ステージを覆う紗幕に「音沙汰」というライブタイトルが表示されると、幕の奥には和装に身を包んだReolの姿が。「渋谷公会堂『音沙汰』、ようこそ」と短く挨拶をした彼女はミドルテンポのナンバー「un, deux, trois」で静かにライブをスタートさせる。Reolの歌に合わせて歌詞が浮かび上がる映像演出と共に1曲披露されると幕が上がり、Reolの姿やこの日のステージセットが明らかに。「音沙汰」ではカルテットを組み込んだ8人編成でライブが行われ、CDや配信音源とは異なるこの日ならではのストリングスアレンジで楽曲が披露された。「カルト」を歌いながら被り物を取ったReolは、ピアノとバイオリンの流麗な旋律をバックに「SAIREN」で切なくも力強い歌声を響かせる。「激白」では素足で軽快なステップを踏みながら声を出せないオーディエンスにクラップを促し、会場内の一体感を高めていく。「秋映」の演奏中にはストリングスの演奏に合わせてステージ上を落ち葉が舞い、すでにライブのフィナーレのような荘厳さを醸し出していた。
MCで約1年半ぶりの有観客ライブの開催を喜んだReolは、昨年8月にこの会場で無観客ライブ「Reol Japan Tour 2020 ハーメルンの大号令 -接続編-」を開催したことを振り返りながら「あの日のライブで大切になった曲を歌います」と語り、「1LDK」を歌い始める。無観客ライブでは会場内に模した“1LDK”のサブステージで歌ったこの曲を、この日はオーディエンスがスマートフォンで照らした多数の光を見渡しながらパフォーマンス。観客の存在を身近に感じながら1曲歌い切ったReolは「素敵な夜をありがとう」と、スマホを掲げた観客たちに感謝の言葉を述べた。カルテットが演奏する音色に合わせ、番傘を手にしたReolの歌声が会場内に響いた「ちるちる」、再び紗幕が降りて派手な映像演出の中と共に届けられた「ハーメルン」を経てライブは中盤へ。オーディエンスが鳴らすクラップに合わせて体を揺らしながら、彼女はライブの定番曲「No title」を高らかに歌い上げた。
「新曲をやります」というアナウンスから「白夜」を歌唱したReolは、アウトロの演奏をバンドメンバーに委ねて衣装チェンジに向かう。ウエディングドレス姿でステージに再び登場した彼女は「Behind The Night」で、仁王立ちをしながらコルネットを吹いて演奏に参加。さらに「GRIMOIRE」ではドレス姿のReolがキュートなダンスと共に歌を届けて観客たちを魅了し、「失楽園」では彼女がステージの一角に座ってタバコをくゆらせながら歌うなど、楽曲の世界観に合わせた多彩な演出で観る者を飽きさせないパフォーマンスを繰り広げた。再び観客たちにスマホのライトを点灯するよう呼びかけたReolは本編最後のナンバー「平面鏡」を熱唱。客席に多数のスマホの光が灯るのみならず、ステージ後方に置かれたミラーボールが回り、会場内には幻想的な光景が広がった。22曲を歌い終えたReolは「ありがとう」という言葉と共に深々と一礼し、凛とした表情でステージをあとにした。
アンコールに応えて再びステージに姿を現したReolは、リラックスした表情を浮かべながら緊急事態宣言下でバンドメンバーやスタッフたちと進めてきた準備を回想した。最後にバンドメンバーを1人ひとり丁寧に紹介した彼女はアッパーチューン「第六感」をパフォーマンス。歌唱中、「スタンドアップ!」と求めたReolは小さな体を大きく揺らすハイテンションなパフォーマンスでオーディエンスを盛り上げ、ワンマンライブ「Reol Installation Concert 2021 音沙汰」の東京公演をフィナーレに導いた。
Reol「Reol Installation Concert 2021 音沙汰」2021年6月26日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) セットリスト
01. un, deux, trois
02. カルト
03. SAIREN
04. 激白
05. 秋映
06. 1LDK
07. 真空オールドローズ
08. ちるちる
09. ハーメルン
10. No title
11. 白夜
12. Behind The Night
13. ミラージュ
14. GRIMOIRE
15. ラ・タタン
16. 神様になった日
17. 染
18. 失楽園
19. Q?
20. MONSTER
21. 金字塔
22. 平面鏡
<アンコール>
23. 第六感
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