昨日12月21日はTAKUYA∞の42歳の誕生日。ニューアルバム「30」の発売前夜でもあり、生誕祭では新曲も数多く披露された。
開演が近づくと会場には力のこもったハンドクラップが鳴り響き、crew(UVERworldファンの呼称)の準備は万端。昂るオーディエンスを前に、まずは真太郎(Dr)が1人でステージに姿を現した。スポットライトの下で真太郎がドラムを乱れ打ち、スタートしたのは「Wizard CLUB」。次々とメンバーがステージに上がり、彰(G, Programming)が太鼓を力強く打ち鳴らす。次の瞬間、大きな爆発音とともにステージから火花が上がると、TAKUYA∞は「横浜アリーナファイナル、ぶちかまそうか!」と咆哮してオーディエンスを昂らせた。燃えたぎるようなプレイを繰り広げ、彼らはそのまま「stay on」へ。そんなUVERworldのパワーに一歩も譲ることなく、crewも声は出せなくともありったけの思いを拳に込めて突き上げた。
「ODD FUTURE」では高揚感に満ちたビートに乗せてオーディエンスが一斉にジャンプ。横浜アリーナは一瞬にして巨大なダンスフロアと化す。「懐かしいナンバーをやります」というTAKUYA∞の言葉を経て披露されたのは「EMPTY96」。衝動に身を任せるようなストレートなバンドサウンドが場内いっぱいにみずみずしく響きわたった。「あなたがどこにいるか、はっきり見せてよ」とTAKUYA∞が告げると、オーディエンスの1人ひとりがスマートフォンの光を灯し、会場には一瞬にして“星空”が広がる。TAKUYA∞は「UVERworldはきっと流星群から外れた彗星。俺たちは何をするにも人より少し時間がかかるから、流星群が過ぎ去ったあと、誰も見上げていない夜空を1人で輝こうとした」と述べ、「見つけてくれたみんなには本当に感謝してる」とオーディエンスに思いを伝えた。「うまく人と合わせることができないから、誰にでも好かれるバンドじゃないんだけれども、うまく合わせていくこともできないから、せめて自分たちを愛してくれる人くらいは大切にしようと思ってます。そんな生き方、間違ってねえよな!」とTAKUYA∞が叫び、歌い始めたのは「AFTER LIFE」。彼らの思いに共鳴するように会場に灯された“星”が美しく揺れた。
最新シングル曲「AVALANCHE」ではメンバー全員がステージ前方に集まり、渾然一体のサウンドを力強く打ち付けるように鳴らす。そして彼らは飾らない言葉がつづられた「ハイ!問題作」と、克哉(G)によるアコースティックギターの音色が心地のいい「THUG LIFE」をリラックスしたムードで続けて披露した。「今日は俺の好きなセットリストでやっていいっていう約束だもんね。大好きな曲やるよ! これが俺たちの新しい時代を開いたきっかけになった曲!」とTAKUYA∞が告げると、「Making it Drive」の演奏がスタート。スケール感のあるサウンドとローテンポのビートに身を任せるようにオーディエンスは自由に体を揺らした。
毎年自身の誕生日に男性crewと10kmランニングを行ってきたTAKUYA∞。今年はメンバー5人全員がランニングについてきてくれたという。新型コロナウイルス感染症の影響でcrewと走ることはできなかったが、TAKUYA∞はアプリを使ってcrewとタイムを計測。1位のcrewは日本記録にせまる30分43秒だったということでTAKUYA∞は悔しがりつつも「誇りに思う!」と猛者を讃えた。TAKUYA∞は「健康のために走ってんじゃねえからな! ダイエットのために走ってんじゃねえんだからな! やりきれることなんて全部やってんだよ。思いつくことなんて全部やってんだよ。それでも足りねえんだよ。それでも不安だからこそ、なんとか走って、俺たちの夢をつなぎ合わせるための“RUN”!」と叫び、「PRAYING RUN」をギラついた瞳で熱唱。前のめりの演奏がcrewたちの心をたぎらせ、会場の熱気は一層高まった。
ここからUVERworldは最新シングルやニューアルバムから新曲を立て続けに披露。新しい夢へと向かっていく仲間への応援歌「イーティー」、ロマンティックなラブソング「えくぼ」、メンバーへの愛と感謝が詰まった「OUR ALWAYS」で会場は温かな空気に満たされた。その後、彰、克哉、誠果(Sax, Manipulator)、信人(B)、真太郎はインストナンバー「Spreadown」をパフォーマンス。芳醇なソロプレイを展開し、熱のこもった音をオーディエンスに浴びせた。ライブ終盤に向けてUVERworldは「NO.1」で加速していく。咆哮のように高らかなサックスでスタートした「Touch off」では、彼らの白熱の演奏に呼応するようにステージ上で炎が燃え盛る。「IMPACT」ではUVERworldの6人とcrewたちの熱がすさまじいエネルギーとなって会場に渦巻いた。
「すげえ! このためにバンドやってるよ! 本当に幸せ、ありがとう!」とTAKUYA∞は雄叫びを上げ、「最高の誕生日を迎えさせてもらってます」と感極まった様子。彼は「今のこの時代に起きている出来事、何か意味があるとして、それが俺たちにどういうメッセージを突き立てているのかいまだにわからないけど、俺はやっぱりこれをやっていたいし、バンドが好きだし、どんな嫌なことがあっても、どんな悲しいことがあっても、俺たちはミュージシャンだから、たった5分かそこらの音楽に変えて、匍匐前進でも進み続ける。そう決めたんだ」と言い切った。「俺はこの曲をみんなに聴いてほしくて、今日このステージに立ってるのかもしれない」というTAKUYA∞の言葉を経て披露されたのは、ニューアルバムのリードトラック「EN」。「これが俺たちのすべてだ!」とTAKUYA∞は吠え、剥き出しの言葉に思いを込めて叫ぶように歌った。
TAKUYA∞は「こんなにもUVERworldがずっと強気でいられるのは……こんな自由に動けなくなった2年間であろうが俺たちがリリースをしようとしたら望んでくれるし、ネット配信でライブをしようとしたらたくさんの人が観てくれるし、あなたたちが支えてくれるから、こんな真っ暗な状況でも何も怖くなく、まっすぐ自分たちのメッセージを作ることに時間を費やせた。本当にありがとう」とcrewに感謝。最後にはバンドの現在の思いを象徴する新曲「One stroke for freedom」をまっすぐにオーディエンスの心に向かって届けた。生誕祭のすべてのパフォーマンスを終え、TAKUYA∞はメンバーとハイタッチ。両手を広げて彰を迎え入れ、笑顔で抱き合う場面もあった。信人は「TAKUYA∞を祝いに来てくれてありがとうございます。UVERworldのボーカリストとして才能とかカリスマ性があるんですけど、とは言っても物心がついた頃からずっと一緒にいる幼馴染みなので、すごく感動してます」とコメント。克哉は「ご存知の通り、(TAKUYA∞は)どストレートなまっすぐなやつで、曲がることができないので、いつもまっすぐ行ってぶち当たってみたいなことを繰り返してるやつなんですけど、だからこそあんな歌詞が書けるんじゃないかなと思うときが多々あります。そしておそらく類は友を呼ぶという、あなたたちにもちょっと似たところがあるんじゃないかなと思いながら、今日ライブをしていました」と会場を見渡した。誠果は「この喜んだ顔が見れて幸せです!」と優しい目をTAKUYA∞に向け、彰は「最後にちょっと衝撃的なハグがあったんですけど……僕とTAKUYA∞は仲が悪いという噂がちらほらあるんですが、あれ(ハグ)が事実です」と照れ笑い。そして真太郎の「本当にめでたい生誕祭になりました。おめでとう! 今日はせっかくなので一本締めで終わりたいと思います。皆さん、お手を拝借!」という呼びかけによって、6人とcrewの一本締めでTAKUYA∞の生誕祭の幕は閉じた。
UVERworld「UVERworld ARENA LIVE 2021 ~THE DAWN WILL BREAK~」2021年12月21日 横浜アリーナ 夜公演 セットリスト
01. Wizard CLUB
02. stay on
03. ODD FUTURE
04. EMPTY96
05. AFTER LIFE
06. Forever Young feat.
07. AVALANCHE
08. ハイ!問題作
09. THUG LIFE
10. Making it Drive
11. PRAYING RUN
12. イーティー
13. えくぼ
14. OUR ALWAYS
15. Spreadown
16. NO.1
17. Touch off
18. IMPACT
19. EN
20. One stroke for freedom
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「これが俺たちのすべてだ!」UVERworld・TAKUYA∞生誕祭、剥き出しの音楽で伝えた思い https://t.co/TUfgi1JPTr