックステーション」をはじめとしたメディアへの露出でその名を全国に知らしめた変態紳士クラブだが、その真骨頂はあくまでライブ。それを証明した一夜だった。

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変態紳士クラブ「変態紳士舞踏会 in 日本武道館」2022年2月20日 日本武道館 セットリスト

01. Intro~新曲1(タイトル未定)
02. On My Way
03. GOOD and BAD
04. Get Back
05. ボロボロ
06. CIROC
07. P-BOYZ
08. Hey Daisy
09. DOWN
10. Sorry
11. Good Memories
12. Eureka feat. kojikoji
13. ZIP ROCK STAR
14. UGHHHH
15. WAVY
16. すきにやる
17. ろくでなしの唄 / VIGORMAN
18. Our Style / WILYWNKA
19. Merry Go Round feat. BASI,唾奇,VIGORMAN,WILYWNKA / GeG
20. 新曲2(タイトル未定)
21. 5 O'clock
22. See You Later
23. YOKAZE
24. HERO

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変態紳士クラブ @HENTAI_CLUB06

日本武道館公演のライブレポートが公開されてます!セットリストや写真もありますので、是非チェックして下さい♫ https://t.co/yqWlgw0UBr

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