女王蜂、初の武道館ライブ2DAYSで異なる世界観を表現「武道館でやれる日が…来ると思ってました」

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女王蜂が2月24日と25日に初の東京・日本武道館単独公演を開催した。

女王蜂(撮影:森好弘)

女王蜂(撮影:森好弘)

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このライブは24日を「HYPER BLACK LOVE」、25日を「夜天決行」と銘打ち、それぞれで異なるコンセプトのステージを展開。24日はアルバム「BL」の楽曲を中心にしたヘヴィでダークなサウンドを、25日は最新シングル「夜天」を中心とした荘厳な世界観を、武道館に集まったファンと配信を通じて鑑賞した全国のファンに届けた。

2月24日「HYPER BLACK LOVE」

左からみーちゃん(Key)、やしちゃん(B)、ルリちゃん(Dr)、ひばりくん(G)。(撮影:森好弘)

左からみーちゃん(Key)、やしちゃん(B)、ルリちゃん(Dr)、ひばりくん(G)。(撮影:森好弘)[拡大]

開演時刻を迎え、今回のライブのコンセプトカラーである青いライトがステージを照らし出す中、ひばりくん(G)、やしちゃん(B)、ルリちゃん(Dr)、そしてサポートメンバーのみーちゃん(Key)がせり上がりで登場。華麗なポーズを決めての登場に、武道館中のファンから大きな拍手が沸いた。4人がスタンバイして「HBD」のイントロを鳴らすと、ステージ後方から青いファーのついたロングコートに身を包んだアヴちゃん(Vo)が現れた。5人は1曲目から迫力あるアンサンブルを響かせ、アウトロではみーちゃんが「Happy Birthday to You」のメロディをエレピで奏でる。アヴちゃんは自身に当てられた赤いピンスポットをケーキのろうそくのように吹き消し、ライブの幕開けを飾った。

アヴちゃん(Vo)(撮影:森好弘)

アヴちゃん(Vo)(撮影:森好弘)[拡大]

その後も「BL」「傾城大黒舞」など、アルバム「BL」の楽曲が次々と披露されていく。アヴちゃんは「BL」のイントロでコートの前ボタンを開き、ショートパンツとロングブーツに包まれた美脚をあらわにした。「失楽園」「ヴィーナス」といったダンスチューンではオーディエンスがこの日のライブグッズでもある藍色のジュリ扇を振り回し、女王蜂の奏でるグルーヴに酔いしれた。ルリちゃんのダイナミックなドラムから始まったのは「P R I D E」。野性的なサウンドが武道館を大きく揺らしたあと、アヴちゃんは「夜曲」をメンバーたちが鳴らす中でステージを中座した。

白いミニ丈のローブ服に着替えたアヴちゃんが再び姿を現すと、入れ替わりでひばりくん、やしちゃん、ルリちゃん、みーちゃんがステージを去る。マイクを握ったアヴちゃんはアカペラで「虻と蜂」を朗々と歌い上げ、その唯一無二の存在感をファンの目に焼き付けた。アヴちゃんと同じローブ服に身を包んだメンバーがステージに戻ると「Q」そして「十」の深みのあるアンサンブルが届けられる。「十」のラストにはステージ上に十字の白いライトが照らし出された。本編最後の楽曲は「HALF」。力強い重低音を武道館中に轟かせ、メンバーはステージをあとにした。

女王蜂(撮影:森好弘)

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アンコールでは全員がオフィシャルグッズの白いシャツを纏って登場し、「もう一度欲しがって」の軽やかなサウンドを届ける。さらに翌日25日のコンセプトでもある最新シングル「夜天」の荘厳な世界を垣間見せたあと、アヴちゃんによるこの日唯一のMCへ。アヴちゃんは「女王蜂は組んでからけっこう経つけど、武道館でやれる日が……来ると思ってました」と堂々と言い放ち、オーディエンスの大きな拍手を浴びる。そして「今年のためにずっと前から準備をしていて、でもみんなもそうだろうけどいろんなことが形を変えました。だけどやり通せば答えになる、と強く感じました」と、コロナ禍を乗り越えて初の武道館ライブの日を迎えた心境を明かした。

昨年中止となったZeppツアーの開催をファンに発表したあと、アヴちゃんは「では最後に1曲、心を込めて」と紹介し、「火炎」を披露。曲の最後にはスモークがたなびく中で大量の白い紙吹雪が降り、ステージを白一色に染め上げた。歌い終えたアヴちゃんは妖艶な笑みを浮かべ「また明日お会いしましょう」と挨拶し、メンバーとともに悠然とステージを去っていった。

2月25日「夜天決行」

左からみーちゃん(Key)、やしちゃん(B)、ひばりくん(G)、ルリちゃん(Dr)。(撮影:森好弘)

左からみーちゃん(Key)、やしちゃん(B)、ひばりくん(G)、ルリちゃん(Dr)。(撮影:森好弘)[拡大]

この日のライブは赤い照明に照らされながら幕開け。ひばりくん、やしちゃん、ルリちゃんはシングル「夜天」のアーティスト写真でも着用していた個性豊かな衣装に身を包んでステージに登場した。1曲目「コスモ」のイントロを奏でる中で和傘を差したアヴちゃんが現れ、傘に隠れながら高く澄んだ歌声を武道館に響き渡らせた。

アヴちゃん(Vo)(撮影:森好弘)

アヴちゃん(Vo)(撮影:森好弘)[拡大]

4人の鳴らす流麗なサウンドが印象的な「CRY」でオーディエンスを魅了したあとは、この日のライブのタイトルにもなっているシングル「夜天」をパフォーマンス。観客の軽快な手拍子に乗せてメンバーも楽しそうに演奏する。「金星」「DANCE DANCE DANCE」といったナンバーでは、やしちゃんとルリちゃんの刻むビートに乗せて客席の赤いジュリ扇がひらひらと舞っていた。

華やかな熱気を切り裂くように鋭い口笛が響き渡り、「魔笛」の妖艶なアンサンブルへと突入する。続く「売春」をじっくりと歌い上げたアヴちゃんがステージをあとにすると、残るメンバー4人は「心中デイト」をポップに奏でた。メンバーと入れ替わるように戻ってきたアヴちゃんはYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で話題を呼んだ「火炎」のアコースティックバージョンをリアレンジした「火炎(FLAME)」を、炎に囲まれながら力強く熱唱した。

女王蜂(撮影:森好弘)

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「先生」「あややこやや」を連続で披露し、歌詞の世界観にオーディエンスを引き込んだあとは「雛市」へ。アヴちゃんの切実な歌声に、武道館の観客は息を呑んで聴き入った。一瞬の静寂を挟み、まばゆい光に照らされながらメンバーが演奏したのは「聖戦」。本編最後は「空中戦」をエモーショナルに披露し、観客との一体感を再び高めた。

女王蜂(撮影:森好弘)

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大きな手拍子に応えてステージに再登場したメンバーは、全員オフィシャルグッズである紺色のシャツ姿に。アヴちゃんの「懐かしい曲を」という言葉に続き、今から10年前の2011年3月にリリースされた初の全国流通盤「魔女狩り」の収録曲「棘の海」が披露された。女王蜂の原点とも言えるストレートなバンドサウンドを武道館の観客、そして配信を見守るファンに届けたあと、アヴちゃんはメンバーを代表して「今日はどうもありがとう。またぜひお会いしましょう」と、ファンへの感謝の思いと再会への誓いを述べる。2日間にわたる武道館ライブを締めくくった曲は「鉄壁」。アウトロでは名残を惜しむかのように、すさまじい轟音とアヴちゃんの歌声が響き続けた。

今回の武道館ライブのアーカイブ映像は明日2月28日18:00まで配信中。初日でアナウンスされたZeppツアー「夜天下無双」は6月より全国6公演が行われる。ファンクラブ「CLUB OF qb」では2月28日まで、女王蜂公式サイトでは3月1日から10日までチケット先行予約を受け付ける。

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