LiSA日本武道館で10周年ツアーファイナル、走り続けた先に見つけた最高の景色

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LiSAのアリーナツアー「LiVE is Smile Always~LADYBUG~」の追加公演が12月7、8日に東京・日本武道館で行われた。この記事ではツアー千秋楽となった8日公演の模様をレポートする。

LiSA(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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LiSA「LiVE is Smile Always~LADYBUG~」日本武道館公演の様子。(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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2014年の単独公演「LiVE is Smile Always~今日もいい日だっ~」で初めて日本武道館のステージに立ったLiSA。その後も2015年1月の2DAYS公演「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」、2018年のアジアツアー「LiVE is Smile Always~ASiA TOUR 2018~[eN]」初日および2日目と3回にわたってこの“聖地”でのライブを成功させてきた。2020年は2つのツアーが中止となったが、今年7月にスタートした全国ツアー「LiVE is Smile Always~LADYBUG~」は5つのアリーナ会場で展開され、その追加公演として4回目の武道館ライブが実現した。ステージは武道館のド真ん中に360°見渡せる形で設置され、今回のツアーを象徴するてんとう虫(LADYBUG)型の巨大オブジェ“メカテントウ”がLiSAッ子(LiSAファンの呼称)を待ち構えていた。

LiSA(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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LiSA「LiVE is Smile Always~LADYBUG~」日本武道館公演の様子。(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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開演時刻となり客電が一斉に落とされると、東西南北からステージを囲むLiSAッ子のペンライトが場内をピンクに染め上げる。ステージセットのメカテントウは重厚な銅を思わせる素材でできており、歯車状の斑点がスチームを上げながら上昇。ステージの頭上に設置されたモニタに「10年後の私へ」と題されたLiSAのメッセージが流れる中、まずはバンドメンバーがアリーナを通ってゆっくりステージへと上がり、その後ろを黒装束の5人が歩く。バンドが1曲目「dawn」のイントロを奏でると、黒装束の1人がベールを脱ぎ捨て、LiSAが姿を現した。LiSAは歌詞に合わせて「迎えに来たぞ、武道館!」と叫び、「全部楽しむ準備はいい? 最高に楽しんでいきましょう! ピース!」と四方のLiSAッ子を歓迎した。張り詰めた表情でライブをスタートさせたLiSAだったが、2曲目「白銀」では顔をほころばせ、客席に笑顔を向ける。続く「ADAMAS」ではマレットを振りかざしてフロアタムを叩き、観客のハンドクラップを促した。

LiSA「LiVE is Smile Always~LADYBUG~」日本武道館公演の様子。(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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「いい子にしてた? 今日はぜーんぶ置いてくから、みんなの全部見せてよ!」とLiSAッ子たちに呼びかけたLiSAは、「ViVA LA MiDARA」を歌いながらステージ上を東西南北ぐるりと回る。曲中で衣装を脱ぎ捨てレザーのショートパンツ姿になったかと思うと、続く「GL」ではダンサー4人とともにチャイナドレス風の衣装でダンス。椅子を使った妖艶なパフォーマンスで観る者の視線を惹き付けた。そしてLiSAは一緒にステージを盛り上げるバンドメンバーの柳野裕孝(B)、PABLO(G)、生本直毅(G)、石井悠也(Dr)、白井アキト(Key)、岩村乃菜(Cho, Perc)、ダンサーのYUUKA、yUkA、Peco、NOSUKEを1人ひとり紹介。北川悠仁(ゆず)との共作によるキャッチーなナンバー「ノンノン」をバンド&ダンサーとともに楽しくパフォーマンスした。場内のLiSAッ子たちは総立ちで盛り上がりながらも、声を上げることはできない。そこでLiSAはおもむろにハンマーを手に取り、シンセパーカッションを鳴らしてリズムでコール&レスポンスを試みる。LiSAが「妄想コントローラー」に合わせて鳴らすビートやボイスサンプルに呼応してLiSAッ子たちは手を鳴らし、LiSAが振り回すハンマーの動きに合わせてペンライトの灯りで巨大なウェーブを作り上げた。

LiSA(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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LiSA「LiVE is Smile Always~LADYBUG~」日本武道館公演の様子。(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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このツアー中、「HADASHi NO STEP」「往け」「明け星 / 白銀」と実に4曲の新曲を発表したLiSA。5月にリリースされたアルバム「LADYBUG」を軸としたツアーながら、新たなシングルが出ればすぐにセットリストに取り込んできた。「ツアーは何カ月も前から準備して、何度もリハをして……最初はなかったものが生まれてきたよね。リハーサルでいろんなことが生まれるんですよ」とLiSAが話すと、ドラマー石井は「変化しすぎですよ」と苦笑い。緊張をほぐすようにバンドメンバーとフランクなトークを繰り広げたのち、LiSAは「不安定な世界で不安になったり、臆病になったり。いろんなことに期待したり、それがなくなったり。それでもいつかまたこうやって楽しめる日が来るんだと信じながらやってきました。そして今日、迎えたファイナルです。どんなことがあっても、私をこのステージに立たせてくれたのは、目の前のこの瞳に映るみんながいてくれたからです」とLiSAッ子への感謝を告げると、アカペラで「シルシ」を歌い始める。バンドはアコースティックアレンジでそのあとを追い、LiSAの歌声をドラマチックに包み込んだ。「幸せを数えながら、悲しみを振り払いながら、その先にこんな最高な未来があると信じながら、ずっと走り続けてきました」と前置きし、「おまじないの歌」と紹介されたのは、映画「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」の主題歌として10月にリリースされた新曲「往け」。YOASOBIのコンポーザーとしても活躍するAyaseが作曲した起伏の激しいメロディを、LiSAは強力なバンドサウンドに乗せて歌い上げた。

LiSA(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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“音ゲー”を思わせる幕間映像を挟み、ライブは後半戦へ。「play the world! feat.PABLO」ではPABLOもボーカルとしてマイクを握り、LiSAと2人で円形のステージを駆け回る。アウトロではダンサーが1人ずつ石井のドラムとユニークな掛け合いをする場面も見られた。そしてLiSAは「武道館、遊び尽くすぞー!」と叫ぶと、動く円形ステージ上でバンドメンバーの周囲を高速回転しながら「RUNAWAY」を披露。ここから「炎」「明け星」「紅蓮華」とアニメ「鬼滅の刃」を彩る楽曲へとつないでゆく。「炎」ではステージに8本の松明が灯り、モダンな和装に着替えたLiSAはせり上がるステージ中央で熱唱。武道館はペンライトで真っ赤に染め上げられた。「明け星」ではバンドメンバーが円形ステージ上で回転。「紅蓮華」ではメカテントウの歯車がスチームを上げながら降下し、パワフルな歌唱と演奏に一層の迫力を加えた。着物風の衣装を脱ぎ捨てたLiSAは「一気に行くよ!」と息つく間もなく「ROCK-mode'18」「Rising Hope」を連発し、最後はダンサー4人も交えて「ハウル」を披露。「どんな日も今日を超えてゆけ! 今日を、今日を超えてゆけ! ピース!」と明るい笑顔で締めくくった。

LiSA(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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LiSAとバンドメンバー、ダンサーたちが舞台を去ると、暗転したステージ上のスクリーンに、LiSAがデビューから現在までの歩みを振り返るインタビュー映像が流れる。LiSAは“10年前の私”に向けて「がむしゃらに走り続けた先には、なんだかすごいとこまできたなと思える10年後が待ってるから……たくさん悩んでください(笑)。たくさん悩んでたくさん泣いて、それでも絶対何かあるって信じて走り続けてください」とメッセージ。映像が終わると、LiSAはバンドメンバーとともに再びステージに上がり、10年間の思いを込めて自ら作詞作曲した「Letters to ME」を披露。あふれる涙をこらえるように、時折声を詰まらせながら歌い、力強くピースサインを掲げた。鳴り止まない拍手の中、LiSAは深いおじぎをひとつ。そして「10年、最高の日ばっかりじゃなかったけど、『今日もいい日だっ。』って言える完璧な日ばかりじゃなかったけど、その最低かもしれない1つひとつを、みんなが会いにきてくれた1回1回のライブを、大切に作ってきた1曲1曲を、毎日生きてる1日1日を『最高じゃなかった』なんて思いたくなくて、『今日もいい日だっ。』って唱え続けてきました。うまく言えないけど……10周年、ツアーファイナル。今日この日本武道館でみんなと迎えられたこと、今日は本当に本当に最高の『今日はいい日だっ。』って言えます。本当にありがとう」と、デビュー当時から言い続けてきた母譲りのフレーズ「今日はいい日だっ。」をLiSAッ子たちに伝えた。

LiSA(photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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「みんなが一緒に信じてくれた今日のように、私もみんなと生きてる今日を生きています。だから、思い切って走ってっていいよ。だから10年後も一緒に遊ぼうね。いろんな日を最高に変えてくれたのは、君です、君です、君です、君です……みんなです!」と武道館に集まったすべてのLiSAッ子を指さしたLiSAは、ツアー全公演で行ってきた記念撮影をしたのち、「日本武道館でラストにこの曲を歌えること幸せに思います」と、松本孝弘(B'z)がサウンドプロデュースした「Another Great Day!!」をパフォーマンス。バンドメンバーとダンサーを送り出したあとも「帰りたくない……嫌や、帰りたくない!」とLiSAッ子たちとの別れを惜しむLiSAは、帰り道の途中で再度マイクを握り、「みんなで生きている2021年12月8日、本当に最高でした。生きててよかったって本気で思ってます。みんなと生きてるこの時代が本当に幸せです」と言い残し、武道館をあとにした。

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LiSA「LiVE is Smile Always~LADYBUG~」追加公演
2021年12月8日 日本武道館 セットリスト

01. dawn
02. 白銀
03. ADAMAS
04. ViVA LA MiDARA
05. GL
06. わがままケット・シー
07. ノンノン
08. 妄想コントローラー
09. シルシ
10. 往け
11. play the world! feat.PABLO
12. RUNAWAY
13. 炎
14. 明け星
15. 紅蓮華
16. ROCK-mode'18
17. Rising Hope
18. ハウル
19. Letters to ME
20. Another Great Day!!

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楊(やん) @yan_negimabeya

【ライブレポート】LiSA日本武道館で10周年ツアーファイナル、走り続けた先に見つけた最高の景色(写真12枚) https://t.co/kCkcnMo71Z

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